危機を認めたくない株式市場だが・・・

危機を認めたくない株式市場だが・・・

YAHOOニュースを見ていると、まるで気が狂ったように連日東京五輪で活躍したアスリート関連の記事が掲載しまくられていて、本当に必要なニュースが全く見ることができないという異常事態になってるね。これを見てて気づいたのだが、昨年の米国での大統領選挙関連の情報統制とまるで同じだなということ。日本では主要新聞の偏向報道が問題視されて、購読数が激減しているわけだが、代替を担うネットニュースも、特にYAHOOは本当に無様だね。

五輪でのアスリートの活躍をフィーチャーすることで、新型コロナ感染拡大の要因にされることを否定して、パラ五輪を開催しなければならないという事情も理解できなくはないけれど、それにしてもあまりにお粗末!こういう事では、ネットも結局はまともな報道は行われないと見切られかねないよ。

もともとYAHOOは、普段から異常に自動車関連のニュースを多数掲載してた。自動車メーカーが主要な顧客だという事情もあるのだろうけど、内容は実にくだらない記事ばかり。各社の新車情報みたいなもので、結局は宣伝でしかないんだよ。加えて今回の五輪アスリート関連の記事の掲載過多は本当に酷いね。

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いま、そこにある危機

TVのワイドショーのように、いたずらに(視聴率を上げるためにだけ)新型コロナの危機感を煽るような番組構成には疑問もあるけれど、それでも国民の最大の関心事を真っ向から取り上げるという姿勢は決して悪いものではないと思う。でもそこはTVでありワイドショーでもあるので、芸能人やアナウンサーが知識もなく、さもさものコメントをするのは腹が立つけれど、残念だけどTVにはそれ以上のクオリティは望めないのかもね。

同時に豪雨関連のニュースもネットよりは詳細に扱ってるし、暗に政治批判も示唆しているわけで、こうなってくるとTV報道がマシに思えてくるよ。

新型コロナ・デルタ株の脅威

ただ今の日本は、社会生活も経済も本当に危機的な状況にある。新型コロナ・デルタ株が猛威を振るっていて医療現場は最悪な状況になりつつあるし、そうした状況を回避するために政府は入院や救急搬送を抑制するために自宅療養を導入してしまった。誰が考え付いたことなのかは分からないけれど(多分官僚のデスクワーク)、感染して自宅療養ってことになると周辺の家族はもう感染してしまう確率が高いし、そうした人たちの行動を抑制するのは難しい。

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自宅療養が増えれば増えるほど濃厚接触者が増えるだけだと思う。家族がいない感染者の場合は、もう社会から見捨てられたような孤独感にさいなまれるだろうし、その心細さは尋常じゃないよ。俺なんか(新型コロナではなかったけど)動脈瘤の手術で入院した病院のベッドでも、本当に治るのか?みたいな心細さがあったけどね。

結局、現時点では日本の医療は(従来の方針が維持できずに)崩壊しつつあると言っても決して過言ではないと思う。

それと連日苦言を呈している医師会の存在だよね。感染症法2類に分類指定されている新型コロナは基本的に対処できる医療機関は公的病院や非営利病院に限定されてしまうから、正直医師会は外野からいろいろ言ってると言えるかも。と言うことは民間の医療機関では自主的に新型コロナ治療に取り組もうという病院は、非常に頑張ってくれているけれど、それは医師かいとは関係がないんだよね。大半の民間の開業医は、新型コロナ感染拡大が収束してくれることを願ってるということだから、その見地で(医師会は)いろいろ言ってるに過ぎないんだね。

そこで新型コロナを「感染症法2類から5類へ」という議論が出てるわけだ。(感染症は感染症法によって1類から5類に分類指定される)通常のインフルエンザと同じ分類にすることで、感染者の隔離という観点では緩くなるわけだが、民間の医療機関でも対処できるようになる。でも、医師会はそれは絶対に主張しないんだよね。特に感染力が断然高いデルタ株になったら、感染の制御が困難ということもあるので、それも理解できる。

だから本来新型コロナ対策で整備すべきは感染症法の改正だった。この新型コロナ分類を特別枠を設けるような、そんな改正をして対処方法を議論しないと、いまのタイトな状況は緩和することは無理だろうし、その意味では完全に政治と行政の怠慢だと思う。

8月13日の新型コロナ新規感染者数は、東京都で5,773名、全国で20,355名、累計感染者数は1,110,107名で国民の約1%近くが感染してしまったということになり、主要都市を中心に激増中であることを考えると、このままでは何らかの手立てを講じなければ、保健所、消防署、公的医療機関、非営利医療機関といった重要な医療体制が崩壊してしまう。ここで従事する人々はみんな限界を超えていると思うし、馬鹿みたいに「連携して・・・」などとのんきなコメントを吐いている場合じゃないと思うけどね。

