米価のピークは3，4月？その後は夏までに元通りでしょう。

思い起こせば去年の夏にコメ不足になってスーパーの店頭などが空っぽになった騒動があった。その時に新米が出回れば、コメ不足は解消されるとして、政府は楽観姿勢を貫いていた。けれども新米が出回っても米価は一向に下がらず、以来一貫して上昇を続けている。

どうして？ということだけど、それは株式市場と同じで、消費者が少しづつ余計に買うようになったから、流通段階で品薄感が解消されなかったということだろうね。そうなると米価は下がらなくなって、ジワジワ上昇を続ける。上昇するから消費者は先買いをする。そのサイクルで米価は上がり続けている。

こんなのは典型的な株価上昇サイクルと全く同じこと。みんなが欲しがれば値段は上昇するのは、相場ならばごく自然な成り行きだよね。そうなってくると、メディアが騒ぎ出す。米がない！みたいな特集を組んだり、結果的に煽るような報道になって、株ならば、業績好調の注目銘柄、みたいなことが急激に伝わって、ますます先高感が増長されてしまい、過熱してしまう。

けれども米価というのは、新米が獲れる秋には、今のコメは古米になるわけで、それまでに需給に回帰するポイントが必ず来るのでね。その時までに消えた20万トンは市場に出回り始めると思う。消費を考えると、米価のピークって、3月、4月のような気がするけど。

それに消えた20万トンの他に政府備蓄米が20万トン出てくるわけで、今度は需給を考えると大幅にだぶついてくると思われ、どこかのポイントで米価は急落すると思うけどね。例えば流通業者が米価の上昇を当て込んでストックしてるとしても、古米にはしたくないだろうから、必ず出回ることになるし・・・。

そうなったときに、消費者はどうか？と言うと、結構なストックが家庭にあったりするので、消費は抑えられる。だから予想以上に米価は下がるんじゃないかな？所謂株式相場の熱狂剥落、天井形成ってやつだね。

いろいろ言ってる人の中には、政府備蓄米を20万トン放出しても米価は下がらないとの意見もあるけれど、それこそが単なる感覚論でしかないし、全く根拠はないと思う。米の消費量は年々低下するのは、人口ピラミッドを見ればすぐに分ること。その過程で、農水省は米価を維持するために減反政策を推進して需給バランスをとってきた。なので、米は流通ではあまり余裕のないタイトな状況だったことは確か。業者だって新米の内に捌きたいから余計な在庫は持ちたくないしね。

そんな時、ちょっと需要が増えてしまうと、こういうことになる。ただそれだけの事。米を買い占めて値上がりさせて、売り抜けようという投機的な行動も、そんなに馬鹿儲け出来るものじゃないし、リスクは大きい。放っておいてもほどなく米価は下がると思うよ。株だって熱狂が剥落した後はなかなか上昇しないでしょ。本当に同じようだね。