株式市場地合い雑感

株式市場地合い雑感

株式市場はウクライナ問題に大分飽きてきたという気がするよね。昨夜の米国市場の動きを見ていると、ロシアに対する厳しい発言がEUや米国から相次いで、また経済制裁を次々に発表するとして、売られた。けれども、EUの制裁内容が大ゆるで、ロシアの大手銀行を対象にしていなかったということで、株式市場は戻りを模索する体制に。結果的にはダウは▲$482、NASDAQは▲166p、S&P500は▲44pと大きなマイナスとなって引けたわけだが・・・。

一方日経平均CFDは、昨日の▲¥461の大半を打ち消すような値動きになり、日経平均の¥26,000台は流石に簡単には売られないという雰囲気があった。一時ダウが▲$700を超える場面でも、日経平均CFDは昨日の引け値を割り込むことはなかったし、戻り局面ではマイナス分をほぼ打ち消す強さ。いま、日本時間は23日11時40分だが、ダウが売られ傾向になっているのに日経平均CFDは¥280高と頑強ではある。

そこで今日は休場でもあり、今回のロシアのウクライナ侵攻に対する個人的な見方を書いておきます。個人投資家として各自それぞれに見方をある程度持っているとは思いますので、あくまでも現時点での俺の見方ということになりますので、軽く読み流してくれたら幸いです。

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ロシアのウクライナ対応の株式市場への影響は?

まず、いつものことながらロシアのやり口は本当にえげつない。今まで8年越しにドネツク、ルガンスクの親ロシア反体制勢力をこそこそ支援してきて、独立国宣言させておく。そして攻勢をかけるとなると、意味不明の独立国承認をしてあとは条約と称して軍隊を派遣する。くっさいシナリオだけども、堂々とやられると欧米は止める手立てがない。

言葉では強気な発言をするけれど、欧州各国(特にドイツ)は天然ガスを買わないわけには行かないので、今はことを荒立てたくない。そして、何とその代替としてイランから、と考えてしまっている。イラン核合意の復活と制裁の解除を緊急でやって何とかロシアとの関係が拗れる前に手当てするんだそうな・・・。イランが原油と天然ガスの輸出を全面的に再開すれば、OPECに気兼ねなく供給するという読みだね。

そうなるとプーチンにとってはあまり都合がよくないので、次の作戦はそうなる前に動こうということになる(次があればの話だけど)。

結果として欧州(EU)は、何を根拠に化石燃料を否定してきたのは分らなくなる。風力、太陽光・・・そんなものは大して役に立たないのにね。なので当分の間は欧州(EU)はエネルギーに関しては不安定極まりない状態が続くだろうね。ということは、エネ価格が主導するインフレは高止まりしたまま、ということに成り・・・。

そろそろ米国市場の焦点は3月FRBのFOMCだからね。

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ロシアはウクライナに本格侵攻するのか?

普通に考えてドネツク州、ルガンスク州の一部を独立国家承認しても、両州全域またはドンバス地方全域くらいは掌握しないとなると、両国(国じゃないけど)の経済はロシア頼みということになるから、これはプーチンにとっては重荷以外の何物でもない。ただでさえ今回の一件で厳しい経済制裁を喰らう事が目に見えてるわけで、ロシア経済全体を考えるとクリミアを含めて、そうした余裕はないと普通は考える。

だからこそ、経済制裁をすれば苦しいだろうと欧米は考えて、報復するのだけれど、いくら側近の大富豪をいたぶってもプーチンは痛くもかゆくもないしね。核大国のトップの資産凍結という安易な制裁は、怒らせると何をしでかすか分からないという怖さがある。

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もう一つ、ロシアはSWIFT(ドル送金・決済システム)を止められてもいいよ、くらいに考えている節がある。SWIFTを止またらロシアへの打撃と同等の打撃を欧米も受けることになるわけで、多分それはバイデンも触れないだろうし、仮に触ったとしてもロシアは中国と仲良くしちゃうからね。そう、人民元とルーブル、という手がある。しかも厄介なのはデジタル人民元で、まぁ、これならロシアに逃げられる可能性大だね。

だから三文芝居だらけの、プーチンのウクライナ侵攻作戦だけど、案外経済制裁への対策は出来てるんじゃないかな。となると、経済制裁以外何もできない欧米、ということでプーチンはやりたい放題やれるし、今がウクライナを取り込む絶好のチャンスと考えているに違いないだろう。

少なくとも、ドネツク、ルガンスクの両州全域は掌握にかかるだろうし、上手くするとドンバス全域くらい狙う。そこでウクライナ軍が抵抗して戦闘になるようならば、背後からベラルーシの軍をキエフに向かって動かす気だろう。ウクライナ軍を思い切りドネツク、ルガンスクに引き付ければ、キエフは苦労しないで陥落するかも・・・。

その可能性が大いにあると見れば、少なくともまだ株は買いとは行かないと思うのが俺の見方です。

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3月のFOMCまではポジション調整局面

今夜あたりの米国市場を見て見ないとはっきりとは言えないけれど、今後は3月FOMC(利上げ)を意識したポジション調整を米国の大口はしたくて仕方ないのだろうと思う。ロシアのウクライナ侵攻で状況はさらに大きく変化してるので、多分売り過ぎたグロースやハイテク、買い過ぎたバリューのポジションをかなり調整せざるを得なくなってると思う。

で、日本市場を考えてみると、米国の利上げやウクライナでほぼ無傷と思われるメガバンク株、焼け太りの可能性が高い商社株だろうね。半導体はタイミング次第、小型グロースは復活の兆しあり。自動車はかなり微妙、という感じ。でも戻り相場は、水準訂正を意識したくらいだろうから、多分日経平均¥26,000台、PER12倍台は買ってもいい水準かもね(俺はあまり買いたくないけれど)。

昨日俺は、売りポジを積んで持ち越したけど、失敗した可能性が高い。これから明日の寄りつきまでにプーチンが何かしでかせば話は別だけど・・・。なんとなく明日以降戻っても¥27,500くらいまで、と思うと我慢してみるのも一手だけど、多分ロスカットしちゃうだろうなぁ・・・。

まぁ、今夜の米国市場を見てみよう・・・。