FOMCのネガティブが際立ったのに・・・

FOMCのネガティブが際立ったのに・・・

昨夜のFOMCは、景気の先行きに対して「楽観できない」という意味で、どちらかというと財政政策を催促している内容となった。パウエル議長は「現下の予想以上の景気回復が継続するとは限らない」と危機感を強調したことで、ハイテクが過度に反応し、S&Pともども大幅高からマイナス圏に沈んだ。

そして今日、昼に日銀政策決定会合が発表となるが、現状維持以外の選択肢を持たないというのだから恐れ入る。FRBは少なくとも2023年までの現行金利維持を示唆しているわけで、そのことも含めて円高圧力が高まっての¥104台突入であって、仮に¥104台が常態化するようなことになると、日本経済の重石となることは明白。

そういう意味では、最低でも¥106~¥107までの水準を維持できなければ、今期の業績回復に水を差すことになるだろうし、そもそも内需は期待できない状況。企業が¥104台に対応しようとすれば、間違いなく雇用に水を差す。

Advertisement
Advertisement

そうした状況も考慮して本来であれば、菅首相はとにかく就任と同時に真っ先にマクロ経済を取り上げるべきだったし、今日明日にでも言及すべきだが・・・菅首相にはそうした経済のセンスは全く期待できない。今回の組閣は「仕事のできる内閣」ということだが、それはすなわちミクロ対策をやれる内閣という意味。今の新型コロナ禍による日本経済は、言うまでもなくミクロでは救えない。

困窮した業界もあるだろうけど、基本的にマクロを立て直さないと個別政策を積み上げても意味がない。傍目で見るにそうした首相の姿勢は下手をすると日本経済の腰を折る。

今回は総じて菅首相の歓迎ムードが強いけれど、スタートで現行経済の認識を誤っていること自体大問題だと思う。この先が思いやられる。

Advertisement