想定以上のリスク:十分にあり得る第三次世界大戦

想定以上のリスク:十分にあり得る第三次世界大戦

自分は基本「売り坊」で、今の日米株の上昇に関しては相当の違和感を感じてる一人であることは間違いないと思ってるけれど、「相場は相場に聞け」と言われるように、この上昇を否定しても仕方ないとも思ってる。株価が上昇してGWに突入となって、買い方さんは気分よく過ごせてると思うし、それに水を差すつもりもないけれど、先週書こうとして微妙な内容なので思いとどまっていたことを、やはり書いて置く必要があるな、と判断して書くことにしました。

また、書こうとした内容の多くが偶然視聴した参議院議員の青山繁晴氏のYOUTUBEでやっていたので、これはもう書くしかないかな、と思った次第です。

4月初めに米国で、国防総省の機密文書が流出したことで騒ぎになったけれど、そのことはマーケットに影響を与えることはなかった。マーケットは株式も債券も仮想通貨も、米国の銀行破綻を織り込んでいる最中だったし、何よりもマーケットの最大関心事はインフレ・景気後退そしてFRBの利上げだったから、流出した機密文書の内容は当然材料にされることはなかったわけです。

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そもそもその機密文書の流出は21歳のマサチューセッツ州兵であるジャック・テシェイラという人物が数か月前からゲーマーが集まるSNSに小出しに投稿を始めていたものといわれていて、メディアの関心事はもっぱら若い州兵が容易にペンタゴンの国家機密文書にアクセスできたことを問題視していたけれど、それも当然で、仮に兵士がハニトラにでもかかってしまえば、ペンタゴンの国家機密はダダ漏れになるからね。

もう中国辺りは手に取るように米国の軍事的機密を取得しているといってもいい状況だからね。そのことの方が恐ろしいという意見は十分に分るでしょう。けれども肝心の内容に関して詳細な分析もされず、また米政権に対する忖度なのか、記事を継続的に報道することはなかった。

けれども、流出した文書の中には当然ウクライナ情勢の分析なども含まれていたわけで、重要なのは現時点でペンタゴンがウクライナ情勢をどう見ているのか?ということであって、ロシアのウクライナ侵攻を事前に的中させたのは記憶に新しいから、極めて信頼性が高いと思われること。そしてその分析は、間もなくウクライナの防空システムが部品や弾薬の供給が出来ないために、実質的に無力化してしまうという内容。

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そもそも青山議員も説明しているように、ウクライナの防空システムはロシア製であるがゆえに、部品も弾薬も補給できるはずがないという事実がある。そしてペンタゴンはウクライナの防空システムは4月末までには、稼働不能に陥ると分析しているという内容。

それを試すかのようにロシアは再びウクライナの首都キーウや中部・南部の都市にミサイル攻撃を行った。そしてウクライナ軍は今回のミサイル攻撃を迎撃する動きがなかったことで、いよいよ流出したペンタゴンの機密文書通りに防空システムが使えなくなりつつあることをロシア軍は確信を得た可能性がある。

当然ロシア軍にしても流出した機密文書の内容も理解しているはずだからね。そんなことで、ミサイルが民間アパートなどに着弾し25人もの犠牲を出してしまったわけだよ。若者が受け狙いで機密文書をSNSに掲載したことで、尊い命が無残にも奪われるんだよねぇ。

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もしもロシア軍がウクライナ軍の防空システムが使えないと完全に悟れば、今度は航空兵力をもってしてロシアの思うままにウクライナ全土を爆撃することが可能になる。制空権をロシアに奪われたらウクライナ全土はあっという間にロシア軍に蹂躙されるだろう。いくら地上兵力を米国やNATOが援助したところで、ほとんど効果がない。ドイツが供与した最強戦車も全く戦力的に意味のないものになってしまうわけで、このままではほぼウクライナ軍の敗北が決定的になってしまう・・・。

かといって西側の防空システムをこれから供与したところで、輸送や配備等を考えると数か月程度はかかってしまうだろうし、操作するための教育も必要だし、何よりも各国で議会の承認が必要になってくるかもしれない。仮にウクライナがロシアに屈して占領されるような事態になれば、それこそバイデン大統領を始め支援していた西側首脳は多額の援助に対し責任を追及されることになる。

ならば選択肢は、防空システムの代わりにNATO軍の航空戦力で対抗する以外に道はない。ロシア空軍勢力にはNATOの空軍勢力で迎撃するしかないだろう。もちろんミサイルという選択肢もあるけれど、NATOの防空システムが何処まで通用するのかが分からない。なので航空機で対抗する以外にないわけだよ。

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青山氏によれば現在米国と英国の間で協議されていて、英空軍がNATO軍として対抗する準備をしていると。けれどももしもそうなればロシアとウクライナの局地的な紛争から第三国軍が直接参加するとなるとこれはもう第三次世界大戦だ、というわけだ。

そしてそのタイムリミットがすでに来ているという、極めて恐ろしい状況に今現在があると言うことになる。

メディアでは今でもウクライナ軍が優勢と報道している。ロシアに占領された東部地域での奪還作戦であるとかクリミア半島に奪還であるとか、とにかくウクライナ寄りの報道ばかり平然と行っている。それを見るにつけ、TV、新聞を含めたメディア全体が如何に信じられないものか、と感じている。表面上の情報をかき集めただけのペラペラな報道・・・。まさにチャットGPTそのものなんじゃないか?と思う。

もし、ロシア軍が制空権を握れば、ウクライナ情勢は大変なことになると言うことが、あのペンタゴンの機密文書には書かれているも同然。それがもちろんマーケットにとっても極めて大きなリスクだと言うことを考えておくべきではないかと思うけどね。