岸田首相・木原官房副長官に改めて見せたい2つの動画

岸田首相・木原官房副長官に改めて見せたい2つの動画

今の政治状況を見るにつけ、本当に芯から情けないと思う。言うまでもなく岸田総理、内閣のことだけど。かつての野党第一党、民主党がボロボロになって分裂して離合集散を繰り返し、維新の会という意味不明の政党が勢力を拡大する中で、肝心の与党自民党は何をやってるのか!?

総理大臣には日本のリーダーとしての資質が問われるべきなのに、相変わらず党内派閥の持ち回りで総理を選び、その結果2021年総裁選では岸田文雄、高市早苗、河野太郎、野田聖子という意味不明の争いを演じ、雌雄を決したのは派閥の領袖たちの駆け引きだったという、無様さ。

その結果、岸田総理が誕生したものの、この人物に日本を率いるだけの矜持があるのか?と言えば、そんなものの欠片さえ持ち合わせていなかった。その最大の原因は、政治を真摯に受け止め、飾らぬ言葉で真っ向から議論しようとする姿勢を何一つ見出すことが出来ないということに尽きると思う。

「私には聞く力がある」と意味不明なことを堂々と国民の前で言ってのける凡庸さ。木原官房副長官が進言したとされる「手帳のお披露目」や、後先考えずに息子を首相秘書官に任命するという公私混同や甘やかし。安倍政権の外務大臣時代には何一つ成果を上げることがなく、総理になってからは増税路線をひた隠しに隠してもついついボロが出てしまう軽率さ、そして訪米しバイデンに思い切り媚びる態度は、あからさまな朝貢外交を強いられる始末。LGBT法、米国債引き受け、防衛力強化、ウクライナ支援、韓国ウォンスワップ、輸出制限解除等々すべては米国の言いなりになって得たものは、G7広島サミットでの原爆ドーム見学会のみというお粗末さ。



LGBT法は世界でも議論の最中で包括法を成立させたのは日本とカナダくらいのもので、米国でさえ連邦法での立法は目途さえ立たぬ状況。米国債の引き受けに際してはイエレン財務長官さえも来日しないという「属国ならば当然のこと」という姿勢、防衛力の強化は米国からの武器の購入を今後年間1兆円増額を義務づけられ、ウクライナ・ゼレンスキーをG7に招待し、おおよそ20兆円もの援助を約束させられ戦争に思い切り加担するというお粗末さ。台湾有事を想定し日米韓の同盟強化のために韓国に対する制裁を解除せよという要求を受け入れ、破綻状態の韓国経済をスワップ協定で保証してやれという米国のお達し。

日本人は何のために安賃金で汗水たらして働かねばならないのか?と言われれば、すべてはこうした米国に対する朝貢外交のため、と言うことを、愚かすぎる岸田首相は国民に隠すことも出来ない木偶なのだ。追及されれば、「日米同盟によって日本は米国の核の傘で守られているから」と答えるしかないという半世紀も続く門切問答を繰り出すに違いない。

そんな戯言を信じている時代はとうの昔に終わっている。米国人が日本人のために血を流すことはないし、日本人は後方にいて資金提供をすれば済む、という有り得ないことを、言い訳にされるのはまっぴら御免なのだ。

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そして、行政の長として、安倍元首相暗殺に対する原因捜査を曖昧にしたまま、今度は右腕の木原官房副長官の警察介入疑惑に答えず、堂々と会見で嘘を言った警察庁長官や警視庁捜査一課長は野放しのまま、世論を無視し続ける態度に国民は呆れていると同時に法治国家の根幹を揺るがしている。

外国人は野放図に受け入れるものの、各地で発生している軋轢に対し、何の手立ても講じない無神経さも相まって、支持率は低下するばかり。というか、経済が好調で税収増が見込まれ、昨年の予算を17兆円も繰り越してなお、増税に邁進しようという首相が今までいたのだろうか?

