日銀の利上げでも円安急進!国内経済はますます窮地へ

日銀の利上げでも円安急進!国内経済はますます窮地へ

いろいろ調べたけれど、どうも良く分からない。今の相場がどうしてこれほど騰がるのか?ということの根本的な原因がどうしても掴めない。長く相場を張ってきてる投資家さんならば、必ず今の日本株の上昇に違和感を持ってると思うんだけどね。普通こんな騰がり方をしたら、需給がスカスカで、必ず急落場面があるはずなのに、今回の押し目も押し目とは言えないほど浅いし、まして真空地帯で下げ止まるという・・・。

正直こんな需給のまま、高値追いするとなったら、もう本当に株が買えなくなってしまうかな?と基本的にチキンの俺は考えてしまうよ。はっきり言って異常を通り越してる。今の相場はバブルでなく企業業績からして、また日本経済がデフレからインフレに向かうという事を考えても、いや、そう考えるとなおさらに同じ上昇するにしてももっと売り買い交錯を交えて、ステディに上昇しないとおかしい。

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異常なのは、株価だけではなくて、ドル円もまた日銀政策転換以降、どんどん円安が進んでしまっている。これは一体、どういうことなのか?調べれば、個別にはそういう理由になり得ることは出てくるけれど、どうしても説明できないのは昨年11月以降の、もっと言えば年初からの強烈な株価の上昇スピードで、これは流石に説明できない。

それで、結論と自分で考えつつあることは、日本市場の、株価の上昇をけん引するような日経225主力企業の浮動株が、気が付くとどんどん減少してるんじゃないか?と言う事。日銀が馬鹿みたいにETF買いで主力企業の浮動株を吸い上げた。そして今度は、東証がPBR1倍以下は許せない!とやったから、慌てて各社が自社株買いで、余計に浮動株を吸い上げ捲った。

そこに、中国からキャピタルフライトした資金がどっと流れ込んだから、とんでもないスピードで日経平均やTOPIXは上昇してしまった。それでも、これだけ上昇してもロングは株を売ろうとはしない。配当を取ってさらなるキャピタルゲインを狙えると思っているからだろうけど、それにしたって利益確定が出なければ不自然な株価の位置だと思う。

結局今の日本株を支えているというか、本当の上昇原因は明らかに「円安」だと思わざるを得ない。これほど急速に円安が進んだなら、相当のペースで日経平均が上昇しなければドル建てでは合わない。けれど、日経平均が円安によって企業業績が持ち上がることを十分に期待しているから買える。買えば浮動株が少ないから簡単に株価は上昇する。日々そうしたことの繰り返しが日本株を支えていることになる。つまりは、何度も書いているように日経平均はドル円次第、と言うことになるけど、これはもう鉄板だと言ってもいいと思うしかない。

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今夜のFOMCで利下げ観測が先送りになるような、パウエル議長の発言となれば、ドル円はさらに加速して円安になるかもしれない。いま、¥151.700と簡単に¥151台に突入して早くも後半まで来た。これがオーバーシュートして¥153タッチなどと言うことも十分にあり得る。そうなると日経平均は指す高値ブレイクすることになるだろうし、すでに日経CFDは¥40,346まで来ている(19:10)。

これが安易に「金融緩和継続」と植田総裁や岸田首相が発言した結果なのだろう。国内経済はますます窮地に追い込まれかねないわけだ。

日銀のマイナス金利解除が、皮肉にも円安を助長する結果となった。日米の株式市場はどこかで箍(たが)が外れたみたいだ。