米国経済はリセッション入りかな?円高で日本株も・・・。

米国経済はリセッション入りかな?円高で日本株も・・・。

米国経済への懸念をトランプ大統領の政策にだけ起因しているように思うと、大火傷するかもしれない。こうして株式市場が急落するのは関税のせいだ、といって今更の理由付けをしたところで始まらない。要は株式市場が甘え過ぎていた、ということ。

いくつかのショックは経験しているけれど、2000年代の米国市場は常に右肩上がりの成長を続けてきた。その理由はそんなに難しいことではなくて、単純に総括すると金融と財政をふかしまくっていたから。とにかくいつの間にか、財政はいくらふかしても大丈夫!と政府が思い込み、またFRBも金融緩和こそが最大の特効薬である、と言わんばかりの政策を続けた。

インフレが高まってもバイデン政権は一向に財政赤字を気にもせず予算を拡大し続けたし、FRBはインフレ対策で金利を引き締めながらもマネーの供給量が銀行対策などで絞り込めなかった。結局インフレと金利上昇で消費者負担だけが増加したにもかかわらず、楽天的な米国消費者は消費を絞ろうとしてこなかった。

雇用は堅調なのだから大丈夫、賃金もそれなりに上昇しているのでオーケーと言えば言うほど、むしろ消費は加速した。そして連邦予算はあらゆる部門がゆるゆるになって、キックバック、汚職が蔓延したけれど、政府機関にとっては政権の政策がどうなっても無視で、やりたいようにやるという風潮が醸成された。その結果、連邦機関とウォール街の金融・ハイテク企業、そして軍事産業が微妙なコンセンサスを形成し、所謂DS(ディープ・ステート)と化した。

Advertisement

その構造を剥がそうとするのがトランプ大統領やイーロンマスクであるわけで、掲げた政策を実行に移せば、予想通り株価は下落する、というのは初めから予想が出来たこと。この後、株価が一旦の底を打ち、戻るとすればウクライナ戦争が終結し、関税が施行されると同時に大幅な減税策を打ち出した時だろうね。

でもそれまでは、まだこの弱い動きが続く可能性が高い。12日のCPI、13日のPPI、そして17日の小売売上高、と続く消費関連の指数がネガティブの可能性が高いからだ。その時になって、ようやく消費が悪いことに気付くだろう。消費者もトランプ関税で価格上昇する前に駆け込み消費をした結果の数字が2月の小売売上高。その数字が弱く出るとこれは決定的になる。

その結果でインフレが原油価格の下落と相まって抑え込まれれば、米国経済のスタグフレーション入りは回避できるのではないかな。けれども株式市場のセンチメントまでが回復するとも思えないので、相場の足腰は非常に弱い状況がもう少し続くのかも。米国債10年金利が低下してゆき、株価も下げるとなれば、明らかなリスクオフとなって、リセッションに突入する可能性は高い。

Advertisement

けれど、2025年は膨大な国債償還が控えているわけで、ここで金利が下がらなければ、連邦政府の財政は完全に行き詰まる。とにかく今年の借り換えを凌げれば、つまりはバイデン政権とイエレン財務長官の無茶苦茶な短期国債発行を何とか長期国債に借り換えられれば、経済的にはトランプ政権の経済政策は最初の1年で半分くらい成功したと評価できると思う。

それにしても・・・、NASDAQの▲4%という下落はキツイ。ビットコインも1,160万円とこれも相当にキツイ。どんどん資金が流出しているのが分かるよね。VIXは27.86と暴落モード入り。ドル円は一時¥146.62まで突っ込んでお約束の¥146台を見た。その後¥147.300くらいまで戻しているのは、日本企業のレパトリのせいか?

アホな日銀と財務省が金融正常化の名目で利上げをするすると言ってることが結局、日本経済の仇になる。本来ならば、資金が日本株に流れても良さそうなものだけど、円高になったらそれも望み薄。こうやって日銀は金融政策に失敗するんだよなぁ・・・。