日本株を読め!【5.13~17】決算相場ピーク、消費税延期期待も

日本株を読め!【5.13~17】決算相場ピーク、消費税延期期待も

5月10日(金)日経平均引値 ¥21,344 日経平均CFD ¥21,502

相場地合い概況

10連休明けにトランプ大統領のツイートで大きく揺れた日米株式市場ということで、令和相場のスタートは大変厳しいものと成りました。

米中交渉の今後

米中交渉では、中国が土壇場で合意文章に織り込むはずだった中国国内法の改正を拒否し、トランプ政権は2000億ドル相当の中国製品に対する関税を10%から25%に引き上げました。

しかし、中国との交渉は継続するということで「米中決裂回避」ということからこれを好感し、週末の米国市場は$114高と反転しました。同時に▲¥57安と4日続落の日経平均もCFDが連れ高となり、¥157戻しで引けています。

今回の米中交渉において米国の中国に対する要求の要点は、1)知的財産権問題、2)為替の自由化、3)資本移動の自由化、であり、これらはみな合意文章に盛り込まれたとしても中国国内法の改正を行わなければ、効力を発しないことや、違反したと認定した時の米国の制裁発動ができないことが、米国側の怒りを買ったものです。

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しかし、1)~ 3)のどれもが、中国共産党の国内支配の力の源泉であって、妥協は止むを得ないとしながらも、法制化・法改正には合意するはずもなく、また対中強硬姿勢は米国内の党派を超えたコンセンサスになっている以上、大統領選挙を意識せざるを得ない状況で安易な妥協はできない、という米国側の事情もあります。

従って米中交渉は、次の残り3250億ドル相当の中国製品に対する制裁関税にまで発展する可能性が、現時点では極めて高いと言えます。

もう一つのリスクはイラン制裁

また、米国はイランに対し「核合意違反」に対する制裁という意味で日本を含む関係国に対し原油の全面禁輸を発動したことで、緊張が走りました。同時に米国はこの海域に空母を派遣しイランの動きをけん制しています。

それに対してイランは「核開発再開(高濃度ウラン濃縮再開)」をほのめかし、対イラン核合意は風前の灯(米国は離脱済み)となっています。一方イランの国内情勢は、大規模な洪水に見舞われ、数百万人が被害を受け50万人が飢餓の危機に瀕している状況で、内政が非常に不安定な状況となっています。

こうした状況にも関わらず、イスラム政権はハマスや他のテロ組織に対する軍事支援を継続していて、中東は予断を許さない状況になっています。

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米国の金融相場は継続

世界のリスクは高まっているものの、米国経済は好調を維持し、物価安定と企業業績の維持から非常に強い金融相場が継続していると思われます。一方、日本市場は主要企業の決算が来週には出揃うことから、ボラティリティの高い相場が継続する可能性があります。

米国ダウ日足チャート・テクニカル


史上最高値更新にあと僅かと迫りながら、米中交渉の結末で$1000程の調整をしいられた米国ダウですが、9日に75日線を割り込んだものの、10日には陽線で戻すという非常に強い足となりました。

これで需給の悪化はひとまず回避され再び高値を目指した展開が想定されると思われます。現時点での米国経済に米中貿易以外の死角は見当たらないことから、来週は$26000台の攻防に回帰すると考えるのが自然です。

日経平均日足チャート・テクニカル


一方の日本市場は、来週¥150程度のGUで始まりますが、¥21,500前後の寄り付きから陽線をつけられるかが勝負の分かれ目です。出来高が急激に回復していることから、この下落相場で買い向かったのは国内個人投資家である可能性も高く、GUすれば利食いも出る展開。

しかし、連休前の海外勢の買い越し姿勢から、売りをこなしながら上値を追う展開になる可能性が高いと思われます。来週中に25日線を奪還できるかどうかが鍵だと思われますが、時間的にはそのあたりまでの戻りが精一杯というような感覚を持っています。

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来週の日米市場地合い予想

来週は日米市場ともに新たな局面と突入します。米国市場は米中交渉で最悪の事態を免れたことで、上値追いを開始する可能性が高いと思います。また、地合いとしてはFRBの利下げ圧力を意識したものになりそうで、それを意識した債券金利の低下も意識される可能性もあると見ています。

日本市場は13、14、15日で決算のピークとなることから全面的な決算相場に突入します。なので、単純に米国市場に追従するという見方は通用しないかもしれません。また5月20日には国内1-3月期GDP1次速報値が発表され、その数字如何によっては「消費税増税延期」の機運が高まることから、海外勢が「買い仕掛け」に転じる可能性が高いと見ます。

テクニカルでは¥21,800が非常に重いと思われますが、日本市場の需給から買い仕掛けの可能性が高いですね。

5月17日(金)日経平均予想

非常に難しい5月相場の展開ですが、令和相場がこのままでいいはずもなく、戻りを模索する展開になる可能性が高いと見ます。従って

日経平均株価引値:¥21,800 ドル円:¥110.50

を予想します。

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