今の日米株式市場は典型的な金融相場の値動き!

今の日米株式市場は典型的な金融相場の値動き!

今の株式市場、債券市場の大きな問題は・・・つまりは新型コロナ禍によってジャブジャブ金融にして以来、過度な金融主体の相場になっていて、実体経済そのものとの関連性が過度に薄れてしまっているということに尽きる。言ってみるとずっと金融相場なんだということだよ。

個人的な投資手法からすると、米国経済の動向やセンチメントには、他の個人投資家よりも敏感なほうだと思っているけれど、今の日米経済自体のバックグラウンドに金融相場と言うのがあるので、現実には企業業績にネガティブな影響が出辛いということがある。

いや、実際には多くの企業業績は悪化しているのは間違いないけれど、そのことを忘れさせるような株式市場の値動きになるので、それこそが金融相場ということなんだよね。

世界の機関投資家の資金や欧米のファンドや投資銀行の資金は、金融引き締めをしている最中でも極めて潤沢に維持されている。自国で高金利ならば日本のような相反する金融政策を続けているところからいくらでも資金調達できてしまうし、投資によって資金が増えたら再投資すればよいし、株価上昇はそうした好循環をもたらす。

Advertisement

とにかく今の金融市場の資金量は10年前と比較すると10倍、20倍に膨れ上がっているから、景気指標を落ち着かせる程度の金融引き締めは総じて効果は薄く、年々株式市場でのパワーは拡大するばかり。

そのことが、今回の日本のSQでの茶番を容易に作り出していると言える。一国の相場の動きを支配するには少なくとも数兆円、場合によってはさらに桁上の資金が必要だけど、実際に今の国際的な投資期間はそれだけの資金をイージーに動かせる。昔は日本でも業界で協調相場が作られたけれど、外資の比重が高い今は不可能になっているし、仕手筋などのせいぜい数百億円程度の資金は全く通用しなくなってほぼ撲滅された。

仮にここまで引っ張り上げた株価を意図的に暴落させて、ショートで大きな利益を狙うといったショーターの世界も、いまではほとんど通用しなくなった。売り坊の俺が言うのもなんだけど、空売りと言うのは単に値幅取り以上のものではなくなったと思う。

もちろんリセッションに突入すれば、ロングは通用しなくなるけれど、それはあくまでも一時的なことで、問題が見えてくれば、すぐさま買いがはいるから、株価は簡単に戻すことになる。そのプロセスで、市場のプライマリー・プレイヤーはまたまた資金を拡大させることになる。

Advertisement

何度も言うけれど、企業業績を考えたり、割安、割高という尺度で売買を決めても成功確率は意外に低いのは、今の株式市場の資金が大きすぎて、しかもセンチメントをAIが分析し高速なプログラムトレードが主流となっては、個別銘柄を動かすことなどいとも簡単に可能になっているからだ。

こういうことを実際に見たいのならば、日本の中小型株に入っている空売りを見れば分かる。日本のグロース市場が全然ダメなのは、信用銘柄は大株主が安易に貸株をするし、貸借ならば大量の空売りをとにかく入れてしまう。そしてサプライズなニュースが出ると相場にして小金(といっても数十億円単位)を稼ぐように仕組まれている。なので、普段は漬物石が乗った状態と言えるわけで・・・。

普通GDP世界第三位とか四位の日本のような規模の株式市場の指数を、4日で¥2,200も引っ張り上げるなんて、考えられないことを、こうもあからさまに見せられてしまうと、株式投資そのものがバカバカしくなる。

これを「日本株は強いんだ」と大騒ぎしているのは、あくまでも株式市場のウォッチャーなだけ。今回の1月SQで一体いくらくらい外資に抜かれたのだろうね。こんなことは決して話題にしないけれど、オプション取引の仕組みからして、数兆円単位と言うこともあり得るだろう。もちろんカウンター取引もしているだろうけど、そもそもオプションなんていうのは、一定のパイを喰い合う「ゼロサムゲーム」だからね。確実に損失は発生しているだず。

だから、どんな景気指標が出ても、経済の悪化が見られても、消費者のファイナンスが悪化していても、メインプレイヤーが動かないと大した変動は発生しない。個別銘柄は別として指数はすぐに戻る。

Advertisement

新NISAが始まって、最も人気の出た金融商品は三菱UFJが運用するeMAXISシリーズのオルカン(オールカントリー・インデックス)だそうな。なかなか賢い選択だと思うけれど、これとて今の中東情勢や世界経済が後退期にあることを考えると結構リスクはある。いまはちょっと時期が悪いと個人的には思うけどね。

けど、大口がいくら暴れても影響されないというところがいい気がするけどね。

何故こんなことを書いているかと言うと、どうしても今の日本市場、日本株に対して楽観論が多すぎるように感じるから。年明けで震災があって、日銀が今月の金融政策決定会合で「動かない」という予想になってから、俄然荒れだした。その最初のSQで大仕掛けをして、気が付くと日経平均は¥35,500になってる。

こういうことが起こるということは逆の可能性も十分にあるということなのにね。にもかかわらず、強気一辺倒・・・。身銭で勝負しないアナリストや評論家が無責任な言いたい放題をやってるのが、ムカつくからだよ。投資なんてインサイダーでもない限り、確実なんてことは有り得ないからね。

さて今夜の日経CFDだけど・・・円高方向、米国金利もPPIて低下傾向にもかかわらず、無反応。相変わらずクソみたいな動きをしている・・・。PER15.63なんて全然高いと思ってないのね。EPSが¥20持ち上がったのはファストリ決算のせいか?まぁまぁ。¥36,000でもいいけれどね。