原油価格に賭ける理由

原油価格に賭ける理由

年末までに$140と言うのがWTI原油価格に対するゴールドマン・サックスの予想なんだけどねぇ・・・。元来疑い深い俺は、先週のFOMCの日にINPEXを売り建ててワンナイト持ち越しをしてみた。結果的に日経平均は上げて戻ってきて上昇したものの、後場になってINPEXを売り建てたわけだが・・・。今日も下げたけれど関連銘柄は持ち越してる。

FOMC翌日の米国市場は改めて売り直しと言うことになって大幅下落。そのお陰でINPEXも利食いになったけれど・・・その晩にWTI原油価格は大きく値を崩したんだよね。勿論手仕舞いした後、この下落を指をくわえて見ていたわけで・・・悔しいのなんのって・・・。

いま、原油は売りしか考えられないんだよ、俺の中でではね。その理由はバイデン大統領のサウジ訪問だね。これはね、バイデン大統領にとっても民主党にとっても、運命を賭けた外交になる。如何せんこのインフレでは、11月の中間選挙は大敗北が見えてる。今回の選挙で上下院ともに過半数を共和党が奪還すれば、バイデン政権は即座にレームダックだし、次期大統領選挙で民主党候補が勝利する目もほぼ消滅してしまうから。

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だからね、何としても11月までにはインフレ鎮静化の道筋を建てなきゃいけない。だからこそ前回のFOMCでは、フォワードガイダンスを無視するという暴挙に出ても、0.750pの利上げを敢行したんだと思う。これは、米国の金融政策にとって極めて重大な出来事だったと思う。

FRBだって、フォワードガイダンスを覆すということはすなわちFRBに対する信認が、揺らぎかねないということを十分に分っててやったわけだから。多分0.750pの利上げでも、6月インフレに対して効果が出ることはまずないのも分かっててのこと。パウエル議長は「新型コロナもウクライナ戦争もFRBにはどうにもできなこと」と吐き捨てるように答えてたけど。

Saudi Arabia’s Crown Prince Mohammed bin Salman is welcomed by Japan’s Emperor Naruhito upon his arrival at the Togu Palace in Tokyo, Japan, July 2, 2019. REUTERS/Issei Kato/Pool
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一方バイデン政権はというと、これはもう必死でインフレ退治をやらないとマズイと。それにはとにかく原油価格を下げなきゃ、話にならないというので、今頃必死に外交チャネルを通じてサウジと喧々諤々の交渉をしてると思う。というか絶対にやっているだろ!

先日米国がイラン制裁について言及してるけれど、それに対しイラン側は核合意の再交渉がペンディングにされてると怒ってたけどね。これなんか、言ってみればサウジに忖度してるのが見え見えじゃない?サウジは何と言ってもイランが大嫌いで犬猿の仲と言ってもいいわけで、バイデン政権はイラン対応をサウジとの交渉の切り札の一つにしたいわけだよ。

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いま、サウジが喜ぶことは原油価格が高騰しているから支援とかマネーじゃなくて、とにかくウクライナのように軍事支援の強化と軍事顧問団の派遣だよね。何と言ってもサウジ軍と言うのは弱いので有名で、まともにやったら一週間くらいでイランの革命防衛軍にやられちゃうと言われるほどだから。

実際サウジはOPECの盟主だけど、イランとの関係がこれ以上拗れるとヤバイというのを恐れてる。なので恐らく米国は、水面下でそのあたりの条件を提示して原油増産を迫るはず。サウジと米国はトランプ大統領時代にかなり険悪になっていて、軍事支援からかなり手を引いてしまった経緯があるからね。

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そういう意味では、原油価格を下げることが出来るか否かは、バイデン政権にとっては死活問題となってるわけで・・・。もちろん交渉がこじれてしまったら原油価格は$200だってあるだろう。サウジにはとんでもない利益がもたらされているから、WTIくらい動かせる。けれども、そんなことをしたら分かってるよね?とブラフをかけてるだろう。

と言うわけで、原油価格は7月にはかなり下がると俺は読んでる。どの程度かと言うと、米国のインフレが明確に抑え込めると主張できる程度。う~ん、多分$80以下には出来ると思うけど。もしやれなかったらバイデン政権は烏合の衆ってことだけどね。