WTI原油は$100到達するのか!?
- 2022.01.21
- トレード雑感
昨年の12月2日、$63割れでボトムを付けたWTI原油先物だけど、僅か1月半後の1月20日には$88ダッチ、一旦押し目を作った今夜も$87タッチまでの戻りを見せ、約$25の急上昇を見せた。なんか原油に関しては、大抵の有識者コメント、証券関係者、投資銀行アナリストなどは、インフレ要因で上げているとコメントするけれど、おいおい、それは逆で原油価格上昇するからインフレなんだろうが!って突っ込みを入れたくなる。
その原油価格の要因は3つある(と思う)。一つは、世界中の脱炭素の流れの中で、原油は物凄く虐げられているというか、欧米の名だたる銀行が化石燃料投資、融資をやりません!と宣言してること。特に欧州ベースのシェルとかBPというかつてのセブンシスターズは、融資がされないのなら事業として伸びないから自然エネルギーを(やりたくないのに)やらざるを得ないという状況に陥っているし、逆に融資している銀行は様々な意味で制裁を受けかねないからね。要するに地球温暖化の主原因は化石燃料なんだということで解決しようとしているんだよ。
二つ目はシェールの実用化で世界準の原油や天然ガスはほぼ無尽蔵になったはずだが、脱炭素という無理筋をいきなり掲げてマイニングを抑制し、言ってみれば「暴落を抑え込んで価格を吊り上げてる」ようなものだろう。欧州はCO2排出権市場をどうしても大きなマーケットにしたい思惑がプンプン匂うから結局はカネ儲けかよ!みたいな話なんだよね。
そして三つ目は、OPECと国際石油メジャーの原油価格の吊り上げだ。とにかく原油産出国はことあるごとに欧州から苛めを受けてきた。根底には本来中東の原油は我々の物!みたいな昔の気位が残ってる。植民地支配によって文化を作り出してきた欧州の歴史を原油でも繰り返すはずだった。それが近代の独立機運で利権が飛んでしまったので、強大な富と権力を手にするはずだった(十分手にしてるけど)国際石油メジャーは「とにかく価格を吊り上げること」が目的になっている。
そうした流れの延長線上としての中東戦争が在ったり、イスラム内部の対立を仕掛けてきたわけだが、またぞろ今回もUAEへのイエメン、イランがバックアップしたイスラムフーシ派が首都アブダビへのドローン攻撃をさしたる理由もなく仕掛けることで、原油価格をもう一段も二段も吊り上げようという作戦(だと思う)。実は産油国や石油メジャーが、バイデンを抱き込んでシェールマイニングを食い止めた化石燃料反対派の活動家達への資金源ともい言われているけれど、今後30年間(脱炭素が完成する2050年まで)価格を吊り上げまくって行こうというほとんど陰謀だよね。
そんなことでWTI原油価格は鰻登り。設備も老朽化し、新たな油床開発も進まなければ、どの道上昇せざるを得ないと思うけれど、そんなのでは気が収まらないし、満足しないのだろうけどね。
というわけである程度の上下動を繰り返しながら、原油価格はジワジワと上昇してゆくのだが、如何せん相場を作っているのが投機的な資金のはずなので、米国での利上げやQT等々、今後の金融政策の展開を考えると、3月利上げが接近するにしたがって、または今年7月と目されているQT開始以前のどこかで暴落が起きるかも、と思って観ているよ。
いま、コンセンサスとなりつつある原油$100到達は、今のペースでは時間切れ未達となる可能性が高いような気がするので、これから投機筋の最後の聖戦が始まるような気がするんだ。
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