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政治の怠慢がもたらす人災

新型コロナ感染によって、2020年に日本経済は最悪のデフレ状態に落ち込んだ。一時的には日本だけでなく世界中がそうなったわけだが、欧米、特に米国は政府の債務上限を凍結して未曾有の財政出動に踏み切ったことで、いち早く景気回復を軌道に乗せたわけだが・・・。

残念ながら日本は、細かな手続き論や必ず起こりうる一部の不正を防止するという各論を官僚たちが突き詰めてしまって、米国の10分の1にも満たない給付金でお茶を濁し、休業補償の配布は数か月も遅れ、雇用助成はするものの個人には手薄な対策を繰り返した結果、なんと2020年度予算を約30兆円も未執行としてしまった。

現時点での国内のデフレギャップ(需要と供給の差)が約30兆円であることを考えると、現政権の経済政策は出鱈目を極めてると言っても過言ではないと思う。菅総理以下今の政権は、景気対策をミクロな視点でしか見ることができないわけだ。国家の緊急事態であるにも関わらず、また国民の社会生活の危機的な状況も直視せずに、マクロ政策が打てない政権・・・仕事人と言われる菅総理だから、個別の仕事で能力を発揮してもらえばいいのに、それを総理にしてしまった自民党・・・。もはや最悪と言ってもいい状況に政治が至っているわけだよね。

加えて今秋には総裁選挙、衆議院の総選挙が待ってるわけだが、このコロナ禍で菅総理の対抗馬が現れないというのも、本当にふざけた話で、唯一高市早苗元総務省が総裁選に手をあげると言われているだけ・・・。もちろん、マクロ的な視点という観点では菅総理よりも100倍マシではあるけれど、永田町の論理では当選は難しいと・・・。

結局今の政権も自民党も、もっというと野党も新型コロナよりも総選挙のことしか頭にないんだろうね。新型コロナで国民や経済が如何に疲弊しようと、自分さえ再選できればいいという盆暗な国会議員しかいないというのが今の日本の最大の危機なのかもしれない。

選挙だから!?菅総理は約30兆円の補正予算を指示したとされるけれども、どうせそんなものは執行できるはずもなし。前年の未執行がそっくりしてるというのに、一体いつやれるというのだろう?

完全に選挙対策のアドバルーンでしかないよね。


先行き不透明な日本企業

常に優遇され続けている大手企業だけど、中でも海外の景気回復の恩恵を最大限に受けているのが輸出企業と言うことになる。実際に今期1Q決算を見る限り、このコロナ禍の状況に置いて異常と言ってもいいほどに業績が好調に推移した。

だがそれは海外の景気対策の恩恵であって、未曾有の財政出動と金融緩和による需要喚起の賜物を享受したということだ。そしてこの好景気は今期も、そして来期以降も続くのではないか?という漠然とした見方が、日本企業の経営者たちの楽観となっている。

しかし、すでにいち早く中国に異変が起こっていて、習近平は自らの権力基盤の強化のために、旧勢力資本を潰そうと躍起になっている。それが、今のネット企業、教育産業への弾圧であって、その影響は一部の日本企業にも出始めている。

国内経済が全くダメで将来性のない日本企業の頼みの綱は輸出である。そして主要輸出先は中国と米国がトップを争う構図になっている。特に中国は、自動車や半導体製造装置、半導体関連素材の最大の輸出先でもあるわけだが、その中国で政治的な異変が起こっているということが、最大のリスクとして立ちはだかっているわけだ。

習近平と中国共産党は、今の規制路線を今後5年間は継続すると宣言しているわけで、そのことが日本企業に暗雲をもたらし始めていることは、否定できないし、米国とて従来のような中国企業のIPOで莫大な利益を得るというビジネスモデルはほぼ崩壊したと言ってもいい状況である。

細かく挙げると、毎日数件という中国関連のリスクが報じられる中にあって、何処までも株式市場は中国リスクを無視し続けているわけだが・・・。香港市場のチャートを見ればすでに中国からのキャピタルフライトが進行しつつあることが分かる。そしてそれは、あまりにも日経平均のチャートに酷似していることに気づくだろう。

つまり、日本企業の不透明感は、中国経済と同等と海外勢はみなしていることになる。連日米国株が史上最高値を更新しているにも関わらず、である。

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何事も起きなければ

順調な7月の雇用統計を受けて、米国FRBはほぼ確実に年内のテーパリングに舵を切ることになるだろう。米国では失業保険の割り増し給付の期限が8月、9月で切れることになり、雇用統計の改善は決定的になっているからだ。さらに米国内の求人数も過去最高水準で推移しているわけで、インフレが一時的であるというFRBの主張もまた怪しくなってきている。

