売り坊はリーマンショック級が既に始まってると気付いてる

売り坊はリーマンショック級が既に始まってると気付いてる

日々世界の株式市場は、中国関連を中心とした各論的なネガティブ材料に大いに反応していて、買い方は相当に傷んでいると思います。

株式市場の評論家やアナリストは、株価が上昇する前提でコメントしますから、狙いはリバウンドということになってしまうんですね。事実、米中貿易戦争でクリスマス暴落を経験した後に年初から株価が上昇してきたわけで、それを「当然のこと」と考えるわけです。

しかしこの場面、大局を観る必要があるのでは?

絶好調と言われる米国経済ですが、米国ダウは今年新値を獲れていません。また、ここにきて米国債(長期物)が激しく買われています。この事実2点だけ考えても、リーマンショック以降の金融緩和相場は終了を宣言する一歩手前にあることが分かります。

こうした匂いを「売り坊」は見逃しません。空売り主体の投資家であれば「のんきに買い持ちしている場合ではない」と感じているはずです。

私も株式投資では空売り比率が圧倒的に高い「売り坊」ですから、そう考える理由をまとめておきます。

中国経済は既に崩壊している

ここ数年間、2015年夏のチャイナショック以来、中国経済危機説は途切れることがありません。崩壊すると常に指摘されながらここまで来たわけです。依然として(日本と比較して)高い成長率の中国経済、ということですが、すでにそれを信じているのは親中の日本企業の経営者だけです。

2015年のチャイナショックから今まで持ったのではなく、持たせたわけですね。その理由は膨大な中国に対する米系投資資金を回避させなければならなかったからです。

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実際その回避行動は、2018年夏までに終了しています。だからこそ、2018年7月から米国は中国に対し輸入関税をかけ始め、2018年10月初めのペンス副大統領の「対中政策演説」に至ったわけです。

もちろん安倍首相は現在までの経緯や米国の方針をトランプ大統領から詳細に聞いていると思います。

中国の投資事情

中国経済のGDPは投資による固定資本形成が異常に高いのです。従って、不動産投資をやりさえすれば高成長率が維持できるという構造です。

しかし、中国の不動産投資は異常の域を越えていて数十億人分(人口の数倍?)のマンション建設が行われてしまった反面、維持管理コストや償却を計上しないために、もはや不動産としての価値さえないと考えるべきです。

もちろん、買い手がいるはずもなくブルームバーグでは5000万戸が空き家と報道しました。しかし、そのレベルではないことは明らかですね。

そのほか鉄道事業の債務は天文学的と言われ、インフラも修繕しないために劣化が激しいと言われています。

中国の輸出事情

米国の輸入関税によって中国の輸出は激減しています。今年に入り中国は鉄鋼やセメントといった建設資材の国営企業に大量の資金を投入して常識以前の過剰生産を行いました。

その積み上がった在庫を計上しGDPをドレッシングしましたが、米中貿易対立が妥結出来なかったことで、自らの首を絞める結果となりました。

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その結果韓国に対し、大量に輸出して消化しようとしていますが、疲弊した韓国経済はさらに外貨を奪われ崩壊寸前になっています。

つまり、中国は輸出によってドルを稼がねばならない状況にありながら、米国の関税引き上げによって厳しい状況に追い込まれた末に、輸入を制限するという暴挙に出ています。しかし、この政策がまたしても自らの首を絞める結果になりました。

中国の消費事情

米中対立によって輸入を制限せざるを得なくなったわけですが、それとは別に物価上昇に拍車をかける要因が中国国内に存在します。それがアフリカ豚コレラです。

これは家畜用豚やイノシシに蔓延する伝染病で、人間には感染することはないとされていますが、豚やイノシシでは感染力が強く致死率が異常に高いため、現在中国国内で猛威をふるいつつあります。

中国には5億頭~7億頭の養豚を行っていますが、現時点(5月末)で100万頭の処分が行われ(中国当局の発表)、さらに今後2億頭~3億頭の処分が必要になると言われています。

