トランプ反撃:12月18日が米国混乱の最大の山場

トランプ反撃:12月18日が米国混乱の最大の山場

14日(日本時間では今日)に、米国大統領選挙の選挙人投票が行われ、バイデン候補が過半数の選挙人票を獲得した。これまでのところ、トランプ陣営の主張は裁判でことごとく棄却され、結局は選挙人投票の延期は実現しなかった。

もちろん米国大手メディアは、バイデン候補の大統領就任が確定し、トランプ大統領の再選の道は閉ざされたと報道した。しかし、今この報道をすると言うことは、従来の報道は一体何だったのか?という疑問を呈している。すでに「確定報道」を何度も繰り返して来たにもかかわらず、いま「確定した」と報道するというのはつまり、従来の報道をフェイクと認めているに等しいだろう。「決まっていないものを決まったかのように報道する」というのは、フェイクである。

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まぁ、それは今更の議論なので、置いておくとしても、同時に流された報道の中に米司法長官のウイリアム・バー氏が23日に辞任予定というのもあった。しかしこれもまたフェイク報道で、実際には13日に辞任していて、現在後任は司法長官代行として副司法長官であったジェフリー・ローゼン氏が任命されている。

さて、14日の選挙人投票はいまだ開票されていない。形式的には来年1月6日の上院議会で開封されることになる。ここで、ネットの情報では上院議長であるペンス副大統領が選挙人投票を否認すれば、改めて下院で大統領を、上院で副大統領を指名するということになっているが、それは誤りである。

1月6日の開票を上院議長のペンス副大統領が自由に否認できるのではなくて、この選挙人投票の結果に対し、上下院それぞれ1名以上の議員が異議申し立てをし、それに基づいて下院の過半数、上院の過半数がそれに賛同した場合のみ、ペンス副大統領は選挙人投票の結果を否認でき、改めて延期するなり、再選挙するなりの方針を決めることができる。

現実問題として下院は民主党が優勢であるので、このペンス副大統領の否認というのは、まずあり得ないわけだ。

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しかし現在でも選挙不正に関する裁判は継続中で、しかも今回は接戦州の選挙人を共和党も選出しているので、裁判で「無効」との判決が出されると場合によってはその州の(民主党選出の)選挙人投票が無効となる場合が考えられる。そしていくつかの州で同様の判決が出れば、バイデン候補が過半数の選挙人票を獲得できずに上下院での指名になる場合はあり得ることなのだ。

 

さらにもう一つ考えられる逆転劇は、外国から米選挙に介入があった場合トランプ大統領が大統領令を発令して、徹底的な調査を行うことがあり得る。しかしその場合でも、開票日(11月3日)から45日以内に海外からの不正の事実を明らかにし、情報省、CIA、FBI等の国家機関の調査に基づいた報告書が提出されなければならない。

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ここで重要なのは、不正の報告が多数上がっているにもかかわらずそれらは民事であって刑事事件ではないとして調査拒否をしていたウイリアム・バー司法長官が辞任したこと、ジーナ・ハスペルCIA長官の行方が分からないこと、クリストファー・レイFBI長官が選挙不正調査に前向きでないことなどからして、報告書はでるとすれば情報省のジョン・ラドクリフ長官からのものだろう。

その期限は12月18日であり、それまでに情報省のレポートがホワイトハウスに提出され、賛同を得られた場合トランプ大統領は、大統領令を発令し、徹底的に中国の介入を調査することになる。そしてその報告書の内容によっては戒厳令もあり得るということだ。

 

投票日に、接戦州で奇妙な得票が報告されて以来、トランプ陣営は各州で訴訟を起こした。同時にトランプ大統領は、政権内部の人事を徹底して行い、選挙不正の調査に及び腰な、または拒否するトップを更迭してきた。その範囲は、国防長官、司法長官、そしてCIA長官と本来米国の国益と民主主義を守る中心的な政府機関に及んだ。

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そもそも、今回のドミニオン投票システムに関しては、CIAの関与が濃厚で海外からのアクセスは把握していたとされる。そしてドイツ・フランクフルトのCIA支局のサーバーをめぐって、CIAの軍事部門と米軍が対立し戦闘状態に陥ったという情報もある。そこに居合わせたCIAジーナ・ハスペル長官は戦闘で負傷し、その後拘束されたという情報も出回った。以来彼女は公に姿を見せていない。

仮に外国からの選挙介入が疑われた場合、調査すべき機関、そして国内での選挙不正を調査すべき機関がまったく動かず、さらには国内の暴動鎮圧に軍の派遣を拒否し軍の最高司令である大統領命令を湾曲してしまうというあるまじき状況に最も危機感を抱いているのは、他でもないトランプ大統領であるということだろう。

 

従って、今回の大統領選挙不正の決着は、12月18日にトランプ大統領が、大統領令を発令するか否か、そして1月6日までに現在の訴訟によって選挙結果を無効にできるか否か、この二つの道筋が残っている。

個人的には、12月18日が最大の山なのでは?という印象を持っているわけで、少なくとも日本時間で18日(金)の持ち越し玉のポジションには最大限注意を払うつもりでいる。

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