米国はまだまだ混沌の真っ只中
- 2020.11.19
- トレード雑感
ちょっと株式市場をめぐる環境が怪しくなってきた。相変わらず連日のように新型コロナワクチンに関するニュースが(意図的に?)流されているけれど、なかなか株式市場はそれに反応できなくなってきてる。
昨日もファイザーワクチンが、モデルナ製と同様に95%の効果がある、と追加で報じられた。つい先日、このワクチンは90%の暫定的効果があるというニュースが流れ、その後モデルナワクチンが95%の効果というニュースが出たばかり。
そしてファイザーのワクチンは零下80度近い低温で保存する必要があるけれど、モデルナワクチンは零下10度もあれば十分というニュースも。当然、普及には物理的にモデルナワクチンの方が有利だろう。
しかし、こうしたニュースにもかかわらずプラス圏を維持した米国市場は大引けにかけて大幅なマイナス圏に沈んだ。
キナ臭くなってきた米国大統領選挙の行方
みんなが気付いているとは思うけれど、ここ最近民主党バイデン陣営の政権移行の動きが止まってきた。なかなか敗北宣言を出さないトランプ大統領に対し、移行準備を加速することでプレッシャーをかけようとしていたわけだが、何やら経済政策の発表もされずにバイデンは大人しくなってしまった。
トランプ陣営の切り札
その背景にはトランプ陣営の、民主党選挙不正に関する切り札の存在が見え隠れしていることがある。やはり、というか思った通り、今回の大統領選における不正とは、巷間話題になっているような些細な問題も含まれるのだろうが、何より不正そのものを摘発することによって投票結果が覆るようなものでないと意味がない。
仮にその可能性があるとするなら、投票結果の集計システムによる不正、以外に考えられないと思う。
指摘されているオハイオ、ミシガンやペンシルべニアでの、不自然な投票結果に関して、多くの民主党関係者、民主党員は全く問題ない、というコメントを一斉に出した。しかし、トランプ大統領は、米国土安全省のサイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁の長官であるクリス・クレイブを即刻解任した。
この人は、今回の大統領選挙における安全性を「投票システムが票を削除したり、紛失したり、変更を加えたり、あるいは何らかの方法で不正アクセスを受けたといった証拠はない」と庁の公式見解として発表した人物だった。もちろん、疑いがあるにも関わらず調査もせずに、この発表を行ったことに対する解任だ。
今回の多くの不正疑惑に関しては、政権内部でさえ真っ向から否定側に回る人物さえいるわけで、まさにトランプ大統領の周囲は敵だらけと言ってもいい状況。今の状況は再集計の訴訟さえ各州で却下されるという、極めて厳しい状況であることに変わりはないが・・・。
しかし、決して見過ごせないのは、ポンペイ国務長官の発言、ジリアーニ弁護士の余裕の発言、そしてペンス副大統領も含めて、本来ポスト・トランプと言われる人物がみな、しっかりとトランプ大統領をフォローしているという点だ。
トランプ陣営はかなりの根拠や証拠を持っていて、民主党はそうした訴訟を連邦最高裁に持ち込まれることを極度に警戒しているという雰囲気がある。
ドミニオン集計システム
全米の約半数近い投票場で用いられているのが、ドミニオン社の集計管理システムで、同社には、民主党下院議長ペロシ氏の親族や補佐官(ロビースト)が関係する企業で、オバマ、クリントン元大統領との関係も指摘されている、民主党ズブズブの企業だ。
もちろんこうしたシステムには、バックドアがいくつも仕込まれていて、膨大な投票で不正を画策するならば、他の方法よりも手軽に簡単にできる可能性がある。この程度のものは、製造するのは簡単だが、問題は不正の痕跡をいかにシャットするかという技術が必要で、これは結構難しいことだと思う。
ネットや外部メモリーからのアクセスの痕跡を消す、アクセス権限の段階に合わせてそのような防御を行うことや、あらかじめシステムやソフトウエアに組み込む等々も含め、プログラムのソースコードを公開しなければ決定的な証拠にはならないかもしれない。
また、現実の投票を主導で再集計し、集計システムの結果と照合するのも有効だろうけど、この部分は各州の裁判所で許可が下りず、また許可されたとしても時間の制約があるために間に合わない可能性が高い。
トランプ陣営はこの部分をどういう戦略で崩そうとしているのかが鍵を握る。
元連邦検察官・シドニーパウエル弁護士
トランプ陣営に加わったヤメ検(連邦検事)の敏腕弁護士、シドニーパウエルは超強気で、ドミニオン集計システムの不正を証言する宣誓供述書を公開したり、複数の州で選挙結果をひっくり返すと自信満々に答えて、さらには今回の不正に関与した民主党関係者は全員告発すると、FOXのインタビューで言い放った。
