トランプ大統領は4年間のドン・キ・ホーテだった

トランプ大統領は4年間のドン・キ・ホーテだった

余程のことがない限り、非常に残念だがトランプ大統領は20日で退任になることが、決定的になった。というよりも、バイデンが次期大統領に決まったのだから当たり前、と言われるかもしれないけれど、今回ばかりは所詮他国のことと割り切るわけには行かなかった。株式投資という正業をもっていることも重要な要因だけれども、それと同じくらいバイデン政権に対して不安を抱いているからだ。

経済政策しかり福祉も新型コロナ対策も、さらに言えば移民政策も人権問題も滅茶苦茶だし、対中政策も結局のところ米中を中心としたインチキ経済拡大主義を維持する方向へいくと思うと不安を感じざるを得ない。そしてそのような体制がなりふり構わぬ不正によってつくられることがやるせない。

揺れ動いたトランプ大統領

昨年11月3日の投票結果を不正と主張して「勝者は自分である」と言い続けたトランプ大統領は、陣営の不正告白を司法からことごとく撥ねつけられて四面楚歌に陥った。しかし事前に投票不正が行われることが分かっていたにもかかわらず、結局は大統領選挙を通じて対策を行ってこなかったことが仇になったわけだ。

もっとも選挙不正の捜査は現役の大統領である以上、十分に対応できたはずで、司法省にしても傘下のCIAやFBIにしてもすでに自身のロシアゲートの捜査で敵と味方の区別は十分についていたはずだ。もちろん政権内では目まぐるしく人事を行ったが、起用する大多数の閣僚に裏切られた。そもそも政治経験のないトランプ大統領の弱点は、人事だったということになる。

そして、シドニー・パウエルやリン・ウッドといった陣営の弁護士たちが主張したような、職権を用いた不正摘発を周囲の反対で強硬できなかった。首席補佐官、司法長官、CIA、FBI長官、最高裁判事、その他のスタッフの多くが何らかの形で民主党の息のかかった人物であったことや、はたまた共和党上院院内総務という党の中心人物までが寝返るという状況を招いてしまった。

Advertisement

それはみな、ある意味では選挙不正を職権を用いて捜査・摘発できなかった自身の判断が大きく影響した。各州の司法にことごとく排斥された訴訟の意味は、「確固たる証拠を提出するために、強権を発動してください」という暗黙の要求だったのかもしれない。

日本の場合であれば、選挙の不正は投票日の翌日から事前に入手した通報や証言をもとに一斉摘発が行われる。それをしないで時間が経つと証拠は隠滅されるからだ。ところが、米国ではまるで選挙不正はアンタッチャブルなのだ。なぜなら、国民のほぼ全員が共和党か民主党の支持者だからだ。完全にノンポリである必要はないにしても、これでは捜査はできるはずがない。

それでもトランプ大統領には何度も大統領令を発動するチャンスはあったし、投票結果を覆すこともできたわけだが、最後の最後で副大統領が選挙人投票を覆すことを拒否した。12月には選挙人投票を受け取ることを拒否できたし、1月6日には議会への暴徒侵入があったからこそ延期することもできた。そしてあの状況であれば延期に異議など出るはずがないわけだが、ペンス副大統領はそれをしなかった。

Advertisement

こうした事態を招いたのは、そしてトランプ大統領が強権発動を躊躇しなければならなかったのは、ツイッターやSNSで自陣の弁護士が過激な言動を繰り返したからだ。それがリン・ウッド弁護士である。この人は弁護士でありながら、SNS上で地位ある人の断罪を繰り返した。本来は水面下で処理すべき問題であり、争うならば捜査・起訴して行うべきであると思うが、容疑の段階でSNS上にことごとく散布してしまった。

そしてそれがすべてトランプ大統領のためであると詭弁を振るった上での行為だった。こうしたことが、ペンス副大統領やマコネル院内総務、連邦最高裁判事、司法長官といったキーパーソンをすべて敵に回す結果になってしまった。これでは本来味方であっても敵に回るのは止められないだろう。

