空売りして担がれてサハリンが来て・・・

空売りして担がれてサハリンが来て・・・

まさに「飛んで火にいる夏の虫」状態で日経CFDを何と¥400もやられて担がれまくったよ!本当に馬鹿だったというか、水・木・金とザラ場で売られてたことが凄い気になって、来週じゃないの?みたいな疑心暗鬼の最中で売り玉を建ててたわけだが・・・昨夜見事に踏みつけられることになってしまった!

ダウが△1.05%。S&Pが△1.06%、そしてNASDAQが△0.90%にもかかわらず日経CFDは差し引き△1.56%となったのは、これはもう完全に狙い撃ちされたということ。誰を?ってもちろんバカ売りしてた海外短期筋の連中のポジションだよね。

でもね、この29日、30日、1日の3日間の強烈な空売りは、いつもと大分事情が異なってるような気がするんだよね。はっきり言って、29日、30日とこの辺は言われていた3月配当分の再投資が行われた日。もっとも地合いが悪くて先に延ばしたとも考えられなくはないけれど、アクティブファンドじゃなければ、投資されたとは思うんだよね。

と言うことは明らかに買い需要があったにも関わらず、わざわざその時期を狙って仕掛けてきてるってことになる。勿論材料としては30日の(米)5月PCEだったのだろうけれど、それにしても29日なんか空売り比率が53%って今期最高の売り勝負を仕掛けてるにも関わらず日経平均は▲¥244だったからねぇ・・・。テクニカルでは当然上をみてたタイミングで出鼻は挫いてみたけれど・・・的な効果しかなかったみたい。そして30日は多少怯んでるんだが▲¥411とPCE当日勝負を賭けてきてる。そして、昨日(1日)だよ。こうなれば、一気に崩して8日のSQとETF分配金売りまで持って行こうという腹積もりだった?

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ところが昨晩の通り、米国市場にショートカバーが出ちゃってこれはヤバイ!というんで慌てて先物やCFDを買い戻したんだろうね。粟食って買い戻したから、米国市場以上にオーバーシュートしちゃってね。なんだか滑稽な投資行動と言うしかないねぇ・・・。滑稽と言えば、俺自身もかなり滑稽なポジションを建ててしまって。でもね、これだけ米国債10年物金利が下げちゃって2.873pで2年物金利が2.839pと終始逆イールド寸前での動きだった。

しかし、これだけ下げたら株も買い戻さざるを得ないよねぇ・・・。普通の状況ならば三市場ともに3%くらい上昇しちゃうような条件になってるわけだけど、それが1%の戻しってことだから、流石にまだ「買われていない」ということかもしれないね。本来米国の独立記念日前の地合いは良好なはずなのに、今年ばかりはアノマリーも通用しないかも。

で、特出すべきは、ドル円だよ。これだけ米国金利が下げても¥135.238までしか下がらない!株のポジションもだけど、それ以上にこの為替のポジションは頑強というか、勝負かけてきてるんだな、というのがヒシヒシと伝わってくる。その理由も分かるけどねぇ・・・。

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「その理由」とは・・・言うまでもなくサハリン2の強制接収(みたいなもの)だね。これはもう完全に油断してたというか寝耳に水の出来事というか、参画してるのはロシア側とシェル、三井物産、三菱商事だけどね、シェルはそもそも撤退を表明していて権益を中国に売却すると言われてる。そんな中にあって、岸田政権も経産省も異口同音に撤退はしません!と言い続けてた。でも欧米に配慮して経済制裁は遣ります!という何とも玉虫色の優柔不断な態度を取り続けてた。でも、ウクライナ侵攻が開始されてすでに4ヵ月以上、今回のリスクを意識してるなら、他国からの買い入れを模索くらいはしていただろうけど、結果的には「無策」だったということだよね。

