株式市場はもう死んでいる!?

株式市場はもう死んでいる!?

「北斗の拳」じゃないけれど、「米国株式市場はもう死んでいる」という感じかもしれない。週末の株価下落は本当に酷かったわけだか、多分、この下落はまだ始まったばかりと解釈するべきなのかも、と改めて感じ始めた。今の米国投資は、株も債券も、下手をするとドルでさえも手を出したら一生ものの後悔、となるかもしれない。

よく考えてみると、金利高でドルが買われる構図があるけれど、それって、円安・ドル高という為替という意味でそう感じるだけであって、これが米国内でドル資産を持ってる人にとっては、8.5%ものインフレ下ではドルの価値自体は急激に、それも驚くほどの速さで目減りしてるんだよね。単純に8.5%ものインフレが5年も続いたらドルの米国内での購買力はなんと半分(2分の1)になってしまう・・・。というか、FRBがこのとんでもない水準のインフレを何とかできないと、必然的にそうなってしまうわけだよ。

だからそうならないためには、理論上は金利そのものを8.5%にするしかない。でも現実の経済はそんな単純なものではないから、極端な変更は大きな副作用となって跳ね返る。例えばいまFRBが直ちに8.5%にすると宣言した瞬間に、多分世界経済が即死亡認定されることになる(苦笑)

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けれども、8.5%のインフレを何とか抑え込まない限り、5年後には同じものでも2倍出さないと買えなくなるわけで・・・・それははっきり言って「国内経済の崩壊」に近い状態になるってこと。だから、(そんな状況に)やっちまったわけだから、何とかしないとヤバイ。当然FRBだってこの期に及んではそう考えるよ。

FRBはこれから何年にもわたって、市場から資金を吸い上げ続けて、何とかしてドル価値の目減りを止めないといけない。金利を上げ続けて、QTをやり続けて、とにかく消費を冷やして、細った供給とバランスさせないといけないわけだよ。ソフトランディングを目指す、なんてことも言うかもしれないけれど、それじゃ効果がない、または足りないってことだからね。

でもそれって企業にとっては政策的に無理矢理利益を剝ぎ取られるわけだから・・・そりゃもう「米国株はもう死んでいる」ってことなんじゃないか?これから上下動しながら(株価は)下落してゆくだろう。それでも事故が起きなければまだいいけれど、これだけ膨れ上がった金融を引き締めたら・・・レバレッジがパンパンだから・・・事故だって絶対に起きる。超低金利下での5%、10%の利益なんて簡単に素っ飛ぶ。

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では日本市場はどうなの?ってことだが・・・・。日本の金融政策って米国とは真逆だから、良く分からなくていろいろな意見が出てくる。欧米が高インフレで金融引き締めに走らないといけないタイミングで、独自に金融緩和を続けます、マイナス金利もちょっとやってます、って事だから意味がよく分からなくなっちゃう。それでいて物価はジワジワと上昇する。「経済成長はほとんどしませんけど今年度中に日銀の目標であるCPI2.0に限りなく近づきます」と先日日銀は言っていたな。給与は上がらず物価は上がるから諸費は細る方向・・・。

こんな時、政治家や金融当局者がいつも使う手は「消費は活発です。金額は徐々に増えてますから・・・」という嘘。消費税と物価上昇で金額が僅かに増えてるだけなんだけど、内需企業もそんなこじ付けしちゃってね。みんな騙される。現実には可処分所得の目減りに歯止めがかからなくなってるのにね。

でも輸出企業は円安で好調!っていつも言われるけれど、それは現時点での話でしょ。米国、欧州が高インフレ対策で金融引き締めに走る、中国経済はメタメタ。これが今から数年間の相手国経済の状況ですから。日本の輸出企業にはタイムラグが出るので、受注は好調です、生産もなんとか頑張ります、でいまは通用するかもしれないけれど、相手国経済がだめなら、日本の輸出もだめ。受注なんてキャンセルされたらそれまでだしね。

日銀がいくら金融緩和を継続しても肝心の財政がプライマリーバランスを目指すとかいって渋ちんでは相殺されちゃう。だから結局は、輸出企業が陰った時点で即、死亡宣告だと思うしね。

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楽しいGW中で申し訳ないけれど、夕暮れ時のサンセットを眺める気分、という感じしますよ。世界中がサンセットでしょ。

なので、これから少なくても3年、長くなると10年というくらいの感じで、株式投資による資産形成は難しくなるなぁ・・・って思ってます。じゃ債券、それとも不動産?その辺もちょっと無理っぽい。アナリストはコモディティって一生懸命に言ってるけれど、ほんとかなぁ?って気がするし。