また来年初めにはパウエル議長の任期切れとなるわけで、退任前にその後のテーパリングの道筋をつけておきたいというのは、歴代のFRB議長の慣例でもある。というわけで、天井知らずの米国株式市場もこの秋の調整入りはほぼ既定路線となりつつあるのだ。

しかし、好景気を背景にした米国株式市場は、特段のリスクがなければ暴落するようなことは考えられず、したがって日本株も・・・と言うのが国内の多くの投資家の見方でもある。だからこそ、株価が下落すればするほどに信用買いが増加するという悪循環に陥っていることも事実で、今年2月以降の信用期日とも相まって、上値の重い展開にならざるを得ないと思われる。

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年内最大危機

そしていま考えうるもう一つの、そして年内最大と言える危機が、来年2月の北京冬季五輪のボイコット問題に端を発するであろう、欧米と中国の深刻な対立である。そして理由付けに使われるウイグル人権問題とは別にこのボイコット問題の核心は、新型コロナの武漢研究所流出説だと思う。

そもそも多発する中国の大水害は、人民解放軍による人工降雨作戦による人為的なもの、という説がある。通常では降雪が期待できない2月に北京で冬季五輪を開催するためには、国家の威信をかけて雪を降らせる必要がある。

その人工降雨とは「クラウド・シーディング」と呼ばれる手法で、ロケットや飛行機で雲の中にヨウ化銀などをばらまくもの。ヨウ化銀は氷と似た結晶構造で、雲のなかに放たれると周囲の粒とくっついて大きくなり、やがて地上に落下する。気温が低ければ雪になるし、高ければ雨となるというもの。

中国当局は2020年12月に大規模な人工降雨計画の実施を開始すると発表していて、2025年までに国土の5割以上で人為的な降雨を作り出し、農産物の生産を倍増するというまるで「毛沢東の大躍進政策」のような狂気の政策を習近平はすでに実行に移しているのだ。

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その毛沢東の大躍進政策という農業改革は完全に失敗し、その結果中国全土で2千万人以上の餓死者がでたとされる悪魔のような政策だった。その悪魔の政策をすでの習近平は、毛沢東路線の継承という形で実行に移している。仮に去年や今年の中国の大水害が、この結果だとしたら・・・これはとんでもないことが中国で起きていると言えるのではないか?

まして中国大陸から日本列島に伸びる前線が、この結果だとすれば、日本でさえも直接的に降雨被害を受けていると言えるのではないか?

さらに営利目的での教育の規制や、新疆ウイグルでの思想改造など、そしてネット企業の大幅規制などまるで「毛沢東の文化大革命」と同じ路線だろう。

こうした中国の共産党一党独裁の強化策から習近平自身の独裁強化に対し、欧米は五輪ボイコットを表明し、深刻な対立となる可能性が非常に高いし、さらに欧米は新型コロナ被害の賠償問題を中国に突き付けるだろう(すでにインドなどは中国に請求し対立が起きている)。これが、日欧米の株式市場に対し深刻な打撃を与える可能性は決して低いものではないと見る。

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金融ジャブジャブ相場の終焉は近い!?

自然拡散か人為的な流出かは別にしても、世界中で新型コロナウイルスによる未曾有の被害が広がった。まさか今の時代にこれほどの感染症災害が起きるとは誰も想像できなかっただろう。しかし、経済的にも莫大な被害がでたことを、これまた未曾有の金融緩和と財政出動によって克服したかに見える。

だが成功している今のこの金融相場の起点はリーマンショック後の不良債権を通貨増刷で埋めてしまおうという無謀な賭けの結果でもあった。以来、経済は通貨の増刷によって表面上の好景気を演出し続けて今日に至っている。それが可能となったのは、発行するドルやユーロの価値を無条件で信任しようという国際合意だったわけだ。主要通貨が同時に同比率で大増刷しても為替レートに大きな不均衡は生じないし、経済は均衡する。

各国の中央銀行は、なぜか景気後退を極端に恐れ、さしたる理由がなくても延々と金融緩和を継続して景気を維持する政策をしている。株価が上昇すれば中銀は正しいと評価される。がしかし、現実の経済を見ると、世界は米中欧という3極に日本を加えた形で回っているわけで、仮に中国がこの連携に呼応しないとなれば・・・。いまの金融緩和路線は大きく崩れる可能性があるだろう。

嫌でもリーマンショック以降、中国は世界経済の中心であったことは事実であるから。