世界も株も岐路に立ってると思うのだが・・・
- 2024.08.13
- 世界情勢
今、世界は明らかに岐路に立っていると思う。岐路と言うのは、世界中の国家がここから先どういう選択をしてゆくのか、自国の運命を賭けてどういう道を行けばいいのか、迷い始めてる。何を迷っているのか?もちろん、このまま、いや今まで以上に世界が米国の覇権を受け入れるか否かの選択だと思うし、政治も経済も、米ドル一強体制で行くのか否か、揺れ始めていると思う。
いままさに苛烈を極める二つの地域紛争は、何処をどう見ても米国が仕掛けた紛争であって、ここに至って見えてくる米国の明瞭なBRICS潰しであることは否定のしようもない。BRICSの中心国である中国・ロシア・サウジアラビア・イラン・・・。いずれも経済力と資源、軍事力を持つ大国であることは間違いなく、この枠組みが確固たる体制となれば、EUとは比較にならないほどの脅威になると、米国は考えている。
米国にとって手に負えない存在になる前にBRICSを潰そうと米国が画策しているのは明らかだ。まずはプーチンのロシア。隣国のウクライナを焚きつけてミンスク合意を無視させウクライナ国内のロシア系住民を迫害させると同時に、ウクライナのNATO加盟を匂わせることで、ロシアを煽りに煽ってウクライナに侵攻させることに成功した。バイデンはウクライナ侵攻直前に不介入を宣言し、侵攻のトリガーを絞った。プーチンの軍事侵攻を理由に経済制裁を仕掛け、同時にノルドストリームを破壊し、EU各国のエネルギー危機を演出し経済を疲弊させるとともに、莫大なウクライナに対する軍事支援、財政支援を強要した。
現時点でウクライナ・ロシア紛争はウクライナがロシア国内に侵攻したことによって完全に互いに互いの領土を侵攻し合う戦争状態に突入してしまった。自国の領土に侵攻されたプーチンが、厳しい対抗手段に出ることを米国は待っている。ここまでの展開はまさに米国の描いたシナリオ通り。
中東はまさに地獄絵図。イスラエルはハマスのテロ計画を見逃し、それを理由にガザ地区の奪還、パレスチナ人の排斥のために軍事行動にでた。イスラエルはガザ地区のパレスチナ人に退避勧告して人道上の配慮を演出しつつ、実はガザのパレスチナ人を追い出そうとしている。つまりヨルダン川西域を含むパレスチナ自治区全域を奪うというイスラエルの野望を支援している。が、真の目的はイスラエルに対抗しているヒズボラやフーシ派への軍事支援を続けるイランを戦争に引きずり出し、イスラエルに噛ませること。そうなれば米国のシナリオ通りだが、それをイラン(ハメネイ師)は熟知していて、その上で対抗手段を模索している。
中国は不動産の破綻と度重なる洪水被害で経済は破綻状態にある。それだけに中国の台湾への動向は、より一層危機的な状況に追い込まれているとみる。ここでも米国は中国を煽るような行動に出ている。サウジとイランの国交正常化を仲介し、BRICSを強力に推進する立場をとる中国をだまって見過ごすようなことはしないだろう。
EUは完全に弱体化の階段を下り始めた。ウクライナ・ロシア戦争でドイツ、フランスは多額の支援を背負った上に、エネルギー危機で経済は完全に疲弊した。パリ5輪を見てもフランスの国力低下は明らかで、フランス経済はEUのけん引役からお荷物にと転落しつつある。そしてドイツ経済はエネ価格の高騰と中国経済の悪化によって収益のエンジンを失い、先の見えない低迷を余儀なくされている。つまりEU経済はドイツ・フランスというエンジンを失い、衰退への道を歩み始めたということ。
ただでさえ移民政策の失敗で財政負担が急激に拡大していたところでのウクライナ戦争は、EUと英国の経済をガタガタにしたわけで、それもまた米国のシナリオ通りと見ることが出来る。その結果としてEU議会を含め各国では保守派が台頭し、政治的な不安定を生み出した。
そして日本は・・・。昨日桜井真という元日銀審議委員がブルームのインタビューで来年三月までは日銀は利上げ出来ない、と持論を展開し、ドル円は一時¥148を超える動きになった。こんな輩が日銀政策を論じるのもどうかと思うが、それを引っ張り出すブルームもどうかしてる。
賛否はあれども今回の日銀利上げの目的は明らかな円安対策だったはず・・・。にもかかわらずその効果を打ち消すような発言をする輩がいる。それも元日銀審議委員という肩書なのだから恐れ入る。
こういう側面を見ても、日本の政策担当者がいかにポリシーを持たない連中であるのかがうかがい知れる。そしてその最たる存在が岸田首相であることは言うまでもない。日本は何処までも米国盲従を立場をとる。だからこそウクライナにすでに2兆円以上の軍事費を出し、戦争に加担しているわけだ。平和憲法云々と言いつつも他国の戦争には平気で金を出す・・・。これが今の日本の姿を象徴する行為に見える。
日本人は戦争で負けて以来大人しい国民になった。米国に飼いならされた。いかに国に危機感があろうともそれを真に受ける国民がいない。
中国経済が膨大な債務を抱え破綻状態だと言われるけれど、それよりはるかに多額の債務を抱えた米国に盲従しようという日本人に、世界情勢など語る資格もないのかもしれないね。自分が情けないね。
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