インフレ、金利云々でなく、みんなリセッションを自覚してる!?

インフレ、金利云々でなく、みんなリセッションを自覚してる!?

今の相場の難しいところ、それは連日のように売り方はショートカバーを入れてくるけれど、それでも値を保たずに容赦なく下値を追いかけるところだよね。今日は流石にテクニカル的には一旦反発するだろうと思っていたし、久しぶりにそこそこ獲れる状態だったので、後場のショートカバーを警戒して珍しく後場寄りから買戻していった。所詮空売りはショートと言って短期間で決着を付けないとすぐに痛い目に会うわけで、それ自体はまぁ、仕方ないこと。

けれども今夜一旦は戻りたがるけれど、やはり売り物に押されて・・・という展開になってしまうと、明日はもっともっと危険なポジションを建てないといけなくなる。で、その可能性は結構あるんじゃないか?と思ってるのよ。後はもう、本当に玉砕覚悟で行くしかなくなって、要するに株式投資というよりも博打になる。そんな相場になるか、否かの瀬戸際にいると言うことだよね。

もっと言うと、世界の株式市場、債券市場、そしてもっとも恐ろしいデリバティブ市場が大揺れに揺れている状況。まさかここで買持なんか絶対に出来るはずがない局面だと思うけど、でも値動きがいい銘柄なんかだとついつい買いポジを建てちゃうっていう個人投資家も多いんじゃないかな。けれども、個人的にはこの局面は絶対に買いポジを持ち越してはいけない場面、と理解してるよ。たとえザラ場でどんな値動きをしようと、買い目線は極めて危険、と思ってる。

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それが、日本のあのバブル後の相場の教えだったり、リーマンショック後の年末の戻り基調と年明けからの下落本番を観てた自分の感想だったりするんだよね。日本のバブル崩壊もリーマンショックも本当にやられた人、退場した人、大きな負債を抱えてしまった人が、この本番前の小戻りの甘い蜜に吸い寄せられた人なんだよね。

ちなみにリーマンショックの時にGS(ゴールドマン・サックス)は、結果として大きく儲けたらしいけど、9月~12月は他の投資銀行と同じく大きくやられてたって聞いたよ。でも年明けの暴落相場の前に徹底的に空売りを仕込んでいた。それで、3月までで莫大な利益を上げて損失を取り戻しただけでなく、大きく儲けたらしいんだよね。これがもしも、買いで損失を取り戻そうとしたら・・・、完全に退場だったと思うよ。実際そういう投資銀行もヘッジファンドも数多あったらしいけどね。みんな屋台骨が揺らぐ羽目になったよ。

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今日、たまたまニュースを知らないで、郵船を空売りした。日経に昨日掲載された郵船社長のインタビュー記事(会員有料記事)をね、読んでいたならば、船3銘柄は全部勝負したと思うんだよ。けど、結局郵船しか売れなかった。まだ今でも記事は掲載されているので読めるけど、改めて読むとかなりショッキングな内容だったなぁと思うよね。

しかし、社長ともあろう人物が、こんな情報をよくも新聞のインタビューで話すよなぁ・・・。この長沢社長ってのは、ちょっとヤバイ人物だよね。日本経済新聞だから調子に乗ったんだろうけど。

今月はとんでもない高配当の権利付きだよ。だから少なくとも郵船と商船は配当取りで買いに来てる個人投資家も多かっただろうし、もっと言うと、船株を組み入れてるファンドとか、機関投資家が「船株は元の愚図株に戻るのかぁ・・・」なんて考えちゃって投げたりするかもしれないし、超高額配当も今期限りかも、なんて可能性も濃厚になったしね。

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でも長沢氏は記事で「リセッション入り」を明言してるし、コンテナ価格の暴落についてもバルチック海運指数の下落についてもはっきり言ってるしね。ホルダーにとってはショッキング以外の何物でもないし、明日を考えたくないんじゃないかな?

それに今のドル円が・・・ついさっき、¥144.99/$なんてことになった。このまま行くと今夜は¥145突破は時間の問題だし、変な話¥146なんてのも十分にあり得るよ。このドル高が、今後のFRBの金融政策を考えると、全く止まる気配がないわけで・・・何度か巻き返しが出たところで、行くところまで行っちゃう気がしてきたよ。そしてこれが、世界経済を奈落の底に突き落とすような・・・そんな可能性があると思う。ドル・ウォンは危険水域の1300を突破してなんと1400は目前に迫ってる。もちろん円もユーロも大安売り状態で、これが新興国にどう波及するのか、全く読めなくなってきた。

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そこで、こんな時最も参考になるのは、多分ゴールドと原油だと思う。正直、非鉄金属とか穀物の値動きは全く当てにならないと思うし、天然ガスも人為的な要素が大きすぎるし、市場も規模が大きくない。なので、最も素直に変化を反映するのがゴールドと原油だと思うわけだが・・・。

まずゴールド。この寄り前の段階で一気に買われ始めた!そして、原油だけど、日本市場のザラ場でWTIが$85.00に迫ったんだけど、そこから大引け後に反発して先物で$3持ち上げての$88.00。でもそこから売られ気味になって今(21:30)は先物で$86.35辺り・・・。景気減速が明確になると、原油は驚くほど下がると思う。今までは、OPEC原油は相場に従ってインド、中国など満遍なく売られてきたけれど、そもそもがこれから年末にかけて、EUはロシア原油の購入を完全に禁止するし、そのロシアは中国・インドへ相場の30~35%ディスカウントで大量に売っていることが分かってる。

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そもそもOPEC+の会合なんて茶番もいいところで、結局はWTIとブレントの市況を見ながら適当に決めてるんだよ。しかも、インドやサウジはロシア産原油を購入し転売して儲けてるわけで・・・。そんな中で作られた$86.30なんだよね。すでに米国はそういう事情をよく分かってて、シェールのリグ数を減らし続けてる。流石だよね。

だから、原油価格はどう考えても供給過多の状況であって、価格は少なくとも30%は下げの余地があるんだろうし、世界景気に暗雲となれば、底なしに下がる可能性も否定できないしね。現に新型コロナの時にはマイナスに突っ込んだという前科があるわけで・・・。

 

ちょっと考えただけでも、次々と懸念材料が出てくるし、それはFRBの利上げだけではないと言うことだしね。とめどないドル高、景気失速を裏付ける原油高、金融不安を象徴するゴールド高、ある日突然船株のような暴落が起こる株式市場、そして本命は債券市場にデリバティブ市況。ありとあらゆる懸念要素が取り巻いている中で、一体どうやって株式を買持しろ、というのだろう・・・。

とにかく原油が大陰線で暴落するようだと、世界同時不況は本番ということになると思うけどね。原油からは絶対に目を離さない方がいいかも。