日本市場の最大下落要因

日本市場の最大下落要因

終わってみて改めて感じるけれど、今回の自民党総裁選は本当に酷かった。もちろん、総裁選の制度(推薦人2人etc.)とか党員・党友の問題点とか、指摘されている問題点は山ほどあるけれど、それは自民党の問題なので外野からとやかく言っても仕方ないこと。善くも悪しくも自民党というのはそういう政党なのだから。

けれども何が酷かったかと言えば、他でもない総裁選立候補者そのものだった。これは制度として自民党が過半数を持っている以上、総裁=首相なのだから目を瞑るわけには行かない。総裁に選ばれ首班指名を受けた岸田、中国問題(日本端子問題)を全く語ろうとしなかった河野、LGBTだけで首相になろうとした野田、そして唯一自身の政策論だけで無理筋勝負しようとした高市、と4名の候補者のレベルの低さが際立った総裁選だった。

そして保守政党を名乗りながらよくぞこれだけ左巻きがいるものだと思わせる、河野、岸田、野田。右だ、右翼だと騒がれた高市の姿勢でさえ、あれは中道じゃないか?と言えるもの。本当に高市だけしか評価の対象にもならなかった。彼女は自民党の政調会長に押し込められて、封じ込められてしまったけれど、政治資金疑惑を蒸し返されそうな甘利幹事長、意味不明の福田総務会長だから、自民党の政策・法案は高市が握ったと言えるかもしれないけれど、多分左巻きの法案が多すぎてイライラするだろうしね。ただ、必要条件を満たしているとは言えないまでも、首相としてはやはり彼女しか選択の余地はなかったと思うが・・・。

河野は口を開けばいつも違うことを言い出す始末で、しかも首相になればすぐに株主に名を連ねる同族会社の親中企業である日本端子問題が噴出するのいは明らかで、超親中の二階幹事長を排除する意味がなくなってしまう。党内にこれではマズイという自浄作用もあってか国会議員票が逃げまくって落選。野田は噛ませ犬なので論外としても、結局選ばれたのはもっとも政策能力のない岸田だったところが、いかにも自民党らしかった。

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自民党政治家が、無難な選択しかできない、有力政治家の引力圏に置く、という部分が自民党の欠陥だということに気づいていないのは明らかだ。構造改革というのなら、チャレンジできない旧態依然の政治体質を何とかしないといけないはずで、それを国民に見せないと日本はこのまま朽ちてしまう。周りを見回せば日本社会こそ、いまだに団塊の世代が牛耳るような旧態依然の体質のままなのだから。

さて、いずれにしても自民党は岸田を選んだ。そして選ばれた岸田は、嬉々として組閣を行い、政策をぶち上げたけれど、初入閣13名というといかにも刷新したように見えるけれど、とんでもない内閣を作ったものだと呆れるほど能力不足のオンパレード。でも、解散総選挙があって2カ月後は再度組閣をしなくてはいけないわけで、それを考えると選挙対策内閣なんだなと分かる。選挙対策で大臣を選ばれちゃ国民は堪らないよ。

そして岸田という人物をもっとも端的に表しているのが経済対策だと思う。「新しい資本主義の構築」という意味不明かつ大風呂敷を広げたはいいが、内容な何もなし。格差是正、貧困層の救済、中間層を厚くして経済の足腰を強くするetc. 何を言ってるのかさっぱり分からない。その理由は、官邸のブレーンがすべて財務省で固められていることから、意図かはっきりしないのだ。

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中でも最もやってはならないとんでもない政策こそが、金融所得課税の増税だ。株式や配当、預金・債券金利など金融所得に対し増税するという天下の愚策はもちろん岸田のアイディアではない。ブレーンで財務省の息のかかった若手政治家が中心になって考えた愚策である。

日本市場はなんと8日続落、岸田が総裁選で勝利した当日から7日続落、日経平均は都合¥2,700あまり暴落するという過去になかった評価を海外勢から受けた。特に株取引や配当金の分離課税は現在20%だが、これを25%または30%に引き上げることを検討していると就任当日にぶち上げてしまったから、外部環境の悪化との相乗効果とはいえ、悲惨極まりない状況に陥った。

そしてそこから得られる税収増分を弱者への給付金に充てると言い出した。計算上3000億円~6000億円の税収増になるというが、言い換えるとそれだけの僅かな予算の捻出というアイディアのために、一体いくら投資家が損失を被ったか・・・頭の悪い岸田には分る余地もないだろう。

安倍元首相はアベノミクスで日銀のゼロ金利を主導したわけだが、その意味は金融ジャブジャブと言うよりも政府利払いが激減したという意味である。いま起債する国債は利払いゼロなのだから過去の国債をロールオーバーする、くらいのアイディアがなぜ出てこないのか?と言えば、それは財務省が主導しているからだ。にも拘わらず僅かな予算を増税で賄うというんだから恐れ入る。自民党には官僚崩れの財務省の犬がワンサカいるし、それが官邸の財務省スタッフと結託して考えることは、増税、増税である。

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岸田は「人の話をよく聞く」政治家だそうである。と言うことは、岸田がいいだした経済政策、景気対策はすべて増税絡みになるのは火を見るよりも明らか。同時に「デフレ脱却」という政策目標も打ち出したが、やることは正反対のことばかり。増税ではますますデフレは深まってゆく。すでに就任早々からしてポンコツそのものである。

金融所得課税は株式の取引益だけでなく爪の先に火をともすような預金利息にもかかる。日本経済がデフレにあえいで不況から脱出できなかった2003年から10年間特例で10%とされたが、リーマンショック後の回復期であった2014年に20%に戻された。これで主要国と肩を並べているかむしろ高額な部類であるが・・・それを25%または30%にするとどうなるか?

当然のことながら世界の資金は日本市場から海外へ逃避してゆく。同時に今運用が上手く行っているGPIFや政府系金融機関も増税に巻き込まれる。となると、実際にはこの増税は国民の預託資金にもてを出すというマッチポンプ増税なわけだ。そういうことを岸田は考えたことすらないのかもしれない。

株式投資はここから10%戻してチャラだ。10%戻しは日経平均¥30,000だが、海外投資家は20%上昇、30%上昇が見込めなければ戻らない。日本市場は来年からはそんな滅茶苦茶な市場になってしまうという危機感。ガースーよりも100倍酷い首相誕生がめでたいはずがない。

流石に財務省の忠犬である。今後はペラ太郎(河野)セクシー小泉オネエ石破ガースー(菅)トッポ二階と並んでハチ岸田と命名する。