もうすぐやってくる日米株式市場の修羅場を想定しておく

もうすぐやってくる日米株式市場の修羅場を想定しておく

ASML、TSMC・・・ASMLは決算をミス、TSMCは半導体業界の今期予想下方修正、APPLE、TESLA業績不振、NVIDIA▲10%暴落・・・これじゃ、NASDAQはダメだな。特にショックなのはSOX指数で、▲4.12%ってこれは暴落の初期かも、と思わせるほど。PERで高い銘柄が売られてるからね。

日米株式市場の下落局面

まぁ、これで日経CFDが軟調だったのは当然で、明日の日本市場はエレクとSBGが下げちゃうと、ファストリだけでは厳しくなるのかって普通に思ってしまう。海外勢は、ファストリに買いを入れて防戦すると思う。何としてもドル建て日経平均をこれ以上下げたくないという思惑はあると思うから。でも、無理をしないで投げるという選択肢も十分にあり得るわけで、下げ止まりと決めつけるのはリスクがあり過ぎる。

週末の間、シミジミと米国三市場のチャートを見てる人も多いだろうと思うけど、ここから買ってどうする!みたいな下落の真っ最中。一発のリバウンドを狙うような投資家がいるのかね?ってお観たくなるようなヤバイ恰好(でも米国にはいると思うけど)。

マイケルバーリはまだ売りポジ建ててるのかな?だとすると、5月、6月は再度空売り王の称号を手にするかもしれない。という具合に、メディアが絶対に話題にしたくない商業用不動産の5月、6月から本格化するロールオーバー需要で、株式市場が暴落する可能性は結構高くなってきたと思う。

そういう情報をメディアが書かないから、半導体やハイテクがダメでも金融株がしっかりしてるからダウが強い。強いけれど、FRBでも問題にし始めたBNPL(バイナウ・ペイレイター)消費とか、クレジットカードの延滞率の上昇とか、消費が陰る要素満載だからね。

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そんな中、米国株式市場を占う一つの重要な指標が、米国債2年物利回り。これが5.000pを越えて推移するようなると、ある日突然HYG(ハイイールド債)がストンと来る。これが始まりかな?と個人的には思ってます。

でも5月には、米国10年物国債が2年物国債金利に追いつくくらい上昇するんじゃないか?と思ってて、そうなると逆イールドがようやく解消されることにはなるけれど、その頃には株式市場は逆イールド解消を歓迎するみたいな状況では全くなくなってるので、そもそも金利が上昇することを嫌気するわけで・・・。

WTI原油価格の動き

個人的にイスラエルとイランの問題を考えながらWTI原油を買って上昇を期待したわけだけど、3回やって3回とも勝てなかった。これって、米国の投機筋が何を見てるか?というと、多分株式市場の暴落に備えた動きをしてると感じるんだよ。もしも今、巷間言われているようにイスラエルとイランが開戦前夜のような緊張状態にあるなら、どう考えても原油価格は上昇するはず。事が起こると言っときは上昇するものの、さっと売り物が出てWTIは$81とか$82とかの水準になる。

夜中に値動きを見ていると、ジワジワ上昇する局面はあっても、上昇したところで必ず上昇分を打ち消すような売りが出ちゃう。その時の陰線が長いのよ。いままで何度も原油先物をやってきたけれど、あんな値動きはあまり見なかった。

なので、半信半疑ではあるのだろうけど、ジワジワと株式のポジションに警戒感が出始めていることは確かなんじゃないかなぁ・・・。

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中東情勢と株式市場

中東情勢で言えば、イスラエルのネタニヤフ首相は、今回かなり策を巡らせていると思うんだよ。「イランがイスラエル本土を直接攻撃してきたこと」を世界中はちょっと軽く見過ぎてるように感じるんだよね。このことを、イスラエルは絶対に許さないと思うんだよ。けど、単独で距離の離れたイランを攻撃するには、とりあえずパワー不足なので、何とか米国と共同でやりたい。その大義名分のために、いろいろコソコソと仕掛けてるとしか見えない。

