米景気後退を確認した3月CPI、VIXが再び急上昇!
- 2025.04.11
- トレード雑感

また予想を外してしまったけれど、どの道米国経済は予想外に悪かったということを、3月のCPIは示してしまったことになる。それほどに3月CPIが弱かったのだ。
21:30 |
アメリカ・消費者物価指数(CPI) 03月 [前月比] |
+57.6pips | 0.2% | 0.1% | -0.1% | ||
21:30 |
アメリカ・消費者物価指数(CPI) 03月 [前年比] |
+57.6pips | 2.8% | 2.6% | 2.4% | ||
21:30 |
アメリカ・消費者物価指数(CPI) 03月 [食品・エネルギー除くコア・前月比] |
+57.6pips | 0.2% | 0.3% | 0.1% | ||
21:30 |
アメリカ・消費者物価指数(CPI) 03月 [食品・エネルギー除くコア・前年比] |
+57.6pips | 3.1% | 3.0% | 2.8% |
3月はまずはカナダ、メキシコに対する関税からスタートしたわけだが、それらは物価の押し上げ要因だった。にもかかわらずCPIがこれだけ弱かったということは、ズバリ消費がかなり弱かったということ。そして今月は相互関税10%が適応になり、特に米中関税戦争がエスカレートしている。その意味するところは、4月はさらに消費が悪化するという見方が台頭し、結果的に株式市場は、株価上昇の期待が剥落しつつあるという動きを今夜は示している。
予想としては、CPIが下がらずコンセンサス予想よりは若干上昇してしまうというものだったけれど、そうなるとスタグフレーション入りが確定するような、そんな瀬戸際の経済指標になるかなと。しかし、もしも関税導入にもかかわらず物価が上昇しなかった、となるとこれは結構厳しい景気減速だろうね。個人的には今夜の3月CPIはかなりのサプライズに見えた。
さて、そんななかで気になるのは、もちろん米国債10年金利とドル円の動きだ。米国債10年金利は、昨日4.470p水準から関税の先送り発表を経て4.260pまで下落した。けれどもその裏では米国債の売り主体である中国に対する苛烈な報復関税が発表されている。中国に対する追加関税50%を含めると104%にもなる。他方中国は米国製品に対して84%の関税を課すと言っている。
同時に米国債10年金利は、再度インフレを織り込むように上昇を開始し、今夜1時時点では4.370pまで来た。これを仕掛けているのが中国だとすれば、中国は米国と徹底抗戦の構えに出ているということになる。
にもかかわらず、ドル円はなんと昨日ザラ場で¥148.280まで円安となったのが現時点(1時)では何と¥144.300と約¥4もの円安訂正されつつある。まさに今夜は為替市場が荒れ狂っているということだ!為替市場は依然として米国債に対する不信感があり、関税を緩めるのであれば10年国債金利を下落させるための次の一手は、為替に対する協調介入で水準の上限を決めてしまうしかない。
恐らくトランプ政権はその交渉材料に関税を使ってくるという見方。株式市場は再び次の懸念に対する動きをし始めた。最もそれでなくても不透明なトランプ政権の性格に対する不信感から、暴騰し史上最大の上昇幅となった翌日にこの戻りに対して売りをぶつけてくるのは当たり前のこと。下手をすれば昨日上げ分の半値戻しくらいはあるだろう。
株が売られ、ビットコインが売られ、VIXが再び47というとんでもないボラを示しているにもかかわらず、資金は米国債に逃避していないように見えるこの状況こそが、株式市場の最大の懸念となりつつある。こんなことが米国経済の原則プロセスで起こっているのだから、投資家としては堪らない。
今夜は現物株を投げている投資家がたくさん居そうだね。
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