(雇用に対する)リスク管理の利下げ:9月18日(木)FOMC後

(雇用に対する)リスク管理の利下げ:9月18日(木)FOMC後

FRBはFOMCで0.250pの利下げを決め、さらに年内2回の利下げを予想した。パウエル議長の会見では、労働市場が軟化したため今回の利下げは「リスク管理の利下げ」と表現したけれど、この一言が大きかった。

FRBは雇用は今後さらに軟化するよ予想してる。けれども高関税によるインフレ懸念も捨ててはいない。その妥協点が0.250pだったということ。それに対しリスク管理と表現したわけで、雇用とインフレのバランスを考慮した適正な金利水準を模索するんじゃないかな。

けれどもFRBが出来るのはそこまでで、今後米国経済は年内2度の利下げを必要とするような状況は避けられそうにない。もしも雇用にウエイトを置くとすれば、それは民間には望めないわけで、トランプ政権が大幅な財政出動をしない限り悪化は続くと思う。そしていままで株式市場は雇用なんか誰も気にしていなかったけれど、中銀が雇用にウエイトを置くと宣言した以上、気にしないわけには行かなくなる。

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そして雇用を気にするということは、実体経済とまともに向き合わないといけなくなるという意味。気が付くと実体経済はボロボロな状況だということに危機感を感じるようになるのかも。でもそのカウンターポジションにあるのがAIであることも事実で、今後はAI関連に今まで以上に資金が集中するようになるのかもしれない。

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投資家は消去法で投資先を選ぶ。今夜の米国株の動きは、アナリストの大半が材料出尽くしで売られる展開を予想していたけれど、VIXは低下し、米国債10年金利は上昇した。一旦は下げたものの、急激に戻り場面を演じたわけだ。そして日経CFDは¥100程度上昇した。

その意味は、米系投資家は今後SBGを含む半導体関連の強い動きを想定しているのだと思う。またドル円が円安方向に動いたことも、好感されているに違いない。なので、朝寄りでは¥200位GUする可能性もあるかもしれない。

とにかくパウエル議長が景気悪化を示唆することなく「雇用に対するリスク管理の利下げ」と発言したことが大きい。中国がNVIDIAのGPUを購入・使用禁止にしたというニュースは今日の動きとしては半導体関連が売られる可能性を考えないといけないだろうけど、いずれにしても海外勢がFOMCを受けてどう投資行動するか、大いに興味がある。

こうなって、ある意味方向感のでない相場になったので、下手に動くと火傷しそう。メガとか商社を売ってるから、担がれるだろうと覚悟してる。