此の先、暗澹たる思いに駆られる・・・
- 2022.03.23
- 放言
一体何を狂ったのか!?というくらい日経平均がぶっ飛んでます!とにかく買い方さんは連日面白いように含みが膨らんで、我が世の春、といった面持ちではないでしょうかねぇ・・・。いつか見た光景、あのガースー退任発表後の日経平均のように、この相場、もう下がらないんじゃないか?って思ってる投資家さんも多いはず。そのすべての根拠は、ロシアのウクライナ侵攻一服でもマンボー解除でも、米国金利高でもなくて、ただただ¥121をつっかけた円安だ。
唐突に訪れたこの円安。米国債金利が上昇し、日米金利差が拡大しまくっている状況や、原油・天然ガス等の資源や小麦・大豆・コーンの穀物、さらにはロシアの水産物と輸入品だらけの日本は当然、6カ月連続の貿易赤字に転落し、1月は史上2番目の▲2兆1910億円に沈み、なおかつ2月、3月、4月とさらなる赤字を計上しそうな勢いであるということで、円売り基調になったところに、黒田日銀総裁の「円安は日本経済にとってプラス」というバズーカ炸裂でスイッチ・オンとなってしまったことが原因なのは明らか!
しばらく大人しかった日銀総裁がここぞとばかりに調子づいて余計なことを口走ったせいで、日本経済の死期を早めたという事かもしれないよね。本当に退任間近とは言え、日銀として日本経済にどんな貢献をしたのか?って真剣に糾弾すべきじゃないの?と思う。確かに株価はそこそこ上げたけれど、実体経済が全く伴わなかったことで、「単純に米国市場に連動しただけじゃないの?」と言われても返す言葉がないだろうね。
通期決算前のこの時期、本来ならば(各企業の)円買い需要が出て当然なのだけど、この状況ではおいそれと円買いする必要もなくて、資産移動なしでそのまま連結しちゃった方が良いに決まってるし、エネ価格が高止まりしている状況から、今後も(日本の)ドル買い需要は旺盛だから、そうした状況を海外勢は見逃さずに傷口に塩を摺り込んでくるわけだよ。
その結果、日経平均は6連騰で¥2,060ブチ騰げて、なお今夜CFDで¥400以上騰げるとなると、なんと7連騰で¥2,500騰げという暴騰局面を、この権利取り前に作り出すことになった。
例えば、パウエル議長が「インフレは米国経済にとってプラス」と言い放ったら、一夜にして米国市場はぶっ壊れるだろうし、「利上げはしない」とハト丸出し発言を一言でもしてしまったら、米国市場は超バブルで一夜にして$2,000とか上昇した挙句壊れてしまう・・・。逆に、「インフレに見合った利上げとQTをする必要がある」と口走れば連日の▲$1,000が続き、これでも相場が壊れてしまう。なので、金融政策の責任者として絶対に「相場の肝の部分を弄るような発言」は口にできないわけだよ。ところが黒田総裁は笑顔でそういうことを言っちゃった。
少し相場を離れていた投資家のように、相場観が失われているとしか言いようがないし、見方を変えれば「ミスターZ(ロシア軍ではなく財務省)」そのものの発言と言える。利上げなんかして利払いを増やしてたまるか!みたいなね。今の日本経済は利上げしても全然問題なしだと思うけど。為替バランスをとる程度ならばね。それをしなければ「有事の円買いならず有事の円売り」でますます日本経済は沈むだけだろ!
というわけで、年明けもバンバン日本株売りをしていた海外勢は、この局面でも意外にバンバン買ってるということはないんじゃないか?と思う。もちろん夜間でCFDを弄り回して株高誘導をしていることは間違いないけれど、いまのこの局面で買ってくるほど楽観的ではないと思ってるよ。なので、今の日本市場の弱点である現物市場とCFDの関係を突かれてるだけだと思うし、そこで提灯が点いてしまって国内投資家が群がった結果の上昇であると思うよ。
あのガースー退任相場だって海外勢はほとんど買わずに、短期急上昇からの売り浴びせをした。今回のこの円安上昇もまず間違いなく海外勢はそれをしてくると思ってますよ。連中はタイミングを虎視眈々と狙ってると思うし、実は俺も同じような気持ちで日経の上昇を眺めてる。そういえばガースー暴騰も9月の権利取り前だったなぁ・・・。
それでも、意識しておかなくてはいけないのは、やはりウクライナ侵攻の初期段階で感じた通り、ロシアは中国と一蓮托生のような感じが漂い始めてるし、原油の売り先はインドと決めていた節もあり(インドは戦争の最中500万バレルの発注をした!)、それにサウジが一枚噛んでるという可能性が濃厚になってきた。
サウジとロシアはOPECプラスのNo.1、No.2の産油国で、中国とインドはNo.1、No.2の原油消費国。これって世界経済の勢力図を変える可能性が大いにあるというか、本気で狙ってきてるんじゃないか?と思うんだよ。プーチンがウクライナ侵攻で異常に強気な理由がここにある!と俺は見てるんだ。
だいたいサウジだって、いい加減「ふざけるな!」と言いたいはず。シェールをたっぷり持ってるバイデンと北海ブレントを持ってるボリス・ジョンソンが、増産しろって言ってくる。何を寝とぼけたことを言ってるんだ!もう騙されないよ!ってね。
この辺のことは後日、追及して書いてみようと思ってるけど、今回のロシアのウクライナ侵攻って今後の世界にとって特別な意味をもつような気がしてならないんだよ。もしかしたら、こうしてみている米国市場とか、コモディティの相場とか、金利云々とか、数年後には全く別の物を見てるんじゃないか?って気がするんだよね。
プーチンはウクライナでいろいろ試してるんだと思う。侵攻したらNATOや米国はどういう反応をするのか、核を使うと脅したらどうなるのか、化学兵器ならどうするのか、実際に戦争したらどういう行動に出るのか、全部見えちゃったしね。プーチンってただの狂人じゃないし、習近平も、サルマンも、モディも、バイデン、ボリス、マクロン、なんかよりも役者が一枚上のような気がする。
そう考えると、今回の日本のロシアに対する対応は非常に危ないと思う。岸田&外務省なんか信じるとろくなことない。最悪の取り合わせ!しかも自民党のボケ議員達もヤバイ。本当に、マジでとんでもなくヤバイ地雷を踏んでしまったんじゃないか!?という気がしてならない。
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