大荒れの株式市場とか商品市況とか・・・
- 2022.03.09
- トレード雑感
いよいよロシアに対する様々な経済制裁の影響が、商品市場、ひいては株式市場を大きく揺さぶっている。昨日の最大のトピックはニッケル価格の暴騰で、なんと1日で90%高というとんでもない値動きとなったことで、この影響で世界の様々な生産に影響が出るという読みから、資源銘柄系の原油、鉄鋼、非鉄(銅、アルミ、レアメタル等)の銘柄が軒並み大陰線を喰らって下落した。
そして今夜は、バイデン大統領が間もなく(日本時間0時30分から)ロシア産原油の金融を米国単独で実施するという発表を行うということで、今度はWTI原油が$128.80の高値を更新してきた。その結果、順調に戻りを試す予定だった株式市場は機先を削がれた格好になった。
資源に関して言えば、上昇の原因はすべからく「空売りの踏み上げ」であると思う。昨日のニッケルなどは完全に踏み上げ相場になったわけだが、金、銀、銅、亜鉛、プラチナ、パラジウムなんかも同様に踏み上げ相場になる可能性は否定できないし、コーン、大豆、小麦といった穀物もとんでもない踏み上げを喰らうかもしれない。そして、最も危険な原油とて例外じゃないと思う。
こうした踏み上げは、先物相場だけと考えると大きな火傷をしかねない。いま、もっともヤバイのは先物のオプション取引、ETFのオプション取引で、今の相場はデリバティブ関連の取引が多くまったく複雑すぎて手に負えないからね。プロ、それも相当に熟練したディーラー辺りでないと、太刀打ちできるはずもないし、大抵は地雷を踏んで爆死するというパターンに嵌りがち。けど、まさか現物で勝負するというのは、個人投資家ではあり得ない話になるからねぇ・・・。
さて、そうしている間にも、WTI原油が$129を超えてきた。その原油だって、いや原油だからこそ、相当にショートが溜まってるはずで、オプション等デリバティブなら18日の米国MSQあたりまでには天井を付けるかもしれないけれど、今夜$130を超えてくるような流れいなってしまいそうで・・・。そうなったら株式市場も上がり目が無くなってくるしその流れで10日の2月CPIとなると、あまりに厳しい展開だよなぁ・・・・。
その上、ウクライナ情勢が大きく動こうものなら、日米株式市場って一体どうなってしまうのか、想像がつかないよ。歯を食いしばって昨日、全力売りのポジションを取らないとダメだったのか?なんて考えてた。でも、昨日のザラ場では、流石に売り坊の俺でもかなり腰が引けてたし・・・。
それに、後場のポジション(商社と船の売り)が、完全に見当違いの売り建てだったことにショックも受けている。商社が売られたのも、船株が売られたのも、バリュー云々ではないし、景気後退を織り込んだというものでもないし、資源からくる連想売りだった、ということに気づかなかったなぁ・・・。
毎日ザラ場を見ていると、もう7年もそんな生活をしているから、ある意味「勘」みたいなものが働くようになる。要するに売られそうな雰囲気をザラ場から感じ取る、と言ったら恰好は良いけれど、確固たるものではなくて、例えば銘柄間の値動きの違いとか、値嵩株の動きとか、時間外(昼)のCFDの動きとか、ニュースとか。いずれにしても1+1=2みたいな論理的なものじゃなくて、あくまで感覚の問題だと思うけど。
昨日は前場でメーカー系の銘柄で大きく獲れたあと、ザラ場とかチャートを見ながら、ここから下は難しいんじゃないか?っていう感覚になって、じゃ、売られるとすればバリュー系だ、という曖昧だけど、行動するには(俺にとっては)十分な理由だった。ウクライナの情勢は常に気にしているし、ザラ場中でも10回や20回はニュースをチェックしてるし、正直悪化する期待感もショートポジだからあるんだよね。
ちなみに金融が売られたのは米国の長短金利差の縮小から。なので今夜は10年物金利が上昇してるからこのまま行けば、明日はメガバンクとか生損保、リース等々買いが入るかもしれない。
いま、WTI原油は残念だけど$130には届かずに利食いが入ってしまった。ということは、原油の需給はあまり良くないのが分かるし、やはり買持は無謀だったかも。
というわけで、夜はゆっくりと寝なきゃいけないんだけど・・・多分寝たら負けると思う。俺の勝負のやり方の8割は・・・日米市場のプレーヤーがほぼ共通で海外勢ということを最大限利用するというものだからねぇ。おおっ!?米国市場がプラス圏へ。大幅高するとすれば、株式市場も「踏み上げ相場」になるしかないから。こうなったら一気に原油が$135とか・・・・まぁ、ないか。バイデンの会見で利食いされるようじゃ、だめだな。
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