ネガティブファクターが重なってきた:来週の展開

ネガティブファクターが重なってきた:来週の展開

今日もじっくりと状況を調べたけれど、来週の株式市場は相当荒れるんじゃないか?というのが結論だった。そろそろ個人投資家の中には配当狙いで買おうと思ってる人も多いかもしれないけれど、なかなか手強そうだぞ。焦ると配当分以上は簡単に持っていかれるだろうしね。買いは慎重に構えないとヤバイだろうね。

ではその辺のことを日経平均の日足を見ながら書いてみます。

日経平均テクニカル

とにかく今の日本株には、嫌なこと(条件)が重なり過ぎてると思った。特に週末を終えての日経平均に関しては厳しいし、19日(金)は日本株全体を見てもTOPIXも含めて、非常に嫌らしいポイントだったなと思った。今日がポイントだってブログで書いて置きながら、自分でポジションを失敗してると思うからメチャメチャ悔しくて、とにかくいろいろ調べたよ。

まず、日経平均の日足に関してだけど、移動平均線は、5、20、60を使ってる。25、75を使ってる人が圧倒的に多いのだろうけど、このチャートでは20日線は明らかに傾きがネガティブになっている。ところが25日線ではまだその兆候が見れないのよ。なので、些細な事かもしれないけれど、結構重要かもしれないんだ。

で、木曜の戻り高値は、昔でいうと完全に「宵の明星」となった。そして翌日には恐ろしい出来高(東証1部4兆4千億以上)を伴っての下落となったことで、この形を考えると完全に来週は下値を追うだろうと。とにかく金曜は、225採用の値嵩株の代表である9983ファストリと9984SBGが売られまくったからね。6954ファナック、8035エレク、6762TDK、2413エムスリーなんかも売られた口。でもファストリの出来高は150万株以上と郡を抜いてたな。

なので、日経平均をテクニカルで見れば、明日以降は撃沈を想定していた方がよさそうな気がする。で、問題はそうなると思う、またはそうなることを示唆するチャートの形になった理由をあげてみることにしますね。

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金融政策の転換点(日銀)

金曜の政策決定会合の発表で、とにかくファストリが売られまくって日経平均は▲¥424となったわけだが夜間でもCFDがさらに▲¥322も売られた。これは明らかに日銀がテーパリングを志向している(または開始した)と海外勢が考えたからだろう。

ゼロ金利ーマイナス金利ときて、ETFの年間12兆円という買いオペは明らかに日銀の主要政策だったわけだが、「(日経平均型ETFは)もう買いません」と正式に発表してしまった。しかも「急落時にはTOPIX型ETFを買います」ときた。これは従来のような条件、つまり前場にTOPIXが1%以上下落したらという条件でTOPIX型ETFが買われるわけではないという点が重要で、これは明らかに海外勢から見れば、テーパリングだと思うからね。

FRBは従来政策を全く変更しなかった。そのことだけでも、日銀との違いが明確になる。そして日銀は恐らく批判が起こっていたファストリの日経平均に占める割合を意識したのだと思うけれど、いままで散々買っておいてもう買いませんと言われたら、そりゃ暴落もするでしょ!

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けれどもこの発表は海外勢にはかなりショックだったんだよね。つまりオプションも先物も日経平均株価を基に展開しているデリバティブだから、これで月曜以降大きくポジションを見直す動きになってくるのは必至。日銀って本当にそういう事は微塵も考えないのかな?といささか不思議。審議委員の安達さんは何も言わないの?って思うけどね。あなた株屋でしょ?ってね。

いずれにしてもどの程度影響がでるのか分からないけれど、少なくとも海外勢には「金融政策の変更」と映ったはず・・・。「金融政策の変わり目は相場の変わり目」という師匠の教えを思い出したよ。

米国長期金利上昇圧力

さて、記事にもしたけれど、FRBは米銀の米国債保有の特例を3月末で中止する、延期はない、と発表した。これで金曜の米国債10年物金利は1.673pから1.745pまで跳ね上がったわけだが、多分これは米銀のポジション変更によるものではなくて機動力のあるファンド筋の売りだったと思う。銀行はJPモルガンやシティは明日以降売ってくるだろうから、俺としては1.900p辺りまで想定する必要があるんじゃないかって思ってる。

