半導体こそが世界を制する!日本市場の明暗も・・・

半導体こそが世界を制する!日本市場の明暗も・・・

決算シーズンを前にして、米国市場は堅調に上値を目指し始めた。昨夜(9日)の米国市場は以下の通りで、ダウとS&P500は史上最高値をガンガンに更新中となってるね。

ダウ:$33,800(△$287)

S&P500:4,128p(△31p)

NASDAQ:13,900p(△70p)

NASDAQは出遅れている感じだが、高値更新は時間の問題だ。そして日本市場だが、9日(金)に¥30,000を一時回復して、すぐに叩き落された格好になったけれど、恐らく今の値動きは¥30,000の値固めの一環だろうし、決算前には定着するんだろうね。

今日は土曜で、いろいろ考えているんだが、この際、日本の株式市場について思うところを書きなぐってみることにします。結構無茶苦茶書くけれど、お付き合い下さいませ(苦笑)。

日本株はなぜ上がらない?

いつの頃からか、日経平均は米国ダウと連動するようになってきて、日本市場独自の動きは滅多に見られなくなってる。米国は次々に様々な金融取引を作っては、世界の市場をコントロールできるようにして、ひたすら自己の利益に邁進するようになったわけだが・・・。CMEが先物やり出して大証が導入して、オプション取引やらCFDやらの言わばデリバティブ取引が広まって、さらにはETFが急激に増えて・・・。気が付くと日経平均やTOPIXという指数そのものが、取引の主役に躍り出たからね。

この場合は、米国のように株式市場が常に主役でなければならないし、だからこそ派生取引が成立するわけだが、日本は株式市場そのものに主体性が欠如しているからね、海外勢がメインプレーヤーになったら、あとは市場そのものをコントロール下に置くことで、極めてイージーに暴利を貪ることが出来ちゃう・・・。

この図式はもう20年以上、変わらないよね。

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バブル後遺症?

日経平均PER50とか・・・あの日本のバブルは本当に強烈だったなぁ・・・。俺にも記憶があるけれど、取引先の銀行の狭い駐車場に、真っ赤なフェラーリが止まってて、誰の車か分からない。そして中を除くと100万円の束が2,30くらい助手席に裸で放置されてたりね。

何度も飲食店経営に失敗してた人が、半端な面積だったけど、店舗をとっぱらって更地にした。それを東京から買いに来て、キャッシュで3憶を置いて帰ったとかね。しかも手付だって言われたとか。

取引先のしがないジジイの係長が、不動産転がしでマンションを10部屋とか持ってて時価が20億だとか自慢してたな。もちろんバブル崩壊でいなくなってどうしたんだろう?

とにかく日本中、都会も地方もそんな話ばかり。

けどね、当時の資料とか見ると企業収益は全然伸びてなかったから、株価が急騰するといたずらにPERが上がるだけだった・・・。

俺も知り合いの自動車ディーラーの店舗で、2億円のプライスタグが付いたフェラーリF40を試乗させてもらったことがある。気前がいいというかなんというか、乗ってもいいよってね。マジで?って話。それでエンジン掛けてステアリングを握る手が汗で・・・バックスキンのようなステアリングが濡れてるんだよ。あれは流石に恐ろしい体験だった。

そんなほとんどビョーキで悪い夢でも見ているかのような時間が多分3年くらい続いた記憶がある。

日本中が沸き立っているかのようなバブルが、突然はじけちゃって、普通のサラリーマンが億単位の負債を抱えることになってしまった・・・。バブルに踊らずとも住宅ローンが8千万とかね。その後は大なり小なりみんな地獄を見てるんだろうと思う。普通にバブルに関係なく暮らしていた人が、いまは金融資産をため込んでるんだろうと思うよ。

だからあのバブルを経験してる世代からは、投資という概念は消えてると思うし、まして土地とか株とか大嫌いなんじゃないの?なので、当然株式投資なんかしないんだろう。

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政権にビジョンなし

とにかく今の日本の政治家は、歴史の中でも突出して無能揃いだと俺は思ってる。でも、「無能か否か」という単純に能力の問題じゃなくて、国のリーダーに「ビジョンが無いこと」が最大の問題だと思う。シンプルでいいんだよ。日本経済を立て直す、というビジョンを持つなら徹底的にやる、みたいなことでいい。そうしたらその目的のために、万難を排して邁進すればよいのよ。だからこそ、(首相には)権力の集中があるわけだよね。

