昨今の日米株の下落に思う事

昨今の日米株の下落に思う事

いやいや昨夜の米国市場は、想像を絶する株価の動きだったなぁ・・・。ダウ△0.56%、S&P▲0.88%、NASDAQ▲2.05%!そしてなんといってもNVIDIAがなんと▲10%という暴落に見舞われて・・・SOX指数も▲4.12%!半導体関連はもうグチャグチャになった。

相場には地政学リスクに対する一定の安心感、つまりイランがこの程度の攻撃では反撃しない、というコメントを外相がしたってことで、小康状態になったんだよね。だからこそ原油は中東リスクより実需低下が問題、とばかりに売られたことからも分かる。

それよりも問題なのは、とにかく米国市場では、過大なリスクを取り過ぎの過剰感に満ち溢れていること。なんかね、今回の上昇局面では、プロのアナリスト達、大手ファンド、大口投資家等々が、インフレ警戒感のためにほとんどがソフトランディングを信じてなかったんだね。近々の内に景気指標も悪化し始めクラッシュが来るぞ、という感触を持っていた・・・。ところが昨年中様子見してても一向に雇用統計を筆頭に景気指標が悪化せず、消費は堅調で、それでいてCPIはジワジワと下がってきてるので、「しまった!間違えてた!」みたいなムードが急激に沸き上がった。

なので、そうした投資チャンスを逃しまくった大口資金が、それを取り返そうと一斉にハイレバで買い始めちゃったんだろうね。昨年11月頃から今年の3月まで、悪材料や懸念を無視して買って買って買い捲った結果、米国三市場は史上最高値更新し続けた。それは何も米国株だけじゃなくって円安で割安感半端ない日本株にもガンガン向かったってことで、バブル高値更新して¥41,000近くまでぶっ飛んだんだよね。

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プロだって、イケイケ相場になるとやっちまうんだよ。過熱してくると熱くなってきて、イケイケドンドンになる。しかも始末が悪いことに、プロ連中はもっともらしいレポートなんか出したね。日本だってほとんどの証券関係者が5万だ、10万だ、ってまるでお祭り騒ぎをやってたよ。

俺は結構売り勝負をずっとしてきたので、世の中が株高に沸いているほどに稼ぐことはできなかったけれど、内心では「日米株式市場は・・・投資家は、投資関連メディアは株式相場を舐めてるな」って思ってた。もちろん俺だって、確信があったわけじゃないけれど、株って言うのは「儲けるのは簡単だ!って思った瞬間からリスクは増大し始めるもの」って師匠から言われてたしね。株だけじゃなく恋愛でも人生でも、イケイケになったときには蟻の一穴は見えない物なんだよ。

いずれにしても信用買残がパンパンになった米国市場は気が付くとヤバイ状況になっていたってこと。なのでようやく4月になって、リバランスしないと1発喰らうとすっ飛ぶ!という危機感を持ち始めたんだと思う。それでも強気派は強気派で相当に頑張っちゃってるし、そこに3月のパウエル議長の年3回利下げ発言が火に油を注いでしまったからね。中東がキナ臭くなっても原油が上昇しても、利下げするという「?」な感覚があるからね。

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けど、イランがイスラエルを直接攻撃して、イスラエルがまともに「返し」をしたら大事で、いまこの需給で始まっちゃったら、これはもう大ぶん投げ合戦になっちゃう。最近の日米株式市場で見られるような、下げれば下げるほど需給が悪化するって感じが寄り強調される。

大体イスラエルは今回の攻撃に関して一言もコメントを出していない。周りが勝手にイスラエルの仕業と決めつけてるだけ。で、本当のところは?というと、やはりイスラエルなんだと思う。イランは報復攻撃をした後「もう終わり」と何度も言ってるけど、それがイスラエルとしては気に入らない。だから、ちょこちょこ挑発するようなことをして、何とかイランを引っ張り出すという作戦だと思う。それでもイランが乗って来なければ・・・イスラエルはイランの報復攻撃に見合うくらいの攻撃をする。そういう作戦があるから、今回の3発に関しては、沈黙を守ってるという事だろうと、個人的には推測してる。

なので、我々個人投資家としては、とりあえず原油価格の動きを見てるしかなさそうだ。

最も始まってしまえば、それこそ日本株なんて下値が見えなくなっちゃう。何と言ってもイランはホルムズ海峡を簡単に封鎖できちゃうからね。