公党の私物化と言われても仕方のない日本保守党
- 2025.02.20
- 放言

日本保守党の有本、百田と飯山あかりとの誹謗中傷合戦は、一段とエスカレートしてしまい、見るも無残な状況になっていて、そこに月間HANADAの花田編集長の発言にカチンときた有本氏が怒り狂い、月間HANADAの連載を辞めるということになった。そこに何故か元反社の猫組長がHANADAのYOUTUBEに出演し、今度は有本氏とHANADAの喧嘩を煽ったから一層話が拗れた。
同雑誌には飯山あかり氏のコラムも同時に掲載されていた。それまでは有本氏も連載していたわけで、いきなり止めると言いだした有本氏に花田編集長は困惑している。要は執拗な飯山あかり氏の日本保守党への誹謗中傷に有本、百田両氏が堪忍袋の緒が切れたということ。雑誌としては喧嘩をしている両者の記事を同時掲載することで、話題性をキャッチし結構な甘い汁を吸ってきたのは間違いないので、それが限界に達したという事だろうけどね。
しかし日本保守党のことに関しては、何度か書いてきたけれど、衆院選挙で議席を獲得し、得票率で国政政党に昇格し、公党になったにもかかわらず、相変わらず個人的な営利目的のYOUTUBEを止めず、ニコニコ動画も止めることなく、様々な発言を発信し、日本保守党という看板を利用した営利行為を続けていることに違和感を感じざるを得なかった。
党首の百田氏は何を勘違いしているのか、人気作家、人気放送作家としてのイメージが捨てられず、まるで芸人のような態度で政治を論じてることに違和感があったし、有本氏は東京15区補選に飯山あかり氏を口説き落とし出馬要請したにもかかわらず、選挙戦の最中から関係が拗れ始め、党公認候補との関係を維持できなくなり、衆議院総選挙の出馬要請も出来ない事態に発展したことは、ある意味責任問題でもあるだろう。
しかし党の公式SNSではなく、日本保守党の代表、事務総長の立場を利用して個人のSNSで営利活動をしているのは、飯山あかり氏が指摘しているように適当ではないだろう。両氏は自ら総選挙に出馬し落選となったものの、今は紛れもない政治家である。
飯山あかり氏の執拗な誹謗中傷は、もはや病的レベルであることは間違いないと思うけれど、結局彼女をそこまで駆り立てた原因というのも必ず何かあるはずで、その意味では百田、有本両氏は4カ月間、氷解の努力をすべきだったのかなと思う。しかし自身のYOUTUBEなりニコ生なりが忙しいのか、これを放置、傍観し、時々反論するという程度で、納めることはできなかった。
両氏の行動はSNSを基本にしているように見える。SNSで批判があるから、とか書き込みがあるから、とかまたはSNS上で支持されているからという理由が思考の多くを占めているのだろう。それは公党として必ずしも正しい選択とは思えないし、世の中にはSNSとは無関係な人もたくさんいるわけで、そうした声を拾おうとしない態度も恐らく正しいとは言えない。
けれどもそれが日本保守党の方針と言えば、それはそれでそういう政党なのだと理解するほかはないし、飯山氏とのトラブルを解決できなくて何が「日本を豊かに強く」なのだ、と言われても反論の余地はなさそうだ。
政党としても、とても個人のSNSなどに注力する暇があるのか?日本保守党は結局、政策を箇条書きに提示しているに過ぎなくて、問題は、公党になった以上は、その政策の具体的な実現の方法をしっかり提示してこそなのだが、箇条書きに何の説得力もないということを、自覚すべきだと思う。
また衆議院議員3名、地方議員9名、首長1名を要する公党というイメージはなかなか定着しないのも、百田、有本両氏の活動や言動が影響していると思われる。
例え国政政党になったとしても、こうなることはある程度想像できたので、一時は応援しようかと思っていたけれど踏みとどまった。この党は百田代表と有本事務総長が、本気で立候補し当選できなければ党勢拡大は難しいことは分かっていたけれど、そこまでの真剣さが見受けられなかった。いまだに何処まで行っても流行作家とジャーナリストのままなのだ。
このまま、飯山氏と和解できずに、日本保守党は刑事訴追や民事訴追の準備をしているというけれど、そんなことをすればこの党は終わるだろう。もっと愚直に馬鹿正直に人間を信じられなければ、結局信頼される政党にはなり得ない。飯山氏と事を構え、HANADAとも喧嘩したような形になって、それがSNSで拡散される・・・。信じていたSNSは諸刃の剣だということ。毎日「朝8」という番組で世相を批判しても何も生まれはしない。
-
前の記事
三線集中で動かない日経平均:2月19日(水)後場 2025.02.19
-
次の記事
明日の国内CPIが鬼門になる!?:2月20日(木)前場 2025.02.20