AIに沸く株式市場を演出しているのはAI!?

AIに沸く株式市場を演出しているのはAI!?

まったく連日のように・・・まるで騰がることしか知らないような株式市場の様相。こうなってくるとバブル相場に近い相場模様だと誰もが認識してるだろうけどね。でも米国投資家は、「騰がるのだから買うしかない」というマインドセットなので、こんな時にも怯むことなく買ってくる。そこが国内投資家との最も大きな違いだよね。日本人だと「火中の栗は拾わず」って感じになるのかな。

こういう時は不思議と相場には変な一体感が生まれるような気がする。ツービートの「赤信号・・・」じゃないけれど、決まった方向に資金がどっと押し寄せる、みたいな感じになって、別に申し合わせているわけではないと思うけど、短期筋も個人も同じ方向を向くから流れが太くなる。それがバブルでもなんでも、お構え無しって言う雰囲気ね。

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今の米国市場はまさにそういう流れだと思うし、連日のようにAI関連の大きなニュースが伝わって来て、それが重なって「問答無用」となるから怖い。昨夜で言えばまたNVIDIAがOpenAIに1000億ドル投資というニュースが出たけれど、AIとその関連というカテゴリのなかで莫大な資金が飛び交ってるって感じ。AI開発、GPU、データセンタ、クラウド、そしてそれに関連する素材、電力、半導体製造装置、と言う流れ。その中で、どの企業が覇権を握るのかて競い合ってる。またそこに自動車や通信が絡んできて、まさにAI革命の様相を呈している。

NVIDIAが爆発的な上昇を開始してはや2年になるけれど、次に言われたのはAIが何処までビジネスとして成立するか?ということ。そこではビッグテックが結果を出し始めているということで、AI相場の活況は第二幕に突入しているといってもいいかも。でも単純にビッグテックは既存のプラットホームを使って課金するという従来からのビジネスを生かしているだけに見える。

グーグルが世界中のありとあらゆるデータをボットを使って収集し、そうして構築したデータベースでビジネスを行っているけれど、マイクロソフトもアマゾンもメタもビッグテック各社が同じ方向を向いて投資をしている。AIを使って各社の基本ビジネスを補完する動きから、新たなサービスを開発することにしのぎを削っている状況。

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今の生成AIは情報集約と言う意味で強烈な能力を発揮してるけれど、これからはあらゆる場面でAIに頼ることになる。そうした人間社会の根本的な改革が進むにつれて、AIが実質的な主導権を嫌でも握るような社会にならざるを得ない。そういうことを誰もが考える状況で、企業が覇権を握ろうとすることは、ある意味熾烈な戦いであると同時に、人間として眺めるとあまり気分のいいものじゃない。けれど企業は常にAIの進化は人に優しいものだと、喧伝するだろうけどね。そしてそれこそがAI主導なんだって思えてしまう。

個人的な想像だけど、例えば個人投資家と言う目線で見ると、今年の相場と言うのは人間のセンチメントで考えても勝てないような気がしていて、それはトランプ大統領が無謀な政策を次々を繰り出す度に、相場はそれをネガティブとは捉えてこなかったことで違和感は増した。これは常識からするとあり得ないことで、高関税を課せば経済の自由度や各国の国益は大きく制限され、世界経済全体からすると明らかに不自由な状況が生まれる。

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自国主義が蔓延すれば、国家間の経済格差は広がりそれは米国社会に見る断裂を生む。自ら平和主義者とアピールしながら、他国の国益を犠牲にしても問題ない事とする姿勢は、気が付くと米国内の社会状況に悪影響を及ぼすだけでなく、ロシアやイスラエルの領土拡張主義を否定しえなくなってしまった。アメリカ合衆国大統領と言う地位は、拡大会社化され独裁者化し始めてしまった。

株式市場におけるAIが利益の最大化を主眼に置くと、こういう相場になる、という感じさえする。もしかしたら今年の相場はAIが演出しているのかもしれないと思わせられる。投資家とは違ったセンチメント、つまりはAIが持つ判断基準のようなものが市場全体を覆っているような、そんな感覚が抜けなくなっているのだ。

AIが主導する社会とトランプ大統領の価値観に基づく独裁が主導する社会、この双方に違いが分からなくなってる。恐らくAIは、今後の進化の過程の中で思考の多様性を否定しようとすると思うし、仮にそうなるならば、AIとトランプで何ら変わりは無くなってしまいそうだ。

つまり、もしかしたら、株式投資の世界も、帰結点を集約する方向に向かうのかもしれないと思ってしまう。