株式相場:目を覚まさねば地獄行き

株式相場:目を覚まさねば地獄行き

米国でCFDが急騰している。ダウCFDは昨日に引き続き寄り前から既に$300の急騰で、本当にばかばかしいと思うのだが、日経平均CFDが¥370高し、ドル円は¥109.750まで円安が進んだ。加えて米国ではADP雇用統計が良好な数字となって、上昇に拍車をかけている。

ウォール街のクレージーの犠牲になる日本市場

確かに米国にとってコロナウイルスによる新型肺炎は、「対岸の火事」でしかないだろうし、比較論で言えば、現在米国で流行しているインフルエンザのほうが遥かに怖いと言った状況なのは否定しない。

ウオール街は、「新型肺炎の米国経済に対する影響は極めて限定的」という、クドローNEC(国家経済会議)委員長の言動を大歓迎して、株価を吊り上げた。短期調整は終了して、株価は暴落前にまであっという間に戻ってしまいそうだ。

米国ダウ$29,000は、史上最高値に僅か$500もないというレベルに戻る。米国には全く影響がないというスタンスだ。

ところが日本経済はどうなのか?日本は中国が貿易相手国第一位、お隣の韓国が第三位という中韓偏重経済なのだ。加えて消費税増税以来、内需(国内消費)は落ち込んでいる上に、今回の新型肺炎騒動で、インバウンド消費はガタ落ちの状況。いま、日本経済は、弱り目に祟り目、瀕死の重傷状態なのだ。

にもかかわらずウォール街は、日経平均を吊り上げて昨秋から大きく投資した資産を守ろうとしている。僅か2日間で日経平均株価と日本経済の乖離はますます増加してしまった。まったく茶番以外の何物でもないわけだが、しかし、海外投資家がプレーヤーとして日々の7割を占める日本市場の現状を考えれば、抗いようがないのかもしれない。

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それにしても、ここまでやるのか?と思う。あの、日銀の異次元緩和が発動された後、ゴールデンウイーク明けからの日経平均は、ほとんど毎日夜間のGUで暴騰した。夜間、¥300、¥400と毎日のようにGUして返ってくる。その挙句の果てに5月23日の暴落に繋がったわけだ。

海外勢が気分を変えて利食いに走ったら日本市場は¥500、¥1,000の下落はいとも簡単に起こりえる。国内買い手不在、外資頼みの需給がもたらすふざけた相場の当然の、しかも意図された結果である。

とにかく胸糞が悪いのだ。

新型肺炎はまだ拡散の入り口

現在、新型肺炎の感染者数は24,607名、死者は494名と発表されている(米国ジョン・ホプキンス大学集計)。しかし、こんな数字はデタラメもいいところで、著名な医学者、研究者、による推計や、英国の数理統計による推計でも、実数は公表値の十倍は最低線であるというのはほぼ間違いないと指摘されている。

そもそも中国当局の発表そのものが、正式にカウントされているとは思えない数字であり、実態からかけ離れていると言われる。当局は中国国外での感染者数の10倍を目途に、辻褄合わせをしながら、フェアな情報開示をしていると思わせるような数字を作っている。

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そうした実態もあって、既に12月初旬の発覚から約50日間も情報を隠蔽し、武漢市の医療崩壊が報告されて初めて、新型肺炎について国家的に言及し始めたといういつも通りのお粗末な対応を中国共産党(習近平)は渋々行った。しかも、ここまで蔓延していながらWHOは、「中国の入出国、貿易を制限しない」として、中国に骨抜きにされている。

武漢市の現状は、さながら地獄のようで、既に医療崩壊しているために、感染者の把握は全くできない状態で、1000万人以上の人口の約半数が封鎖すると言う情報の直前に中国全土、そして海外へ逃げ出した。つまり既に新型肺炎はパンデミックに発展する準備は整ってしまっているわけだ。

中国当局は10日間で約1000床の病院を作ったと宣伝した。しかし、そこで働くスタッフ(医療従事者)はほとんどいないのが実情。そのほかにも武漢市の体育館などにベッドを何の間仕切りもなく並べていて、緊急的な病院と称している。しかし、どう見てもそれらは重症患者の収容施設にしか見えないし、最悪死者の収容も行われるのではないか、と思う。

いま、公表されている感染者は24000名だが、実数が最低線で10倍と見ても、240000人の感染者がいる。数理統計では一週間で約10倍に跳ね上がる勢いで感染者が増えていることは明白で、となると2月12日には240万人に膨れ上がってもおかしくはない。

そうした中で報道は、日系企業は10日から操業を開始する予定とされるが、夢物語も甚だしい。あの強欲なホンハイですらフル操業は2月末と現段階でコメントしているのから比べると、日系企業は新型肺炎の実態を全く把握していないのだろう。

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ワクチンは開発できない

この時期いかにもありがちなニュースとして、必ず出てくるのが「有効なワクチン開発に目途が立った」とか「有効な治療薬を発見した」というもの。そういうニュースが飛び出せば、それを材料に株価は跳び上がる。

今日も「新型コロナウイルスのワクチン開発で大きな進展」とロイターが報じて日米株式(CFD)は暴騰している。

まったく呆れたニュースだ。コロナウイルスのワクチン開発は非常に難度が高く、未だに2003年に流行したSARSウイルスに対するワクチンさえできていない状況なのに、半年でできるはずがない。

しかし株式市場は大いに反応してしまうのだから、バカバカしくてやってられない気分だ。

現在の新型肺炎は、まだ感染拡大が始まったばかりで、初期段階で感染者封じ込め(隔離)に失敗して、武漢市から500万人の人口流出を招き、なおかつ春節で(中国国内で)推定約30億人の人的移動が起こってしまった後の今、いかにウイルス感染拡大を防止しようと言うのか?

もはやこうした株式市場の楽観はもはや白痴レベルとしか言いようがない。

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2月末までに日本市場は暴落

現状がそうした最悪の状況であると言うことを、いくらなんでも徐々に株式市場は織り込むだろうと思う。まず、日系企業が中国国内での操業開始を無期限で延期すると発表するだろう。そしてそれを契機に株式市場は反転下落し始める。もはや、中国国内においては新型肺炎を封じ込める手段は、情報隠ぺいしかない。

しかしその間に中国経済は日に日に悪化し、実質的な崩壊状態からリアルな崩壊状態へと至ると見る。いまや中国全土は封鎖が必要な国家であって、経済活動云々のレベルではなくなりつつある。

おそらくこれから、中国で起こることは共産党員の保身だろう。中国国民の1000の犠牲で共産党員1人を救う・・・そうした地獄絵図が待っている。

それと同時に、日米の株式市場、特に日本市場は悲観一色に染まると予想する。

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