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そう、無策なんだよ。それでいて調子こいてG7に出席してプーチンをからかう輪の中にいたり、それ以上にNATOの会議にまで出席しちゃったことで、プーチンは切れたという感じ。岸田ははっきり言ってはしゃぎ過ぎなのよ。安倍政権時代に外務大臣やってたけれど、ほとんど安倍自身が表舞台に立ってたので、出番がなかった。その鬱憤が溜まってて、たとえば新興国に対する大型のインフレ支援とか、日本がこれほどピンチに立ってるのに、外にばかりカネをばらまくんだよ。そのくせ防衛予算は満足に増額も出来ない。ちょっと何考えてるか分からん危ない人物だよ。

ところがそういう首相を国民は支持してる・・・。ちょっとダメだね、日本は。

と、話を戻すけれど、このままではサハリン2の天然ガスは国内経済に大きな影響をあたえるかも!なぜならば、日本はサハリン1、2含めてLNGの総輸入量の8.5%を依存してる。そして日本の発電だけを考えると現時点で約40%がLNG発電になる。ということは総発電に対して3.0%程度の電力が失われてしまうということ。この数字を見る限り、大したことはないと感じるかもしれないけれど、天然ガス火力発電によって供給されている地域間の格差があって、3.0%を吸収するのは並大抵ではないということだよね。それに都市ガスの原料でもあるので、値上げ圧力は結構かかってくることになる。

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7月1日から全国規模の節電要請が始まって、9月末まで続くらしいけど、ここ数日続く猛暑でも現行の供給体制であるならば、それほどひっ迫感は出ていない。実際ピーク時が90%ならば十分だ。けれども来週あたりは95%という予報も出ているから、そういう意味では電力需要の弾力性を吸収するには確かにギリギリなのだろうと思う。なので今の日本にとって3.0%というのはかなり痛いと言うことになるんだろうね。

と言うことは、夏は乗り切れたとしてもこのままでは、今年の冬は相当に厳しいことになるし、恐らく来年の夏以降もアウトの可能性が高いんだよね。それでもおいそれと石炭火力や石油火力を増やすわけにも行かないし、電力不足は欧州の問題だけではなくて、気が付くと一番揺らいでいるのは日本かもしれないということだろうし、エネ問題が日本経済の足を引っ張るのは目に見えている。

そう考えると、やはり日本経済の足を引っ張っているのは常に「お上」なんだと思えてくる。

いま、東京電力の株価が鰻登りになってるけれど、あの相場は完全に「柏崎苅羽原発の再稼働」を意識してる。とにかくあれを再稼働させないとこの冬場は乗り切れないということを、投資家は見抜いてるのかも。完全に催促相場だな。

そう考えると、返ってサハリン2に頼らない方がエネ政策としては正解なのかもしれない。

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余談だけど、中国がロシア産の原油を爆買いしているのは分るし、インドなんかは原油を爆買いして自国で精製して欧州に輸出なんかしてたりするしね。けどもっとびっくりするのがサウジがロシア産原油を爆買いしているという事実も出てきたりね。

ということはつまり、OPEC+って本当に原油の増産能力がないのかも、と思う。UAEとかは日量400万バレルくらいあると言われてるけれど、このままでは何年も持たない可能性がある。そう、生産設備の維持が出来ないことが要因らしいからね。欧米がいくらロシア産原油の禁輸をしたところで、他地域からの供給量が増えないのなら原油価格は下がり様がない。いま原油もスポット買いしたいなら$130~$150でも難しいらしいしね。

ちょっと世界のエネルギー地図を徹底的に見直さないと、日本はますます窮地になる。何せ世界最大の原油と天然ガスの輸入国(今は中国かもしれないけど)だからね。

また余談だけど、エネ問題が解決しないと、EVもダメ、半導体も怪しいってことになる。しかもこのまま行けば、電力需要は世界的にとんでもない増加が見込まれてるし・・・。日本とドイツはエネ問題で潰されるかもね。