対立候補のバイデンのスキャンダルはある程度許されるだろう。しかし、リン・ウッドという人はそれこそ誰彼お構いなしだった。下院議長のペロシをつつかなければ弾劾もなかったかもしれない。

なので、トランプ大統領がリン・ウッド弁護士を切っていたら情勢は大きく変わったのではないかと思う。結局トランプ大統領は自身のカードを切ることが出来ずにここまで引っ張って、終わってしまうという最悪の結果となったのだ。それは結局決断できなかった優柔不断さ故である。憲法、自由と民主主義を守ると大義を掲げたら、血を流すことも厭わないというのが、合衆国大統領の地位というものだ。

Advertisement

バイデンは長くはもたない

就任早々にバイデンは、閣僚の議会承認を受けなくてはならない。いまだに誰一人選んだ閣僚は議会承認を得ていないのだ。そして国防総省から最高機密等のブリーフィングをこれから受けることになる。なので、話題はさらうとしても就任早々の数カ月はレームダックなのだ。

また現在でも不正選挙をめぐる裁判は継続していて、どのような判決になろうとも半年はかかるだろう。そしてその間に、自身や息子の数知れないスキャンダルを追求されることになる。そんな中で、トランプ大統領の政策を軌道修正せねばならないのだ。数々の大統領令の解除、外交での方針転換、その他外交交渉と忙殺されるだろう。その上、国民の半数以上は不正選挙で当選した大統領という見方をするわけで、掲げている国内政策を実行するには途方もないハードルが待っている。

経済政策も一歩間違えると、バブルが過熱しいつ破裂するとも限らない。民主党はこの状況下でなおも新政権での景気対策として200兆円以上を予定していると・・・。具体化してくると大幅なドル安と円高を招くのは必至で、バブルが過熱し極端な金利上昇も十分にあり得る。そうなればいきおいFRBはテーパリングを行わざるを得ず、株式市場は大暴落することになる。

そうなると火に油を注ぐ金融緩和が出来ない。下手をすればドルの基軸通貨体制が危うくなる可能性も十分にある。大変に危険な選択を米国は自ら進んですることになってしまう・・・。

Advertisement

米中の通貨体制を維持したい大資本家たち

現在中国は、経済や政治体制、新型コロナ拡大、人権問題、領土問題と米国以上の混沌の中にある。どこよりも早く新型コロナを克服し、経済を軌道に乗せたと豪語するものの、新型コロナの感染者数と同様に景気指標はすべてフェイクであり、真っ当に企業活動が出来ているのは、アリババやテンセントくらいしかないのだ。しかし、人民元の対ドルレートを管理変動相場とすることで対ドルで人民元の価値を維持している。

Advertisement

中国共産党の管理下で発行される人民元は、管理変動相場とすることである意味ではドルが保証する通貨であり、開示しなければいくら発行しても全く問題化しない。

一方の米国ドルもFRBが大富豪の出資による民間の連邦銀行であり、それが実質的な米国中銀の役割を担っているために、必要な時は必要なだけドルを発行できる。

ということは米中の二国間取引において兌換制度を維持することによって莫大な利益を濡れ手に粟で得ることができるというとんでもないシステムになっている。結局米中二国間が経済的に活況で、かつ米国が独裁的な政治体制が出来上がるなら、大富豪と共産党は望むだけ利益を手にすることができてしまうのだ。

何度か書いたが、今回の米国大統領選挙の本質は、まさに米中の経済的関係の修正であり、ドル・人民元の兌換維持である。これが目標であるからこそ、民主党・大手メディア・ウォール街・ビッグテックが団結してトランプ潰しを行ったという、ある意味滑稽で陳腐なものだった。

結局トランプ大統領は4年間だけのドン・キ・ホーテであったのだろう。

Advertisement