米国2月CPIと10年物国債金利とWTI原油と・・・

米国2月CPIと10年物国債金利とWTI原油と・・・

22時30分、2月の米国CPIが発表になったけれど、何というかこんなことがあるのか!?というくらい事前予想とピタリと一致した数字・・・。これを株式市場はどう解釈するのだろう?という大変興味深い相場になるよね。

22:30 (米) 2月 消費者物価指数(CPI) [前月比] 0.6% 0.8% 0.8%
22:30 (米) 2月 消費者物価指数(CPI) [前年同月比] 7.5% 7.9% 7.9%
22:30 (米) 2月 消費者物価指数(CPIコア指数) [前月比] 0.6% 0.5% 0.5%
22:30 (米) 2月 消費者物価指数(CPIコア指数) [前年同月比] 6.0% 6.4% 6.4%

上記の表で言えば、左側が1月、中央が2月予想、そして右側が2月実績だけど、0.1%の狂いもなくピタリと一致するというのは、初めて見た気がする。要するに米国のインフレは予想通り順調に(?)悪化してますよ、ということになるよね。そしてそこにロシアのウクライナ侵攻が勃発してエネルギーやコモディティの価格が3月はぶっ飛んでるわけだから、3月、4月とまだまだ上昇してしまうということで、8.5%、9%、10%という数字になったらそれこそ洒落じゃ済まなくなる。

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昨日WTI原油が$125から$106まで急落して見せたけれど、結局今はこの発表を受けて$114.40前後まで戻してる。昨日の急落のきっかけとなったUAEの「OPECプラスに増産を働きかける」という発言は、個人的なものだそうでUAEとしては正式に否定している。なので、今のこの原油価格は米国のインフレにとって最悪に近い価格水準を維持してることになるしね。$114.40だって3月CPIが8.5%となるには十分すぎるほど高いからね。

まだ米国市場は始まっていないけれど、この数字は3月利上げが0.500%とするには十分だと株式市場は解釈するかもしれないよね。異例中の異例でパウエル議長は事前に「0.250%を推奨する」と発言したけれど、またしてもFRBの勇み足っぽい感じが余計にしてくるかな。後手後手に回ってるという批判が強いけど、マジで完全に遅れてる感が否めないよ。

それとバイデン大統領も問題だよ。ロシア制裁でロシア産原油と天然ガスの禁輸を大々的に発表したけれど、米国ってそんなに買ってるの?という感じ。シェールは産出してるし、輸入は主にサウジから、という認識があるけれど、ロシアから買ってるなんて聞いたことなかったなぁ。で、調べてみると2021年は米国は1日平均で67万バレル、米国の消費量の3.4%らしい。

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それを禁輸することが制裁になるのか?という感じもするし、なにかロシアから買う特別な理由があったのか?というくらいなものだよ。バイデンはとにかくロシアが大嫌いだし、民主党も伝統的にロシア嫌いだから、そんな政策がすぐに浮かぶんだろうけどね。それって原油を高騰させる心理的な効果の方がはるかに大きかった愚策に近いよ。それをこれ見よがしに発表するところが、バイデンなんだよなぁ・・・。普通はインフレもあるし、こっそりとやれば済むこと。全然インフレに配慮が感じられないんだよ。

というわけでとりあえずダウCFDが下げ気味となり、WTI原油と米国債10年物金利は上昇方向で推移しているけれど、これをザラ場はどう評価するかだね。