菅政権は「2050年に脱炭素社会の実現」とか何とか意味不明な目標をビジョン代わりに掲げてるけど、そのころには状況が変わってると思うよ。日本がいくらそうしたって肝心の米中がままならないんじゃ意味がない。けれどそもそも、脱炭素社会って意味があるのか?ってこともある。世界的なビジョンだ!と言われたらそうかもしれないけれど、かなり明確に意味があるビジョンでなくてはダメだろう?CO2ばかり排除しても地球温暖化は止まらないだろうし・・・。

日本には日本でやることがあるじゃないか!って思う。まず脱炭素社会よりも脱デフレだろう?それを明確な国家目標にできないところが問題なのよ。こうなってくるともう金融政策だけの問題じゃないしな。国民全体で意識しないとできない課題だから・・・。

あとは蛇足だけども、拉致被害者帰国も口ばかりでまったく進まない。核を持たれたから手が出ないって言うならば、対抗しないといけないし・・・。少なくても政権に意思が存在しないと話にならない。韓国には結構強い姿勢ででられても、北に対して、中国に対して、完全に腰が引けてるし・・・。経済と主権は一緒にする必要がない。

海外勢の草刈り場

日本の株式市場は海外勢にとっては天国だよ。もう絶対に手放したくない絶好の「草刈り場」何だと思うし、最大のヘッジ市場だということだよ。とにかく何かあれば日銀がバンバン買ってくれるし、リスク資産投資に信用保証が付いているようなものだからね。

しかも日経平均とかTOPIXの価格形成は、先物で何とでもなる。オプションだと多少の思惑も絡むけれど、総じて大きく損することもなくコンスタントに利益が取れてる。(外資にとっては)楽勝だね。

で、日本人は何をしてるかと言えば、例えば東証なんかひたすら海外勢の高速取引のために便宜を図るだけ。個人なんかどうでもいいのよ。証券はひたすら法人相手に手数料が稼げればよいわけで、投資業務は中途半端に遣ってるだけだから・・・。リーマンショック後、野村が投資銀行を志向してリーマンの残骸を買いまくったけど、全部コケた。日本人の社員の4倍も給与を支払ったら、会社組織はガタガタだよ。

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UFJもモルガンスタンレーにカネだけ出して、実の部分はほとんど取れていない。で、落ち着けば、日本市場はまた元通りの海外勢の草刈り場に戻ってるという図式だね。

そこで吸い取られるのは、個人投資家ばかりで、一説では90%以上が負け組なんて言われてるけど、普通に考えてそんな数字はあり得ないんだよ。株価が右肩上がりで来てるのに、僅かな個人投資家だけが勝つって言う説には、合理的な説明はできないね。

だから俺が思うに、日本市場では情報から何からみな個人投資家が騙されてるとしか説明がつかない。これから決算シーズに入るけれど、思い切り株価を揺すぶられて短期の個人がやられちゃう。長期の人はビクともしない。なので、半導体とか電子部品とか、日本の成長余地のある銘柄を買って持ってればいいだけなのにね。あとは、(日々の株価を)気にしてもどうしようもないからね。

けど、俺みたいに他にやることがない馬鹿野郎は、博打をするんだ。でも、凄く単純にやる。米国がどうなるかを予想して、ポジションを建てるだけ。海外勢が日本からどうやって巻き上げるのかを考える。単純に遣ればそうそうは負けないよ。

金融機関の能無し経営

日本の金融機関、例えばメガバンク、地銀、生損保、証券等々。正直言って経営者は皆無能と言ってもいい気がする。いつからこんな無能ばかりになったのかは知らんけど、とにかく財務省が護送船団方式なる行政指導を延々と続けていて、今でもその名残が残っているけれど、金融機関の主体性を根こそぎ奪ってしまったんだね。

銀行を潰したら国民生活に影響が出る、という大義名分があって、官僚は金融機関をコントロール下に置き続けた。もちろん日銀も同様の思想があるから、金融政策で押さえつける。昔ね、日銀のオペを社会科で勉強したよ。金利操作とか公開市場操策、窓口規制とかね。そんなこと偉そうに社会科で教えるなってね。どうせ教師も意味わかってないし(苦笑)

いま、いずれにしても、金融機関の仕事は口座管理以外になかったし。融資はバブル崩壊以降ビビッてできなくなった。もちろん資金ショートだとかそういう時にはカネを出すけど、企業や産業を育成するために、という名目は金融庁に全否定されてるからね。

