株がなかなか買えない理由を書いてみた

株がなかなか買えない理由を書いてみた

日米ともに大きく反発している今夜の株式市場だけどね、なんか買い方さんは久々に気持ちよく眠れるんだろうな、なんて想像しながら楽しんでみてます。それでも今の相場は買う気になれないのでね、ヘッジ買いはするとしても、本格的な買い勝負はしないつもりですよ。

何故買う気になれないのか・・・「株は安く買って高く売る」ものだそうで、深押しの押し目買いはそういう投資法では千載一遇のチャンス到来、なのかもしれないけれどね。俺は買い勝負はこの局面では出来ないと思ってて、その辺の考え方というか感じ方を書いてみますね。

アイランドリバーサル?

まず今の相場で買えない最も大きな理由は、株価は高値から20%以上下落していて、チャートには出ていないけれども、実体としては上値は膨大な資金がシコってるアイランドリバーサルのような感じになっていると思うからだね。何故かと言うと、FRBのインフレ対策が完全に出遅れていて、インフレの後追いのように金利をあげていかないといけない状況に追い込まれてるわけで、そうなると時とともに金融引き締めの度合いが強くならざるを得ないから。

その場合、株価が下落した後に後追いで強い金融引き締めをすることになるので、そうなると3月まで延々と続いた金融緩和という梯子がある日突然無くなってしまて、降りるなら自力でどうぞ、みたいなね。そんなとんでもない環境に今いるんじゃないのかな。

Advertisement

金融政策の効果が分からない?

インフレ見通しを完全に間違えて後手後手にまわったFRBは、インフレを追いかけるように金融引き締めを始めた。でも年率8.6%のインフレに対して現時点では1.500ー1.750。市中金利は高いけれどそれでもインフレを抑え込むほとの高さではないしね。それに現時点では今月の0.750pの利上げが果たして効果があるのか?今月から開始されたQTの効果はどれほどなのか?すべて未知数と言ってもいいんじゃないかな。

金融政策は効果が発現するのに時間がかかるもの。なので少なくともその見極めには今後数か月かかると思って観ないといけないよね。

今回のインフレの鍵を握ってるのは原油価格だと思っていて、雇用や住宅は景気が後退すれば必ず悪化するもの。でも原油価格がこのままだとスタグフレーションという最悪の状況に陥りかねない。なので、今やるべきことは原油価格を抑え込むことだと思うけどね。

Advertisement

相場の谷は相当に深い?

株価が下がればすぐに「底当てゲーム」が盛んになるけど、株価の底、株価の天井はこれが分かれば苦労はしないんだよね。なので、底や天井は、それが過ぎてから判断すればいいことのはず。で、そういうのは正直分らんからね。普通なって見ないと分からない、と言うけれど、なっても分からないのが株式相場だから。

なので株式投資を取り巻く環境を良く把握して、とりあえず推測しておくことだよね。相場と言うものは同じようなものは合っても同じものは存在しないわけで、それは都度環境が千差万別だから。たから結構危険なのは、よく(俺も使うけれど)チャートで下値(上値)の抵抗線なんていうのは、環境の異なる過去との比較論だってことには十分注意しないといけないよね。

人間の判断することだから類似の傾向が出るというのも分からなくはないけれど、今の相場のように上値に膨大なシコリが、言わば官製シコリがあるような地合いと以前を比較してもいいのか?って思うしね。

Advertisement

世界秩序の行方が決まらない

いきなりウクライナに軍事侵攻という荒業を繰り出したプーチン・ロシアのお陰で、今後の世界の秩序というか、経済活動も含めて混沌としてきてる。ここ数年は米中の対立がクローズアップされてきたけれど、結局経済的には持ちつ持たれつの関係だった。

ところが今回はロシアとの政治的な対立はもちろん、経済的な繋がりをいかに排除するか欧米は躍起になっている。もちろんプーチンにはそれなりの理由もあるのだろうけど、軍事力を背景にした侵略は今の時代では容認されないよ。それを許すと何でもありの世界になってしまうしね。

けれども世界中がら非難されてるロシアは、原油や天然ガス、穀物、非鉄金属等々資源大国なわけで、そういう国が戦争して世界中から経済制裁を受けても、価格が暴騰して大いに潤っているという矛盾が生じてる。欧米が原油を買わないと言っても中国やインドがバンバン買ってて、ロシアはウハウハ状態だ。

Advertisement

いざとなれば、インドでさえ制裁に共感するどころか、ロシア産原油をしこたま仕入れて精製して欧州に再販するという強欲商人ぶりを発揮してるしね。

なのでこれから世界や経済の枠組みがどうなってゆくのか、現時点では見極められないよね。

大いなる矛盾

喫緊の世界中での大きな課題は「インフレの克服」ということだけど、その主要因がエネルギー価格の暴騰だ。なかでもとりわけ原油相場は極めて重要で、天然ガスやら他のエネルギー資源も基本的には原油相場をベンチマークにして決定されているのは、周知の事実。

Advertisement

だったら、インフレが危機的水準だというのであれば、なぜ原油価格を抑え込む動きが欧米で出ないのだろう?と思うよね。世界最大の原油大国であるはずの米国政府がWTIに介入してしまえば、それで済むことじゃないのか?

口先介入するとか、同じ放出するにしてもWTI市場で大量売りをするとか、消費国間でカルテルを組むとか(イエレン財務長官は画策してるらしいけど)原油価格を操作する方法はいくらでもある。それが需要超過、供給量ひっ迫な状態なら難しい面があるけれど、原油は実体としては供給超過なんだよ。

インフレ、大変だ!って騒ぐなら、とっとと介入して下げちゃえばいいだけのこと。資本主義だから出来ないみたいな意見もあるけれど、類似例はいくらでもあるし、もっと言うとFRBだって同じようなスタンスだろう?

新型コロナが始まった時、原油はなんとマイナス価格だった!言い換えると実質「ゼロ」だったってこと。それが今では$120だって。8.6%のインフレどころじゃないよ。それを放置するって・・・そういうことをするからプーチンも狂うのよ。最近はそんな矛盾を大いに感じてます!

なので相場が嘘臭くてね。売りは出来ても買えないんだよね。