農林中金&JA:恐ろしい日本農業の闇
- 2025.02.08
- 時事問題

とうとう出た農林中金の巨額赤字。3Qで1.4兆円の赤字で尚も通期では1.5兆円~2兆円の赤字見通しは既報なんだけど。農林中金の運用資産は多分100兆円を超えてるんじゃないかな。なので、たとえ2兆円の欠損を出しても、僅か2%って言いたのだろうけど。
ここでよく考えて見ると、農林中金はもちろん上場企業じゃないし、さりとて明確に銀行法で運用されてるわけでもなくて、所謂「農業やら漁業の組合からなる信用組合」なわけで、これが実態が全く分からないほどの財務体質だってこと。例えば農家は積み立てをしてる。けれどそれとは関係なく、借金もしていて、返済もしている。預り金、保険積立、貸付金、返済というのを組合で縛ってるからね。分かると思うけど、単純に観ても想像できるような財務体質になってるのよ。
あのバブル崩壊後の日本の金融機関の財務はボロボロだった。運用額なんかどうでも良くて実質的には不良債権、債務超過のオンパレードだったから、資本増強しなければならなくて国庫金をぶち込んだ。なのでその後バーゼル協議などで自己資本率の厳しい規制が掛かったわけだけど。
農林中金はその枠外にある。そして財務において多分貸付金評価はまともにされていないと思う。つまりは表面化しない負債を厳格にカウントしたら、とんでもないことになってるという感じだと思う。おまけに農業、漁業従事者の高齢化問題はどうにもならないところまで来ているし、ということは貸付金回収の目途が立たないということになる。だからこそ資金運用で利益を出すしか、手の打ちようがないというところまで来ちゃってるんだよ。
いまのままの農政ならば、どの道あと10年は持たないという感じで、今回思い切って農林中金は延命することを選んだ。損失を出して、新たに例えば日本国債に投資するとかして、少しでもリスクを軽減しようとしてる。運用益も騰がらないし、ほんとうのところ運用損失がどれだけあるのかも数字が出てこないから、付け焼刃なんだろうね。
かといって担保価値がないから一般金融機関が肩代わりできるような貸付金でもないし、もう完全い行き詰まってるのは明らかなんだよね。けど、この改革は自民党じゃ無理。もちろん立憲でも無理。切羽詰まれば、適当な法律を作って何とかするかもしれないけれど、いまの人口減少からして破綻はカウントダウンなのね。
だからここで、大ナタを振るわないといけないタイミングなんだけど、何もしないし何もできない。ただ運用損を計上して、増資してお茶を濁すという最悪の選択をしてる。
でね、このことと昨今の生鮮食料品の値上がりが関係ないと思いますか?収穫量なんか全然変わってないのに値段はとんでもないことになってる。中居問題もフジもいいけれど、こういう問題をやるような愚直なジャーナリストもメディアもないのが厳しい。
それでね、日銀は利上げするんですよ、こんな状況でね。金融機関を救うためですか?金融機関を儲けさせるためですか?ってね。
多分、もう生鮮食料品は安くなりません。それに消費税をかけ続ける自民党、財務省。本当に鬼畜でしょ!というか誰も農林中金の中身を見たくないってか!?まさにやがては露見する日本の闇そのものでしょ。
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