中国懸念増大!?:7月11日(月)後場

中国懸念増大!?:7月11日(月)後場

日経平均株価 ¥26,812(△¥295)

中国懸念増大!上海ロックダウンや恒大の本土債デフォルトを警戒!?

後場の相場概況

今日の日経平均の上昇を昨日の参議院選挙での自民党勝利に対するご祝儀、政策期待、安定政権期待、とポジティブな記事が多い中、現在の岸田政権に対してこれを党内で支持するのか?というと、最大派閥の安倍派や麻生派は、不満を感じているだろうし、特に最大派閥から入閣ゼロという状況は、安倍氏がいたからこそ納得した組閣だった。安倍氏が凶弾に倒れた今、このまま3年間の安定政権となる可能性は、かなり低いだろうと思う。

岸田政権は、発足以来コロコロと政策を変え、気が付くと「ほぼアベノミクス」と言える政策を打ち出していた。しかし、どれもが選挙対策の色合いが濃く、結局は財政均衡を目指す、財務省主導の財政政策になるのが落ちで、8月が終われば概算要求となり、それまでに口にした経済政策を纏められる可能性は極めて低い。

そんな状況が目に見えている中で、これから本番を迎える景気後退に対処できるとは思えないし、結局は日銀の金融緩和政策頼みと言うことになるだろう。現在の岸田首相のスタンスは円安容認だが、海外勢は選挙の翌日から大きな圧力を掛けてきた。急激な円安に対して、財務省は為替介入だけは回避したいだろうから、まずは今週辺りから口先介入を始めて、日銀に圧力を掛けると見る。仮に考えもナシに、そうした方向に岸田政権と財務省が向かうとするならば、それは海外勢の思う壺と言うことになる。

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そして何らかの動きが出るとみるや、一気に円高方向となって株式市場は急落の憂き目にあう可能性が高い。そうしたドタバタを何回か繰り返すと、いよいよ日銀も耐えきれなくなるのでは?安倍氏の死去が、ドル円や国債金利を揺さぶり始めたと言うことかもしれない。

さて、そんなかなり脆弱な地合いの中で、今週は天王山と言える米国6月CPIの発表があるけれど、気が付くと新型コロナ亜種が欧州で感染拡大の気配となって、弱り切った経済をさらに揺さぶり始めた。アジアでは特に台湾が抑えきれずに急拡大したわけだが、日本も選挙後の感染拡大が危惧されている。そして中国では上海のロックダウン懸念が台頭し、恒大の本土債デフォルトによって、不動産バブルの完全崩壊がいよいよカウントダウンとなった模様。

世界は、インフレと闘いながらなおも状況は日に日に悪化している。

後場の取引とポジション

1570 日経レバ 13,435(△¥200)
空売平均)¥13,561×4680(含み益¥589,000
後場になって日経平均¥27,000に届くこともなく、欧米市場のCFDがマイナスする中、上値が非常に重くなったように感じた。そこで売り玉を追加して急激な円安地合いではあるけれど、株価が特段反応していないということも含めて、売り玉を追加で建てて勝負することにした。今夜の米国次第では水曜のCPI前に株価が下落し始めると、CPIが悪化していた場合、さらなる下値伺いもあり得ると見るけれどね。

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9983 ファストリ ¥68,900(△¥640)
空売)¥70,500×400(含み益¥640,000
空売)¥70,450×400(含み益¥620,000
空売)¥70,440×200(含み益¥308,000
空売)¥70,400×200(含み益¥300,000
後場、ポジションを解くこともなく我慢した背景は、ファストリが上値を追う動きを全くしなかったことに加え、結構な売り物が散発的に出ていたのを見ていたから。また、ファストリが売られるというのは中国懸念が大きいわけで・・・。方向感が掴めずに迷ってばかりの一日になったけど、中国関連の記事がでて相場を煽ることを祈るのみだ。


