センチメント、需給は相当に悪化気味
- 2020.09.30
- トレード雑感
今日の株式市場の急落は、特に日本市場はこの相場で相当に弱気筋が台頭している証だったかもしれない。このところ、米国市場の下げにあまり反応しなかった日本市場が、今日に限っては配当取りも終了したという事情もあってか、先物を叩かれただけ反応し、そこにあまり抵抗感はなかったようだ。
トレード日記に書いた通り、本来米国大統領選挙のTV討論を材料にして叩いてきても、今日のように成功はしないだろうけど、今日に限ってはあまりにTV討論が泥試合だったこともあって、久しぶりに(売り仕掛けが)ストンと決まってしまった。
本来こういう動きは、余程センチメントが悪いか、さもなければ需給が悪化していないと成らないだろうと思うけど、そろそろ株式市場の割高感が意識される局面になるのかもしれない。それが気になって、大統領選挙による政策的な空白となる10月一カ月間は、相場が弱いと予想しているわけだが、「当たらずとも遠からず」かもしれない。
特に米国で危険なのは、新型コロナの中小企業向け優遇措置が9月で切れたこと、個人の失業保険割り増しが8月から大幅にカットになったことで、米国内需はまたあらたな危機を迎えると予想する評論家は多い。そして実際、小売りの影響は失業者数に直結するし、後には企業業績にも影響してくるだろう。
そういう意味で、米国市場のセンチメントはかなり弱気に傾き始めたんじゃないかな。
一方日本市場に関しては、日経平均のここまでの戻りを牽引したのは、セクターはあまり関係なくて、個別に好業績期待の大きな銘柄だったわけで、トヨタを除く自動車銘柄や通信主力、金融などは新型コロナ暴落の底値に肉薄する有様。結局これでは、日経平均の上値は重くて当然ということになる。そして好調な銘柄ということであれば、1部主力では富士通とNECくらいのもの。あとは日経平均の日足とは似ても似つかぬ低調ぶりだよ。
なので、今日のような急落相場を演じてしまうと、下手をすれば日経平均も結構な水準にまで落ちてくる。そうなると、新型コロナ底値面合わせする銘柄や、下手すれば割り込む銘柄も出てくるんじゃないか、という危惧があるよ。
例えば、今日逆張りしたNTTなどは、DOCOMO完全子会社化で約4兆3千億円を費やすことが嫌気された。そしてとうとう新型コロナ底値を割り込んでしまった・・・。TOB資金のすべては、UFJ、三井住友を中心とする銀行借り入れで賄うということ。大幅なプレミアをつけてのTOBということは、DOCOMOの評価であってNTT全体の企業価値に当面変化はないはずだが、この時期が悪かったということ。
株価はほぼ新型コロナ底値に面合わせの水準まで来た。29日の出来高2000万株超、そして今日は3,040万株という大商いをしてセリクラもあり得るという判断だったわけだが(取得時は約2000万株の出来高だった)・・・。特殊な事情とはいえ、この下げはかなりショッキングだよ。
しかし最も怖いのは、今夜の米国市場で▲$1000なんてことになろうものなら、それこそ需給の悪化は決定的になってしまう。売られ始めたら売りが売りを呼ぶ展開ってことだってあり得るのが株式相場だからなぁ・・・。
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