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一時期、変わりかけたことがあるんだけどね。昔俺も、無担保で事業計画だけで一声3億借りたころがあるけど、当時はカネを出したんだ。国策になればカネを出すのよ。ところが軒並み失敗してまたまたカネが出せなくなった。あとは剝がすだけ。というのも、融資は長いレンジでするものだけど、その間に政権が次々に交代して方針がコロコロ変わる。それじゃ、事業が育たないし、返済もできないよ。けれども最後は民間で処理してお仕舞。国債である程度利益保証されてるから、債務償却しなさいだって。まさに政権も官僚も、そして金融機関も無能そのものだね。

バブルが崩壊して不動産市場が崩壊した。担保、担保の融資は全滅。けれども小泉と竹中が国債で金融機関を救ってしまった。毎年国債だけ買ってれば金利収入がある。その資金は日銀がゼロ金利でいくらでも出しますだって。2000年の始めくらいからやり出して2010年までには全部決着しちゃった。アホクサ!

個人の現金囲い込み

日本には個人の金融資産が1500兆円とか2000兆円ある、と言われてる。日本経済が発展しないのは個人がカネを使わないからと言われるけど、その通りだと思うよ。けど、そのマインドを育てたのは政治そのものじゃないか!って思う。

戦後、日本が貧乏になったとき、国家もまたとんでもない財政状況だった。で、何をするにもカネがなくて、戦後賠償なんかとても払えない。だから海外からカネを借りて事業をするしかなかった。政府がそれだから金融機関にカネがあるはずもなく、まして当時の基幹産業である農業も再建できないというんで農協が金融機関になった。それで、何と何と、小学校から「子供預金」なんてのを始めちゃってとにかく日本市場からかき集めたんだよ。

教育の場でとにかく「貯金は美徳」というのを徹底的に刷り込んだわけだよ。そのマインドは、今でも厳然と生きているわけ。だからその金融資産の大部分は50歳以上の年齢層、特に70歳前後の団塊の世代がため込んでるし、それを死ぬまで吐き出さないわけだよ。

で、若い世代は本当に苦しくて、子供なんて持てもしないし、結婚だっておぼつかない。また結婚して出産して家や車を持って、となれば全部借金(ローン)だからね。こんな時代になってそこそこ住宅も売れてて、車も売れてて・・・。でも、みんなローン何だよ。それで賃金は下がる一方。そんなことで生活が成り立つはずがないんだよな。

だからデフレというのは一番の社会悪で、とにかく痛みは伴うにしても日本は徹底的にインフレに戻さないといけないはずなのに・・・。

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そういうのを目の当たりに見せられたら、カネを使う人はいなくて当然何だと思う。少しでも囲い込んで将来に備える、みたいなね。つまり若者も含めて日本人全体がジジババになって死ぬまでのことを考えて生きてる。人生設計とか言ってるけど、そこには夢も希望も何もなくて、ただ人生いくらカネがかかるか?という計算だけ。

ダメダメ、結局は相続とかなんとか揉めるだけで、潤うのは国庫だけなのよ。だから、国はもっともっと国債発行してカネを使わないとダメなのに、ビビってる。何もできない小心者ばかり。そんなんじゃ、ダメに決まってる。

米国基準なら日経平均は¥40,000?

東京エレクトロン 半導体製造装置

恐らく日本があのバブル崩壊を経験していなかったら、米国と同じように日経平均は¥40,000くらいになってたんじゃないかな?と思う。しかも非常に高度な技術があってなおかつ今の状況で半導体産業なんかはPER50でも100でもおかしくないし、トヨタ辺りも¥15,000とか¥20,000でも全然おかしくない。

けれども、半導体や電子部品の主要企業はPER30に届かないし、トヨタなんかはたったのPER12とか・・・。なんじゃそれ!?って感じがするよ。

だいたい日本人がトヨタ株に投資しないし、また投資という概念を快く思っていないからね。普通金融機関だって、今のトヨタを見れば、どんどん買ってもおかしくないし・・・。農林中金なんかCLOとかいうヤバイ債券ばかり買ってるんだから・・・。ゆうちょとかも同じで、下手な債券なんかよりもよほどいいのにね。

けれども、金融機関が株式市場を信頼していないし、もちろん個人も株式投資を信じていないから、そんな安値で放置されているわけだけど。

もう時代が変わってしまって、世界中が金融相場になっていて、その中で少なくとも業績も好調で世界のトップ企業と言うことになれば、米国のアップルじゃないけれども、投資されて当たり前なんだろう。けれどそうした流れにならない以上、日本株はいつまでたっての海外勢の都合でしか動かないし、また上昇することもない。

今の日本市場を支えているのはドル高で、円安になってるから海外勢のパフォーマンスは悪くなる。悪くなるから維持しようとすれば日経平均やTOPIXを持ち上げるしかない。そんなことが日本株の上昇要因であるうちは、日本株はまともに上がらないんじゃないの?