まず、イラン本土に対して3発のドローン(またはミサイル)で仕掛けてみたけれど、あれはイランの防空システムを試してみたんじゃないかな。そして昨日はイラク国内のフーシ派の拠点を少しだけ攻撃してみた。それについては米軍がすかさず、我々は攻撃していない、と表明してる。

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でもどちらの攻撃に関してもイスラエルはコメントを一切していないし、米軍でさえも「どこかの空爆」と表現して、とぼけてる。でも米軍が攻撃の詳細を把握していないはずもなくて、全くとぼけたままなんだ。

イラク国内を攻撃してみて、防空がどうなっているのか、イラン本土を直接攻撃してみてどう迎撃されるか見てみる、という事を考えると、イスラエルからイラク上空を通過してイラン本土攻撃が可能なのかどうなのかを試しているんじゃないか?って思えるだろう?

ほとんど迎撃したとはいえ350発もの攻撃を喰らったイスラエルが、普通3発の反撃で済ませると思う方がおかしい。少なくとも同害報復でないと、理屈に合わないしね。米国ではイスラエル援助法案が緊急で下院可決になったけれど、世論はどうあれ米国はイスラエルを支援するんだなと思ったよ。

もしもそれが、5月6月という株式市場が最も危険な時期にバッティングするような事態になれば・・・、まぁ、株式市場の暴落は回避の仕様が無くなるし・・・。バイデンは大統領選挙なので、株式市場も暴落は絶対に避けたい。なので盛んにイスラエルに攻撃するなと言い続けてるわけだが、米国のユダヤ系の勢力は全然気が済まないんじゃないか?米国内のユダヤ勢力を敵にしてしまったら、再選は夢の夢だろうからね。

最近、ブリンケン(国務長官)なんか、ほとんど発言もしなくなった。ヌーランドは退いたけど、国務省には、親イスラエルはたくさんいます。ヌーランドよりも過激な人材もウジャウジャなんじゃないかな。米国にとってもイランの核保有を食い止めるラストチャンスには違いないしね。



出来るだけ有事を想定しておく

株式市場関係者は異口同音に中東情勢は分からない、と言って逃げてる。けど中東有事ならば、株式市場はどう考えても急落は免れないわけで、想定をしておいて物を言わないとダメでしょ。特に日本の場合、エネルギーを中東に思い切り依存しているわけだから、分りません、と言っても仕方のない話。けれど、本当に分からないと言いつつ、新NISAを勧めたりね。業績がどうの、とファンダばかりで株の上下を評論してたりね。相変わらず調整はここまで、とか割安、割高とか、そんなことばかりなんだよね。

長く米国経済はダメだ、ダメだと言いながら、全然ダメじゃない状況が続いてる。これはとりもなおさず、財政政策をふかしまくって実質的に金融引き締めを相殺してオツリが来るほど、やってるし、円キャリーもその片棒を担いでるから。けど、金利が上昇し始めてしまうと、嫌でもモノの値段が上がるし、そうなるとそれを打ち消すだけのジャブジャブをするわけにはいかなくなる。

FRBパウエル議長だって、利下げすると言い続けたけど、ちょっとそういうわけにはいかないかな?という雰囲気になってきた。でもね、米銀のCITIだけは年6回の利下げをすると、いまだに予測を変えていない。なぜならCITIは何かを想定しているからだよ。

 

株式市場だって、何かが起こるときは、ジワジワと徐々に、少しずつその兆候が見えるもの、と思ってる。それは分り辛いし、特別なものには見えない場合が多い。でも人間の心理の変化を見極めるような気持でマーケットを見ていると、もしかしたら?という局面に気付くときがある。もしかしたら?は何度も何度もあるから、当然騙しもあるし、俺なんかいつも失敗してるしね。でも、今の状況で(想定が)当たってしまったら・・・これは相当デカイと思ってるし、最悪の修羅場になるかもしれない。巻き込まれて泣きべそは御免だからね。

きっと、イスラエルは何かやらかすと思うよ。

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