ただこれだけは確実に言えることかある。株式市場ってのは、いままで経験したことがある場合、投資家は急落でも暴落でも押し目と捉えて買ってくる。だからいま、盛んに言われていることは、NASDAQが1200pになったら絶好の買いチャンス、とか日経平均が¥24,000台になったら買い、というやつ。その根拠はいずれもテクニカルの反発ポイントという事だけ。

でも、今回の高インフレ・金融引き締め、というのは、インフレは40年ぶりではあるけれど、それを抑制するために空前の、想像できなかった金融緩和の状態を引き締めるというのは初めて。もっというと欧米が同時に強力な金融引き締めを行うというのも初めてですよ。そしてドルもユーロも基軸通貨であるという点。まったく想像も出来なかった初めて尽くしのインフレ退治だからね。

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つまり、やってみないとどうなるのか分からないということで、こうなると将来的な状況を見越して先回り買いをするのが株式投資なら、当然将来が少し見通せる状況にならない限り、買えないということじゃないかな。今回ばかりは、米国の投資銀行だっておいそれと買えないだろうし。だからないとは思うけれど、とりあえず最悪の事態を想定しておくことが必要で、買っても(売っても)すぐに逃げられるようにしておかないと、嵌る。そして今度ばかりは一度嵌ると我慢してればどうにかなる、みたいな従来のような考え方は通用しない可能性があるしね。

ハッキリ言って日本株がダメなのは、日本人が株を買いたがらないのは、バブルで嵌った人が、延々と嵌ったままだったというトラウマが生きてるから。株は買ったらアウト!という印象がもう脳裏に摺り込まれてるんだね。だから、莫大な個人金融資産は株式投資に向かわないんだよ。日本のバブル崩壊は、逆張りした投資家のほぼ全員が多くの財産を失いました。そしていまだに、日経平均はバブル高値に追いつけてませんよ。時価総額ははるかに超えてるけれど、その多くが海外資金と日銀によるものだしね。

だから買いの逆張りだけは厳禁と思ってるけどね。

俺のブログでは、いつも、問題なのは売り上げの拡大ではなくて、債務の伸びのほうだって書いてきた。俺みたいな素人が書いても説得力がないかもしれないけれど、今の金融資本主義というのは、債務の拡大のみが、信用創造に繋がって経済成長をもたらすんだよね。資金を3%の利回りで調達してそれを投資して5%の純利益を残す。それを回転させることが企業経営だから、経済成長とともに債務も比例的に増えるわけです。けれどもこの回転が、金利上昇とかQTで鈍るし場合によっては出来なくなる。でも、それもまた通常の経済の在り方には違いない。

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けれども、今回通常ではないのは・・・市場に供給された資金があまりに莫大であるということだよね。そしてその資金の価値が高インフレによって急激に失われてゆくという恐ろしい事態に直面していると思うからね。100万円の預金のある人にとってインフレで50万円の価値になってしまうのはショックだけれど、それほどのダメージというわけではない。けれど10兆円の資産を持った超大富豪が5兆円に減ってしまうとなると話は違ってくる。しかも10兆円の多くは投資に振り向けられてるだろうしね。そりゃ焦る。我々庶民は10兆円が5兆円になってもいいじゃないか!と思ったりもするけれど、超大富豪はそんなこと思わないから現在の地位を築けたわけだからね。

それが欧米同時に起こり得るってことだからね。

ならば、日本だけは金融緩和を継続しているわけだから、資金が集まってくるんじゃないの?っていうアナリストも少なからずいる。

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確かに日本株が独歩高になる要素は十分にあると思うけど、もしそうなったとしてドル円やユーロ円がとんでもなく円安方向に傾いたとき、日本経済が持つのかねぇ・・・。輸出企業だって売り先が縮小するわけで・・・。欧米がダメなら日本も道連れと考える方が良い気がする。唯一独歩高の可能性があるとすれば英国だけかな。資源持ち(北海油田)だし、ポンド安の恩恵は受けるだろうし。

それに特に際立ってるのが岸田総理の経済音痴、頓珍漢ぶりだからね。有効な経済対策というのは皆無で、雀の涙をバラまいて選挙に勝つことばかり考えてる、無能な政治家です。そんな日本に投資したくないと思うでしょう。

 

さてここからは、どういう投資行動をとるかは各自の想像力次第。最悪のシナリオを想定すると言っても各々考え方は違うでしょうし。とりあえず明日は相場が経つわけで、日経平均が¥25,000台もあり得るかも、と思ってますけどね。とにかく4日(5日)のFOMCを見て見ないと分からない部分が多すぎるけど、とりあえず明日は売り建ててみます。