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このままではトヨタでさえ生き残れない

それでも、この先どうなるか分からないという不安は、まったく拭えない状況がある。ある意味、個人が株式投資をしないのは正解かもしれないんだよね。国会議員も本当にどうしようもない連中ばかりだし、官僚も地方公務員も不祥事ばかり。そのくせ自分たちの地位保全は万全なんだから・・・。国民の社会に対する信頼感がないのは当然だからね。

いま、突如として世界は半導体不足に見舞われている。けれど、なんかおかしいんだよ。日本では旭化成の半導体工場が火災に見舞われ、またエルピーダの工場も大きな火災になったりね。TSMCもそんなことを発表してたりして、結局コロナ禍で半導体生産が滞った影響もあってか、いざ経済を再開したら急激に足らなくなったというんだよ。

東芝が売り飛ばしたキオクシアは、日本市場上場前に米国勢が争奪戦を遣るみたいだし、日本政府は何を狂ったかTSMCを日本に誘致するためにカネを出すという・・・。昨年先端半導体の生産を諦めたインテルは、米政権の意向で大型投資に踏み切って復活するということだが・・・。

こうして考えてみると、世界で大馬鹿なのは日本政府だけなのよ。EUも米国もこれからの社会の在り方を見越して、半導体を死守しなければならないと必死になってるのに、日本政府は海外企業(TSMC)にカネをだすんだって。政権も経済産業省も、本当に何を考えているんだか分からないんだよ。

俺が思うに、この半導体不足というのは、かなり作為的なんだろうと思う。事実は確かめようがないけれど、先端半導体はとにかくTSMCの天下で、サムソンが何とか食らいついてる格好・・・。それじゃマズイからインテルを説得してと言うことになった。その上中国の半導体企業がバタバタ倒産しちゃって、世界はTSMC一強という恐ろしい時代に突入しつつあるんだ。

これからは全産業に関して半導体が生命線になる時代だろう?半導体を取ったものが世界を制すると俺は断言するし、それがTSMC一強となりつつあることは、とんでもないことなんだろう。すでに半導体がないと自動車も生産できなくなるということが、世界中の自動車メーカーが生産調整を強いられていることでも明らかだし、パソコン、タブレット、スマホ、家電、自動車、その他あらゆる業界が半導体メーカーの軍門に下るのよ。大規模データセンターが必要なGAFAももちろん半導体次第だろうし・・・。

けれども、菅政権はデジタル庁とかいってご満悦なんだから救いようがない。

半導体産業を支えているのは、実は日本企業だってことに胡坐をかいている節がある。主要な半導体技術は日本企業がトップ水準で支えているのは事実だけど、肝心の半導体生産技術がなければね。電圧・電流を制御するチップ(パワー半導体)はそこそこだけど、いま不足しているのは半導体そのものなんだよな。

例えばトヨタが新車を出す。けれど常に最新の技術を織り込むわけで、それは当然自動運転絡みになるし、自動車そのものの制御もインターフェースも半導体抜きではできないしね。結局、半導体企業が供給しないことには、満足に生産できないという状況が、いま、現実化しているんじゃないのか?

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日本株を引き上げるのは半導体・電子部品

とにかく今最も確実に成長するのは、半導体関連セクター(電子部品含む)しかない。そして残念だけど、自動車や電機、精密機械、等の他セクターがいくら頑張っても、結局は半導体企業にコントロールされかねない状況が、すでに完成しつつあるのよ。なので、日本株を引き上げるのはどう考えても半導体セクターしかないんだよね。

もうこれからは永久に半導体サイクルなんていう好不況の波は来ないと思う。いくら作っても足りない時代に突入するのは確実。なのでロングレンジで投資するなら半導体企業しかないのは明白だな。

なので、いま、日本がすべきことは、半導体企業の再興や育成、半導体関連企業の優先的な育成しかないんだよ。日米半導体協定でボロボロにされた半導体業界だけど、日本中にその芽は残ってる。だから政権が未来を見据えるならば、当然国策として半導体を再興するしかないんだよ。

残念だけど日本株を牽引するのはトヨタでもソニーでも、また日立でもパナでもなくて、エレクだったり信越化学だったり、また各分野で高度な技術を持つ関連企業群だったりするんだね。

米国が台湾に干渉するのはそれこそTSMCが世界の運命を握っているからなんだ。

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