米国株の混沌と急激な円高の理由

米国株の混沌と急激な円高の理由

徐々に米国市場が垂れてきた。いま、下落して買戻しが出ている水準で、この後の展開が問題なんだよね。で、米国債10年物金利がやはりリセッションを織り込むような形で低下してきたから、一時¥134.50まで行ったドル円は、¥133.50辺りまで垂れてきた。

いずれにしても今夜のポイントは、ドル円の円高傾向がここで止まるか否かが焦点となると思うけれど、それ以外に市場が米国債10年物金利が低下傾向になるとともに、コモディティが買われ始めることによって、消えかかったインフレ懸念が再度台頭してくるか否か、それを相場が気にするか否か、なんだと思う。

急激な円高の要因

まず円高に関して言うと、これはヘッポコアナリストは、米国長期金利が下がれば日米金利差が縮小するから、なんて出鱈目な説明をしてるけど、それなら今日の日本市場のザラ場は説明なんか全然出来ないよね。今回の円高転換というのは、はっきり言って日銀vs外資の戦争に起因してるんだよ。

そもそも過度な円安の原因が、日銀とFRBの金融政策の差にあった。FRBはインフレ退治のためにどんどん利上げをするし、日銀は黒田総裁が頑なに利上げなんかしません、と言い続けたことが背景になってるわけで、そこを「これは儲かる」とばかりに外資が日本国債10年物をバシバシと空売りして大きなポジションを作ってしまった。

そうしたヘッジファンドや商品系を中心とした空売りは、日銀に勝てる、と過信してたんだよね。YYCで0.250pで指値買いオペを続ける日銀に対して何度も売りを仕掛けて金利をオーバーシュートさせた。けれども日銀は10兆円近くの資金で平然と買い支えてしまったんだよ。そうなると、少なくとも黒田総裁が退任するまでは政策変更はないという雰囲気の中、徐々にリスクを感じるようになったと思うんだよね。そこで、ポジションを清算する投資家が徐々に表れた。

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ここで異変が起きたというか、日本国債を大きく売り建てた外資は、(日本国債10年物)の現物を調達できなくなっていることに気づいたんだね。債券ルールでは空売りの解消は現渡、というのがあるわけだけど、市場に日本国債がほとんどないことに気づいたっていうドジ話。日本国債は円建てでしかも95%が国内消化で、なおかつ半分以上日銀が買い集めてしまっている・・・。そういう状況を甘く見たというか何兆円もの資金をショートすれば勝てる、と思いこんだというか、イギリスのポンドはないっつうの!

結局その情報が出回って、円ショートしていた資金がヤバイというので、ポジションを解消して円を買い戻したというのが真相っぽいよね。そんな情報がマジならば、昨日は急激な円高にも関わらず、売りポジを建てるべき、ということでポジション建をしたんだけどね。まだそれが成功するとは限らないから結構緊張しながら相場観てます。けれども、それこそが俺の読みだからね、大引けまで見届けるつもりでいますけど。

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米国債10年物金利低下

それと、なんだかんだと言っても日本株は米国市場に引き摺られるものだから、米国市場が押してきても戻ってしまうと日経平均CFDも買われちゃう。その意味では今(0:40am)再度上昇を始めてるのが、本当にムカついてるというか、米国株を弄る投資家って本当に強気一辺倒だから。ここで問題になってくるのが米国債10年金利の低下なんだよね。

金利が下がれば株が買いやすい。それって単純に利回り比較だけでなく、企業としても資金調達が楽になるから大きなメリットがあるし、財務的にも金利負担が軽減する。それはそれで分るんだけど、いまは高インフレと利上げの真っ最中なわけで、そこにポイントを置くかなぁ・・・という感じがするんだよ。

だって、昨日の相場を見ても、米国長期金利が下落路線に乗ったならその意味はとりあえず、米国の期待インフレ率の低下ということで、完全に景気後退と投資家が見てるということじゃないか?所謂リセッションを織り込み始めるというやつ。

