イスラエルとイランの全面戦争の可能性も!?
- 2025.06.14
- 時事問題

みんなイスラエルがイランを攻撃したことを、単なる出来レースだと認識しているんじゃないかと思う。トランプ大統領はWSJの記者の電話インタビューで以前からこの攻撃計画を知っていたことを匂わせた。
ネタニアフ首相は、トランプ大統領に対し就任後の会談でイラン攻撃計画を話して支援を要請したけれど、トランプ大統領にやんわりと断られて、単独でも実行するとしていた。
もちろんトランプ政権は今回の攻撃を事前に報告されていて、恐らくネタニヤフは攻撃後、前回同様にイランのミサイル攻撃に対し米軍の迎撃要請をしたのだと思う。
ただし、ネタニヤフ首相は「もう待てない」として4月の段階で攻撃しようとすると、トランプ政権はイランとの核合意交渉で、「軍事用、医療用、原発用等を問わずすべてのウラン濃縮を破棄せよ」と要求したものの、当然のように全てはねつけられてしまった。
要するに交渉が決裂したことをイスラエルに報告した時点で、即座にネタニヤフ首相は攻撃準備を始めたのだろう。だからこそ、米国政府はイラク在住の米国人に対し出国勧告をした。
今回のイラン攻撃作戦の詳細は以下の内容だった。
攻撃の概要
規模・コード名:イスラエルは「Operation Rising Lion」を発動し、戦闘機約200機で多数の標的に攻撃を実施。
標的エリア:
ナタンズ(Natanz)、**フォルドー(Fordow)**などのウラン濃縮施設
テヘラン周辺のミサイル基地、レーダー、防空システム
軍司令部や科学者の私邸などに対するコバート(秘密裏)攻撃。
被害状況
死傷者:少なくとも78名が死亡、うち軍幹部や核開発関係者を含む329名以上が負傷。
攻撃で殺害された主な人物:
IRGC司令官 ホセイン・サラミ将軍
イスラム武装部隊参謀本部長 モハンマド・バゲリ将軍
弾道ミサイル部門の責任者 アミール・アリ・ハジザデ将軍
6名の核科学者(例:フェレイドゥーン・アッバシ、モハンマド・メフディ・テヘランチ)
戦術・手法
航空戦とドローンによる支援攻撃:約200機の戦闘機による主要攻撃を展開。モサド(Mossad)の脱侵作戦 により、精密誘導ミサイルや爆発物搭載ドローンが数ヶ月前から潜入・配置されていた。空対空ミサイル体系やレーダー網を先に破壊し、主攻撃のシールドを突破。狙われたのは「指導層の抹殺」と「核・ミサイル施設の劣化」。
イラン側の反応
イランは約100機以上のドローン攻撃を実施し、そのほとんどはイスラエル国内または国境外で迎撃された。
「宣戦布告」 として非難し、「深刻な報復」を誓約。
テヘランでは報道によっては民間人の死傷も伝えられ、国内でも非常事態宣言や防空警報が発令された模様。
この内容を見る限り、イスラエルはトランプ大統領の就任会談後、数か月を掛けて用意周到に準備していたことが分かるし、規模からしてもこれがただの攻撃ではなくて、大規模軍事作戦だったことは明らか。とても紛争レベルの攻撃ではない。
対するイランは、ドローンによる反撃しか行っておらず、イスラエルに被害を与えるまでには至っていない。つまり、これだけの大損害を被りながら、何もしないはずがなく、しかもイスラムの教え通りだとすれば、損害を受けたのと同じだけの報復をすることになるはず・・・。
ネタニヤフ首相はそれが分かってるからこれから長い間シェルターで過ごすよう国民に注意を促した。
歴史の常識からしても、これだけの攻撃を国内に直接受けたら、これはもう全面戦争だと思う。自国領内に200機の戦闘機が侵入して爆撃を加えるという規模は半端ではない。
イランの考え方一つだと思うけど、どう見てもこれは両国が全面戦争に突入すると考えるべきだと思うし、米国とてユダヤ勢力の強いユダヤロビーやユダヤ系の意見は到底無視できないわけで、イランのミサイル攻撃は徹底的に迎撃するのだろうけど、それをすれば米国は関税問題も含めて、大いに非難されることになる。
この状況を、またいつもの・・・、と株式市場が考えているとすれば大きな間違いかもしれない。甘いんじゃないか!?
トランプ関税により混乱した世界経済にあって、今回の攻撃がエスカレートするのであれば・・・世界の流れは大きく変わるかもしれない。
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