その結果、中国国民が最も食する豚肉価格はウナギ登りで、世界的にもひっ迫(高騰)する可能性が指摘されています。

つまり、中国国内消費は、完全にスタグフレーションに陥っているわけです。

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誰にも分からない中国国家債務

中国の最も信頼できる中央の推計債務はGDPの3倍~5倍と言われています。つまり、1440兆円(2018年)の3倍ならば4320兆円、5倍ならば7200兆円となるわけですが、これは地方省の債務を含みません。

ですから、結論は誰にも中国の債務は分からないのです。

しかし現在の中国当局の発表によれば外貨準備(ドル準備)は約3.1兆ドルですから、すでに人民元は信用の裏付けを失っていると言えます。この状況でインフレになると、経済は一気に崩壊しますが、まさに中国経済はその崖っ淵に立っているわけです。

このような状況にもかかわらず、日本企業は次々に中国投資を行っているわけです。

中国に投資した日本企業への長期投資は危険

日本の輸出先国でみると中国は約28%と第一位で、約26%の米国を凌いでいます。日本の主力企業は中国を輸出の主戦場にしているわけで、仮に中国発のリーマンショック級(の不況)となれば、またしても世界で最も日本経済が打撃を受けるわけです。

たとえばトヨタ自動車は本格的にEV参戦を発表しましたが、その主戦場は中国。すでに中国工場拡張の投資を発表済みです。世界のEV販売の大半が中国に集中しているのが理由ですが、これは中国当局が「ガソリンやディーゼル車の登録を極端に制限し、EVを推進している結果なのですね。

そのEVの購入者はほぼ政府関連や地方省といった公的機関であって、充電がまともにできない国でEV需要があるはずがないのです。

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このように日本の主力企業は経団連をはじめとして常に親中スタンスなのです。もしもそうした企業に対し、長期的な投資を行うとすれば、自殺行為に等しいと(個人的には)断言します。

消費税増税は狂気の沙汰

すでに米国の対中政策によって、中国経済は断末魔の様相を呈しています。最近、ビットコインが急騰していますが、これは中国の富裕層が中国当局の目を盗んで海外送金している結果です。ある意味ではマネーロンダリングであって、タックスヘイブンはチャイナマネーで溢れています。

つまり中国からのビットコインでの資産流出は違法行為ですから、そうしたリスクを犯してでも資金待避をするということで、これは最終局面に至っているということです。

にもかかわらず、日本では消費税増税なのですが、これは間違いなく狂気の沙汰です。

しかし、安倍首相は消費税増税はやりません。それよりも引きのばして米中対立の状況をトランプ大統領に確認しながら、増税中止または減税までも視野に入れていると思います(あくまでも個人的意見ですが)。

もし、増税をこのまま断行したら、安倍首相は日本の歴代首相のなかで最悪の汚名を着ることになる可能性が濃厚だからです。

リーマンショックは既に始まっている

米国は本気で中国を叩いているわけです。そしてそれは米国の国家戦略であり世論なのです。新冷戦と言う表現が使われ出しましたが、経済的な影響は計り知れないものがあります。

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なぜならリーマンショック後の世界経済を牽引したのは紛れもない中国経済だからです。その世界経済の主役が現実には既に崩壊しているとなると、ただで済むはずがありません。

ここからは、株式投資を長期が考えるのは非常に危険な局面です。中期ロングでさえ、何が起こるかわからない金融相場では避けるべきで、このリスクは個人投資家は全力で回避すべきと考えています。

しかしボラティリティが高まるために、短期投資では絶好のチャンス到来であり、特に空売り主体の投資家にとっては千載一遇の好機ではないかと思います。

準備はまだ間に合う

空売りをしない個人投資家が圧倒的に多いという事実がありますが、売れないのであれば買いを控えるしかありません。既に買いで満足に勝てる局面は終了したと思うからです。

膨大な資金が余っている金融相場ですが、資金が余ってるから買われる、と考えるべきではなく、守りに入る局面でハイリスクな株式に資金は流れないと思います。

しかし、今回の金融相場がひとたび逆回転を始めると、リーマンショック級では済まないのは明らか。個人投資家にとってはこうした相場は一生に一度のチャンスなのかもしれませんね。

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で備えてみるのも大いにアリと思います。

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