米国はインフレ高止まり

米国はインフレ高止まり

米国の9月消費者物価指数が発表された。

9月消費者物価指数(CPI)前月比 予想0.3% → 実績0.4%

9月消費者物価指数(CPI)前年同月比 予想5.3% → 実績5.4%

9月消費者物価指数(CPIコア指数)前月比 予想0.2% → 実績0.2%

9月消費者物価指数(CPIコア指数)前年同月比 予想4.0% → 実績4.0%

ちなみにCPI(前月比)は、6月5.4% 7月5.4%、8月5.3%、でありこれで4ヵ月連続して5%台となった。米国ダウCFDはこの発表で大きく変動するかと思ったけれど、すでに織り込み済みという判断なのか、非常に落ち着いた動きになっているし、日経平均CFDはいまのところ¥70ほど戻していて、岩盤の75日線に跳ね返される様相となっている。

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また今夜は明け方の3時(14日)に9月FOMC議事要旨も発表されるが、これで9割方、11月FOMCで年内(早ければ即日)のテーパリング開始は決定だろう。

22時30からは相場が開くけれど、下げが続いたので悪材料出尽くしになるやもしれず、そうなったらなったでちょっとお笑い種だ。なぜなら明日は9月卸売物価指数(PPI)の発表があり、前月比では予想0.6%(8月は0.7%)と低下している。ちょっとこの数値はないだろう、ということで今日上昇するようなことになると、明日はまた下落材料にされる可能性が高くなるだけだ。

さらに15日頃には民主党の増税案の採決も行われる予定と報道されているし、米国投資家が意識する中国恒大集団の要注意日が15日とブルームバーグは報道している。

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さていよいよ金融政策の重要な転換点を迎えるわけで、ここから先、覚悟して株式市場に向かわないといけない。

ここで一つ気になる情報がある。米国の3QGDPの途中経過をリアルタイムでアトランタ連銀が「GDP NOW」として公表しているが、9月終了時点での状態を発表しているグラフが下図です。

金融アナリスト 岡崎良介氏作成
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これによれば、3Qの米国GDPは1.3%と急激に落ち込むことが予想されているが、その中核をなすのは積み上がった在庫であることや、本来2.0%前後の消費が0.8%と落ち込んでいて、在庫がはけない様子がうかがえる。

新型コロナ流行によってサプライチェーンが傷ついて、加えて電力不足で生産に支障が出ている一方、在庫も積み上がっているという状況は、消費者物価の高止まりと合わせて考えると、単なるインフレによる消費後退と言うよりもスタフレ(景気停滞下でのインフレ)に近いのではないか?

その最中にあってテーパリングをすると言うことが何を意味するかは、株式投資をしていればだいたい想像がつく。FRBパウエル議長も、イエレン財務長官もそれが分かっているから、「インフレは一時的」という御旗を降ろそうとはしない。特に民主党は今後、財政拡大と増税を断行しようとするが、それが如何に危険なことであるか、イエレンは十二分に理解しているはずだ。

とにかく、今夜の米国市場をじっくり眺めてみようと思う。予想通りであるなら、米国ダウは厳しい下げになるはずだから。