ただでさえ、金利上昇でインフレ懸念が台頭しているところで、さらに長期金利が上昇するということになれば、米国の3市場ともに大きな下落となる可能性がかなり高いだろう。となれば、その影響は足腰の弱ってる日経平均を直撃する可能性も出てくるからなぁ・・・。

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インフレ懸念が強まる

米国長期金利上昇が、資金需要の旺盛なグロース株やハイテク株い対しネガティブということで、1発目の下げがきた。次にS&P500企業の利回りの平均1.5%を上回ると騒いで2発目がきた。しかし、金曜の動向を見ると、その辺の理屈はすでに織り込んだという事みたいだ。しかし、長期金利上昇によるインフレ懸念の台頭と解釈したものだから、今度はダウが売られたわけだ。

同時にコモディティの軟調にも拍車が掛かったということもあった。しかし、仮に10年物金利が1.800pを超えて1.900pなんてことになったら、それらの要因がすべて復活しちゃって、3市場ともに下落することになるだろうからね。そうなったら、個別企業の業績が上がるみたいな見方よりも、経済全体に水を差す、みたいな解釈になって売られてしまうかもしれないね。

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上げ過ぎた金融株

さて米国では長期金利が上昇したにもかかわらず、金融株が売られた。これは株式市場が金利上昇よりもインフレ懸念の方を重要視し始めた結果かもしれないと思う。しかるに日本市場では、まるで狂ったようにメガバンクを筆頭に金融株が上昇し始めた。というかテクニカルでは過熱感満載でいつ売られてもおかしくないという状況になってる。

日銀は政策金利の変動幅を上下0.250pとしたわけだが、そのことで金融機関は大いに収益が改善するとアナリストは言っているが・・・そんなことはないだろう。それよりも日銀内でマイナス金利の深堀に関する議論があったということの方が、むしろインパクトがあるかもしれない。

いずれにしても、このまま上昇を続けるような状況ではないということだから、間もなく利食いが出るだろうし、全体相場が軟調ならば、それがきっかけになるかもしれない。いずれにしてもここから買ってナンボ儲かる?みたいなことを誰でも感じてるだろう。

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自動車株軟調

さてルネサスの仙台工場の火災で、ただでさえひっ迫している半導体がこれがなかなか一段と厳しい状況に陥った。自動車は米国寒波の影響でナイロン不足が顕著になってしまって北米では生産調整に追い込まれているが、いまだ半導体も不足したままなのだろう。

そういう意味ではトヨタが急激に買われてその後を各社が追いかける展開になったけれど、またぞろ来週からは探り合いが始まると思う。

半導体・電子部品の上値が重い

さて半導体や電子部品に関しては、現在フル操業しているのは明らかで、設備投資も活発に行われているはずだが、反面中国では半導体企業の破綻も相次いだ。そんな中で、TSMCやサムソンは活発に設備投資をして生産増強をしているだろう。そこまでは誰でもが感じていることなんだろうけど、とにかく米国長期金利上昇は、上値を抑え込む。

という事情があって、日本の半導体・電子部品は本来もっともポジティブな立ち位置であるにも関わらず、NASDAQと同じように売られてしまう。来週の日本市場はこのセクターが頑張れるかどうかにかかってるわけで、どれだけ踏ん張ることができるかが最大のポイントになるかもしれない。

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日経平均は何処まで突っ込むのか?

というわけで来週の展開は突っ込んで、リバウンドして、くらいの展開を予想してる。ならば何処まで?と言うことだけど、超高値まで買いこまれたエムスリーが、売られた展開を思い出してる。それと同じころがファストリで起こるのではないかと思ってる。SBGはどうなるか分からんけどね。

だから下値がどのくらい、という予想はできないよ。まぁ、今のところは日経平均では¥29,000は割ってくるとは思ってるけど・・・。ここは決め打ちは厳禁だよ。俺は上に書いたネガティブ要因がどうなるかを含めてじっくりと見てゆくつもり。

いずれにしても、小型株は特に要注意だと思うけど。俺はロスカットして勝負するつもりです。

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