にもかかわらず、岸田首相に対する批判や世論の盛り上がりを感じさせないのは、政治同様に腰が抜けた主要メディアの責任は大きいと思うけれど、もはや新聞・テレビにバラエティ以外に何も期待できないし、相変わらず吉本とジャニーズのタレントを使ってバカ騒ぎをしているテレビには唖然とさせられるのみだ。

今がこんな時代だからこそ、ちょっと前まで、日本の政治にも火花を散らすような真剣な議論があったことを思い出さずにはいられないのだ。

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そこで今となっては懐かしささえ感じられる、政治の分岐点における真剣な議論であった2012年の自民党安倍総裁と民主党野田首相の党首討論だ。今の自民党に、そして立民や維新にこれほどの真剣な議論が期待できるだろうか?と考えてみると、絶望感に襲われる。

議論は前回の党首討論で自民党谷垣総裁と野田首相で交わした、消費税増税に関する三党合意と定数削減について、消費税増税の前に国民の真意を問うべく解散総選挙を行うと約束した野田首相が、3カ月経ってもその素振りを見せなかったことに、安倍総裁が食いついているというもの。これには伏線があって定数削減に対し真っ向から反対したのは民主党議員たちであって、全くその審議に応じなかったし、野田首相は党内をまとめることが出来なかったという事情があった。

結局政権が交代し、安倍内閣で行った衆議院定数削減は20議席で、比例代表の削減にとどまったわけだが・・・。

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個人的に安倍元首相の信者では決してないし、保守主義一辺倒でもない。けれど安倍元首相は戦後レジュームの脱却というある意味脱保守的な考えを持っていたことを考えると、リベラルな側面も持ち合わせた新しい政治家だったような気がする。安倍元首相の既得権を打破し新しい経済の在り方を模索してゆかないと日本の未来はないという考え方には大いに共感が持てたものだ。

一方当時は、安倍首相もさることながら野田首相は大いに評価していた。誰がやっても9.11震災と原発事故でグチャグチャになってしまった民主党をまとめ上げることはできなかったと思うけれど、政治家としての資質、もっと言えば首相としての資質に十分に足る政治家だと思って観ていた。今でも、立民で埋もれるのが本当に惜しい政治家だと思っている。はっきり言って個人的に「好きな政治家」なんだよね。

 

昨年、安倍元首相が凶弾に倒れ、恐らく最も落胆した政治家は野田氏だったのではないか?と思う。国葬儀の際には菅前首相が友人代表での弔辞を読んでいたけれど、民主主義の府である国会での追悼演説はまさに、感動以外の何物でもなかったし、これは歴史に残る名演説の一つになったと思う。

野田元首相はあの党首討論での議論が、日本の針路を決めたと思っているだろうし、まさにその通りだった。しかし日本経済という側面を見れば、乱れに乱れた民主党政権時代は意外にも順調だったのだ。その理由は、官僚が民主党政権を嫌い、表面上では機能しているように見えて裏では民主党政権の足を引っ張りまくっていたために、意外にも経済活動が自由だったという側面があるし、震災・原発事故からの大型復興予算が実行され始めたという財政効果があったからだ。つまりアベノミクスは野田首相時代から始まっていたのだ。

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なので、国会での追悼演説を野田氏が行うという話を聞いて、当時は他にいないな、と妙に納得した思い出がある。

出来ることなら、岸田首相と木原官房副長官を椅子に縛り付けて、この2つの動画を見せてやりたいと思った。1945年8月6日に広島へ、そして8月9日に長崎へ原爆を投下した米国。世界で唯一核攻撃を経験した日本は、それから70年以上を経てもなお、米国の占領下で属国であり続けているという事実。

此の先、真の独立国を勝ち得る時代が来るのだろうか?故安倍元首相の唱えた「戦後レジュームからの脱却」が実現する日が来るのだろうか?岸田首相にはもう何も期待出来はしないが、その後の首相がこのことを真剣に考え実行してくれることをただただ願うのみだ。