日本株を読め!【6.10~14】FRB利上げ催促相場の週

日本株を読め!【6.10~14】FRB利上げ催促相場の週

6月7日(金)日経平均引値 ¥20,884(前週予想¥20,200)日経平均CFD ¥21,042

相場・地合い概況

米中対立の行方、そして対メキシコの関税というネガティブな状況に対して、相場が躊躇していた状況が週前半の展開。

その後、FRBパウエル議長発言(「必要であればそれなりに対策をする・・・云々」)を「利下げ」と解釈し、好感する動きがでて、さらにトランプ大統領が、(FRBが)利上げをしなければダウは$10000高かったと煽り、株式市場は俄然利上げ期待に傾いた。

6月FOMC

今月18~19日の日程で開催される6月FOMCに対し、利下げするという期待感が膨らみ、そして昨夜(7日)の5月米国雇用統計が、悪化したことが、より利上げに対する確信となって株価は大きく上昇し、週末を終えた格好。

政策的に動きのない週

米国ではこの一週間はトランプ大統領の英国・欧州訪問もあり、またメキシコとの関税交渉に進展が見られなかったことも含めて、政策的に動きのない週となった。

米中対立は、中国側の対抗姿勢は強まったものの、G20後に関税引け上げを決める、というトランプ大統領発言で当面の動きはないと市場は解釈している。

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消費税増税はなおも微妙な情勢

自民党は参議院選挙公約に消費税導入を加えた。安倍首相も国会で「消費税増税は行います」と発言し、前週に引き続き増税方針を堅持した。

しかし、衆参同日選挙は寄り濃厚となり、12日に予定されている安倍首相のイラン訪問の成否がキーポイントになってきた。

米国ダウ日足チャート・テクニカル

米国市場は大幅高となって週末の取引を終了した。米国ダウは$263高とこれで5連騰、下落のリバウンドから一気に75日線を回復し、移動平均三線(5日・25日・75日)を踏み越えた週となった。

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米国ダウはテクニカルでは短期のデッドクロスからの戻りで、判断が非常に難しい局面。期待通りFOMC(18・19日)で利下げを行えば、株価の水準は戻ることも想定されるが、株価が戻れば米中対立に関して再度発言が多発することも予想され、ここからは楽観できない展開だと思われる。

メキシコ関税に関しては現時点では交渉継続中ということで結論は出ていないが、見送りの公算大と市場は見ている。

日経平均日足チャート・テクニカル

米国市場の戻り相場に連動する形で上昇した今週の日本市場。国内は相変わらず消費税増税方向で推移し、またFRB利下げ期待が高まった影響でドル円は動けず。

結局、米国が利下げになればドル円は¥105台という予想も台頭し、来週の上値は相当に重いかもしれない。

ただし、週末の日経平均CFDは米国連動高で¥21,052まで急伸している。

テクニカルでは、日本株上昇に対して懐疑的な見方も多く、出来高は減少する一方。かろうじて5日線を回復したものの、週末CFDでも25日線に届かない。

来週の日米市場地合い予想

週末にはメキシコ関税の見送りとなり、米国市場は週明けさらに一段高の可能性もある。そのために、週末でポジション解消の動きはほとんど出ることはなかった。

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従ってFOMCでの利下げに関する期待感が継続する限り、来週の米国市場は株価を保つと思われるが、米中対立に関する新たな展開も予想される。

株式市場は「G20に習近平と会談する」としたトランプツイートにも好感を持っている。

一方の日本市場は、為替の影響で思うほど伸びないと予想されるが、12日の安倍首相のイラン訪問は、成功すれば歴史的な出来事になり、株式市場はぶっ飛ぶ可能性がある。

仮に米国とイランの対立を収めることが出来るとなると、ノーベル賞ものであることは間違いない。

6月14日(金)日経平均予想

センチメント重視の金融相場らしい展開となった、今週の日米株式市場だが、為替の重石で出遅れている日経平均にとっては、安倍首相のイラン訪問がキーポイントと見る。従って

日経平均¥21,500 ドル円¥109.00

を予想する。

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