もちろん株式がそういう反応をすれば、コモディティも同じ反応をするし、現にコモディティは反転を始めてる。原油も戻り$100を付けた。ということで、これはピークアウトしたはずのインフレが、またぞろ鎌首をもたげ始めるという意味じゃないの?それを株式市場は本来もっと警戒すべきなんだと思うし、それこそFRBの利上げに直接影響する要因のはず。

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さてかなり米国株は戻ったねぇ・・・。けれど戻りいっぱいでここから再度売られ始めると、日中足(1分足)では上昇の三尊天井ということになるから・・・なんて期待してる。とにかく、今の株式市場はもう滅茶苦茶で出鱈目で、ウォール街の大口がやりたいようにやってるだけという状況なんだけど、その大口にしたって理屈に合わない方向感を出しちゃってる。だから我々個人投資家が、チャートを使おうが、情報を集めようが、全然相場が分からないのも無理はないと自分では思ってるんだよ。

今夜はいい機会でもあるし、米国市場を見てるだけで時間もあったので、俺のポジション取りの考え方をちょっと暴露というか書いてしまったというか、そんな感じです。こういう読み方って昼のブログでは時間なくて書けないからね。

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混沌の世界経済なのに・・・

しかし、米国市場の株の動きって本当に計算できないよね。またぞろ今日の高値付近まで買い上がったよ。この辺は本当に理解の外だから、まして予想なんか本当に当たらないし、出来ないよ。俺なんか見てて、「ちょっとみんなイカレテルんじゃないの?」って思っちゃう。

たしかにFRBパウエル議長もイカレタ発言で市場をけむに巻こうとしてるしね、株式市場はもう混乱するばかりだよ。けど、世界的にも今は本当にとんでもないことになってるわけで、例えば韓国なんか政権と警察の対立からクーデター寸前まで来てるし、金正恩も挑発されて苛立ってるし、何より韓国経済はウォン安で崩壊寸前だしね。また中国は強がってるけど、完全に不動産バブルが崩壊してその処理が全くできなくなってる。不動産企業が倒産するとか、そういう事だけでなく地方行政が軒並みパンクしてるんだよ。

で、欧州の投資家もかなりイカレてるけど、欧州全体のインフレが8.6%になったらしいし、米国みたいに今後何とかなるという見通しが全く立たないのに、米国市場に追従して買われたりしてる。いま世界でもっともヤバい地域って欧州なんじゃないの?ウクライナ戦争も抱えてるしね。この冬は、欧州経済は即死するのが分かってるはずなのにね。

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というわけで、今回リセッションになったのは、(俺は)本物なんじゃないかと思うけどね。労働市場がタイトと言っても雇用統計は2カ月以上前の遅行指数だから当てにはならんでしょ。イエレンも最近はキレがまったくなくなってしまったよね。今のFRBが雇用認識を間違えるとすれば、イエレンの影響がかなり大きいと思うし。

とにかく米国経済は、いや世界経済は同時リセッションに突入したと言えるんんじゃ?日本でも1Q決算で一喜一憂してる場合じゃないと思うけどね。以前から度々書いてるけど、今回のリセッションは相当厳しい局面になると思うよ。日本のバブル相場でも、天井から最初の暴落があって、その後のリバウンド局面で投資家は損失を取り戻そうとして買いついた。けれども結局戻り天井はなかったんだよ。あのバブル崩壊相場でヤラレタ投資家は、下落局面でリバウンドを狙って買いに入った投資家だった。心の片隅で「必ず戻る」という考えが消せなかったんだよ。だからそれ以上に下げても我慢して時をじっと待った。それで結局全員散ったんだね。

今の株価の上昇は、俺は似てるんじゃないかと思う。それだけに違和感ばかり感じちゃうんだよなぁ・・・。

さて遠慮しないで大引けにかけて、ぐっと、ぐぐっと垂れてください!(1:36am)