悲壮感漂うゼレンスキーメッセージ

悲壮感漂うゼレンスキーメッセージ

「今朝、我々はひとりで国を守っている状況だ。昨日と同様、世界で最も強力な国は遠くから傍観している」

「ロシアは昨日制裁を科されたが、これだけでは外国の兵士を我々の土地から追い出すのに十分ではない。それは団結と決意によってのみ達成できる」

「(国民の抵抗に関して)真の英雄的行為を示している」

「敵はほとんど方角で止められている。戦いは続いている。我々が疲れることはない」

「午前4時の時点で、ロシア軍はウクライナ領土へのミサイル攻撃を続けていた。ロシア軍は軍事施設を目標にしているだけだと言うが、これはうそだ。実際には活動する場所を区別していない」

「今朝はキエフ上空で爆撃があった。集合住宅で火災が起きた。我々の首都へのこのような攻撃は1941年以来になる」

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25日に投降されたゼレンスキー大統領の動画メッセージからの抜粋(CNN版)。24日には大統領は予備役を含む軍の総動員令を発令して徹底抗戦を呼びかけている。この命令によってウクライナの18歳から60歳までの男子は出国が禁止された。キエフでは1800丁の銃が予備役に支給され、市街戦に備えている。

こうした事態に直面した国のトップは、国内にとどまって国民に戦意を鼓舞するか、とっとと私有財産を持ち出して国外に逃げるか、のどちらかの選択肢に直面する。もちろん、たとえ悲劇的な結末になっても、前者の場合は国としての歴史を、アイデンティティを維持できると思うけど、後者はボロボロにされ解体される。

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国民にとってはどちらが幸せとはいい辛い。前者は危険に身をさらし、戦死してしまう可能性が高く、後者は地獄のような貧しい生活を強いられる可能性が高い。いずれにしても、本当に悲惨なのは国民そのものであるということは明白だろうし、たとえ兵士と言えど、(訓練を受けた)普通の人々なのだから、犠牲を問題にしないという論調にも賛同しかねる。

それから上図は、24日時点で実際にミサイル攻撃を受けたウクライナの都市を赤丸で示している。日本のしたり顔の評論家などは、東部ドネツク、ルガンスクを占有する目的、とか言っていたけれど、実際の攻撃はウクライナ全土に及んでいることが分かる。

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すでにミサイルが着弾しているのに、そんなコメントをしていた専門家って・・・。何の専門なんだよ!

これでウクライナ軍が抵抗すれば全面戦争に突入しかねない、と言うが、ゼレンスキー大統領のメッセージにもあるように、もはや全面戦争の様相を呈してる。いま、ウクライナ軍はどのような状態なのか分らないけれど、多分近々のうちに一斉攻勢をかける可能性が高い。

けれど、そうなったときには、この戦いは最も悲惨な状況になるだろうし、そうなったときどうもチェルノブイリが怪しいんだよ。

そんな中、英国のジョンソン首相はNATO加盟国に対し、ロシアをSWIFTから除外すべき、と促した。現在EUではそのことを検討しているというが、何よりも米国がYESと言わないと・・・。英国はロシアとの関係が悪いので強硬な態度に出る。英国はプーチン大統領とラブロフ外相の個人資産に対して凍結を行うとしたけれど、もしかして英領タックスヘイブンの資産を押さえるかな?

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いずれにしても今となっては最も腰が引けてるのは米国(バイデン大統領)とドイツ(ショルツ首相)だね。マクロンは2度までもプーチンにこけにされてるから怒り爆発だけど。フランスは原発全開でドイツに供給している電力を増やすだろうけど、それでもドイツはロシアの天然ガスがないとどうしようもない。スペインやイタリアも同じようなもの。せめて米国はバシバシ供給してやればいいのに、肝心のタンカーがない・・・あっても運べない・・・。

おまけに米国はロシア産アルミやロシア産原油を制裁対象にしないと。理由は「プーチン大統領ではなく米国の消費者に痛手となるため」だとか。何を寝言を言ってるんだ!と言いたい。ボーキサイトはロシアじゃなくてもいいし、原油はそれこそシェールを掘れ!って言うんだよ。結局米国政府は暖かすぎ!

ウクライナのことは所詮他人事でせっせと金儲けします!ということなんだよ。それが金融資本主義に溺れた米国の真の姿かもしれない。せめてSWIFT除外くらい賛同しろよ!って言いたいけどね。