投機化した日米株式市場。近いうちに終焉を迎える!?

投機化した日米株式市場。近いうちに終焉を迎える!?

今の株式市場、特に米国株は投資というよりも短期的に値幅を狙う投機市場になっていると思う。何故ならば好決算を出してもコンセンサスに届かなければ「ミス」という扱いになって、とことん売られるようなそんな動きが頻発しているから。これと同じことが日本市場でも、最近は極端に増えた気がする。

決算発表になった。見ると増収増益になっていて、上昇を期待しながら板を見ていると、とんでもない売り物が機械的に湧いて出るように連続的に出て来て、あれよあれよという間に株価は下がって行く。それもシステムトレードでやられるから、マニュアルでは追いつかない。だから余計に焦って投げてしまう、という投資行動を個人投資家なら一度や二度は経験しているんじゃないかな。

だから決算前にはポジションを整理しておく、というのがいまや常識になりつつあるんだよね。なんておかしな相場なんだ!ってね。

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後になってよくよく見て見ると、コンセンサスに届かなかった、というのがままあるけれど、システムにコンセンサスを読ませておいて、出てきた数字が届かなければ自動的に売りになるというのが正解らしいけど。でも大抵理由は後付けみたいなものだからね。

昔、システムトレードが出てくる前には、相場をよく知った人が、大きな資金で人為的に相場を作ってゆく、所謂仕手というのがあった。これは業績云々よりも将来化けるという思惑を敢えて先行させること(提灯を付ける)で、人気化を狙ったり、意外な値動きをザラ場で演出したりして、取引量を拡大させてゆき、最後は値幅を取って天井を付けるというやり方をした。そしてその後は売り玉を建てて足の速い下落相場(解体)で、往復で獲る、みたいなことをする。

こういうのは完全に分りやすい「投機相場」何だけど、システムトレード全盛の今でも同じようなことが行われてると言える。

堅調な業績を評価して右肩上がりのチャートになって、業績の拡大とともにコンスタントに値を切り上げてゆくというのが、株式投資の理想だとすれば、今の時代は徐々に傾きが急こう配になってゆき、値幅も拡大するような動きになる。好決算の後にはさらなる業績の上積を期待するし、なぜか企業業績も複利のように考えるから、期待する業績の進捗は期間も短くなるし増益幅も大きくなる。現実にはそんなことなかなかないのにね、そういう銘柄でないと怖くて持っていられないというのが今の相場でしょ。

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こういうことが起きるのは、株式投資が完全に投機と化してるから。とにかく短期的な値幅を狙ってゆき、それを繰り返すことで、パフォーマンスの最大化を狙うという機運に満ち溢れてる相場なんだよ。

例えばダウの30年チャート軟化を見れば分かるけど、リーマンショック後の金融ジャブジャブ開始とともに俄然チャートの勾配が急になって来て、コロナ後の今の傾斜は最大化されてる。個別銘柄ではなくても、株式相場全体として投機化しているように見えるのは俺だけではないはずなんだけどね。

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ウォーレン・バフェットが手持ち株の現金化を急いだのは、多分この投機相場から降りたという意味なんだろう。これは相当に賢い選択だと思うし、流石に一代で莫大ば財産を築いただけのことはあると感心する。この投機相場の転機となる可能性がトランプ大統領就任にはあるのだろうと思ってます。

蛇足だけど、日本株の大幅上昇やら独歩高を主張する人は、多分米国ダウと日本株の比較チャートを根拠にしているに過ぎないと思う。ワニの口の世に広がった比較チャートを見れば、出遅れてる日本株という印象を嫌でも持つだろうから。案外アナリストの予想なんてものは、そんな単純なところに根拠があるものだよ。

というわけで、何が言いたいのかというと投機相場は必ずバーストし急落相場(暴落相場)が来るという事。今までこれをソフトランディングさせられた大統領や金融当局者はいないという事。そして日本株が上がらないのは、業績の根拠が円安と労働者の非正規化しかないから。後は時流に偶然に乗れたか否かの差だよね。

防衛産業とか電線とかは、後者と考える方がいいかも。

最近の相場をやっていてそんなことを感じてます。