同様に元ニューヨーク市長で現在のトランプ大統領の弁護士であるルディ・ジリアーニは、一貫して強気に「今回の選挙で不正が行われたことは明らかで、いまその膨大な証拠を整理するのに時間がかかっていて、近いうちに大きな爆弾が落ちる」と発表している。
こうした一連の動きの中で特質に値するのは、パウエル弁護士が、「集計システムのアルゴリズムを解析した」とはっきりと述べていることだ。仮にこの部分が指摘され、その上不正の痕跡が連邦最高裁で提訴されたら・・・。下手をすると今回の大統領選挙の有効性にかかわるような判断が下される可能性が高い。
トランプ大統領の警告
そもそも、こうした選挙の集計システムは、少なくとも製造に関しできるだけ痕跡を残したくないというのが常だから、概ね海外、特に中国の援助なしには成立しない。当然のようにドミニオン集計システムも中国製の部品を半数以上使っていて、同社社長は2018年の議会証言でその事実を認めている。
この時も米国の中間選挙での結果が問題視され、不正の追及を受けていた。しかし、結果として米国の半数以上の州で同社システムが導入され、使用されているのは、こうした機器は各州が独自の判断で導入するためで、連邦の政権側ではどうすることもできないわけだ。
そして、こうしたことが仮に、中国共産党の米国浸食の骨格であるとするならば、すでに民主党を通じて中国共産党は、米国の大統領選挙までも掌握していることに成り、それはどれだけ大統領が対中強硬路線を取ろうが、中国がひるまない主要因になっている可能性がある。
恐らく中国が提供したAI半導体等の電子部品を通じて、選挙介入可能な環境を手にしているはずで、こうした危惧をトランプ政権は米中対立が開始された時点では抱いていたことになる。
こういう話は夢物語ではなく、こうした可能性を根拠としてファーウェイやZTE、ハイクビジョンの排斥へと繋がっている。厄介なことに技術的には、スマホであろうが何であろうが、データーを吸い上げることなどいとも簡単に出来てしまうと言ったら日本人の多くはそれを信じないだろう。
現に最低最悪のTBSテレビでは、TIKTOKの動画の普及を堂々とやっている。すでに埼玉県をはじめ複数の件でTIKTOK排斥を打ち出しているにも関わらずである。こうした日本の状況からは、日本人のリテラシーでは、トランプ大統領は妄想の人に思えるかもしれないが・・・これが世界の現実だと思う。
なので、トランプ大統領は人民解放軍に協力している31社の投資禁止を打ち出した。さらに対中強硬政策を近いうちに発表するとしている。
そうした流れは、今回の大統領選挙と無関係どころか、大いに関連しているわけで、いまなお大統領であるトランプは最後の最後まで中国との闘いをやめるつもりはないということだろう。選挙の不正は次期大統領を決める重要なファクターだが、それ以上に米国を中国の浸食から守れるか否かの排水の陣と言える。
四面楚歌の中で
米国の主要メディアはすべて、あのFOXでさえも裏切るようなそんな状況であり、さらにはSNSといったネット・プラットフォームまでが反トランプの姿勢を鮮明に打ち出している状況では、まともなニュース報道など、とても期待出来はしない。
それに加えてウォール街はほぼ、反トランプの姿勢を打ち出しているのは、いまの過熱したバイデンポジションを見れば明らかだ。実際に株式市場はここまで、新値を取る勢いで戻り相場を演出してきたわけだが、恐らく民主党政権誕生や新型コロナワクチンへの過度の期待感は、新型コロナ感染の急激な拡大とともに剥離してゆくと思う。
何はともあれ、この11月で新型コロナウイルスの感染拡大が始まってから丸1年が経過した。その間、この新型コロナは収束するどころか一貫して増え続け、秋になって急増の局面を迎えている。
欧州でもそして米国でも、追加対策予算をばらまくことでしか、経済を支える道はないわけだが、特に米国では少なくとも1月までは、大統領選挙の混乱によってその対策予算を繰り出すタイミングはない。
しかるに、株式市場は年末にかけてラリーどころか、下手をすると2番底に向けてまっしぐら、という局面が訪れても全く不思議とは思えない。その理由は、表向きには新型コロナの急増ということになるけれど、実際は米国における中国浸食の結果でもあると思う。
国中のすべてが、民主党バイデンを支持し、トランプ大統領を抹殺しようとする意図は、明らかに、明確に、米中対立を阻止しようとする親中的な行為だろう。中国と仲良くすれば莫大な富を得られるという、世紀末的な拝金主義以外の何物でもない。
多分、ここから軌道修正が可能か否かは、一つにはトランプ大統領がこの四面楚歌を克服できるかであり、もう一つは株式市場がバブルに踊らないことなのではないか?
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