6758 ソニーG ¥11,380(△¥235)
空売)¥11,500×4000(含み益¥480,000
プレステ5の増産見込みを発表してしっかりとした戻りとなっているソニーだけど、必ずしもソニーにとっては十分とは言えない材料だと思うし、やはりインフレの影響を受けやすい点を考えると、ゲーム機でさえ、想定通りの順調な販売が出来るとも思えない部分があるよ。日本にいると実感できないけれど、海外の状況は相当に厳しくなっているからねぇ・・・。

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8035 東京エレクトロン ¥42,950(▲¥600)
空売)¥42,860×200(含み損¥18,000
空売)¥42,800×600(含み損¥90,000
空売)¥42,700×200(含み損¥50,000
空売)¥42,680×200(含み損¥54,000
空売)¥42,660×200(含み損¥58,000

6857 アドバンテスト ¥7,260(▲¥20)
空売)¥7,370×1000(含み益¥110,000
空売)¥7,360×1000(含み益¥100,000
空売)¥7,350×2000(含み益¥180,000
空売)¥7,340×3000(含み益¥240,000

6920 レーザーテック ¥16,885(▲¥595)
空売)¥17,500×1000(含み益¥615,000
空売)¥17,480×1000(含み益¥595,000

1Q決算は恐らく半導体製造装置関連は最高益に近い数字を出してくるかもしれないと、休みの間にいろいろ見てて感じたけれどね。サムソンがサプライズ的な好業績だったから、追い風になったことは認めるけれど、それでも相場は好業績を織り込んでなおかつ、下期や来期以降を見ているわけで・・・。

その意味では決算では好意的な反応になるかもしれないけれど、それまでは買い辛いセクターであることに変わりはない。

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6367 ダイキン ¥22,095(△¥55)
空売)¥22,600×2000(含み益¥1,010,000
欧米中と不況の足音が聞こえる中になって、優良銘柄のダイキンと言えど影響を受けないわけもなく、海外比率の高さから売られるのは仕方のないところだろうね。


6594 日本電産 ¥9,112(△¥115)
空売)¥9,210×1000(含み益¥98,000
空売)¥9,205×1000(含み益¥93,000
空売)¥9,200×2000(含み益¥176,000
日本電産は事業の主力をEVに傾注させる戦略を取っている。それだけに、今後の業績は永守会長のパワーゲームだけではどうにもできない領域に突入せざるを得ないと見る。その意味ではまだまだ水準訂正的な動きはなかなか消えないだろうと思うけどね。


4755 楽天 ¥647(△¥10)
空売)¥657×16000(含み益¥160,000
空売)¥656×16000(含み益¥144,000
空売)¥655×8000(含み益¥64,000
空売)¥654×4000(含み益¥28,000
空売)¥652×4000(含み益¥20,000
空売)¥651×8000(含み益¥32,000
テクニカルでは底打ち完了ごの戻り相場と言う感じになっている楽天。子会社の上場申請もあって、財務的に一息付けるという投資家の見方が優勢になっているのかも。そんな楽天だからこそ、トップのスキャンダルには恐らく敏感に反応するのでは?と思う。ガーシーは今となっては参議院議員なのでね。侮れないと思うけどね。

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本日の収支(前場・後場合算):-¥400,000


雑感彼是

今回またしても米国債金利で10年物と2年物の逆イールドが発生している。そして10年物国債金利は今後のインフレ期待が低下していることで、上昇の幅は狭く、逆に2年物国債金利は、目先のFRBの利上げを織り込んで急騰していると言った状況で、こうなってくると今回の逆イールドはなかなか解消できないかもしれないという雰囲気が出てきてる。

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仮にこの状況続けば、収益の低下を意識した金融機関売りが出て当然であって、また急激に企業に対する融資が細り始めるはずで、逆イールドから1年ないし1年半の後にリセッションが来る、という公式が今回崩れる可能性が濃厚とみるけれどね。

なので、次に相場が崩れるときには、日米ともに金融機関が売られる可能性が高いと見てるんだが・・・。

蛇足ながら今、日本はある意味金融危機の最中にあるとも言える状況。その意味は、新型コロナで中小企業に融資されたゼロ金利資金の総額は約45兆円あまりという膨大なもの。ゼロ金利とは言え、融資は融資なので、この秋あたりから本格化する返済開始に向けて、いまはグチャグチャになっている状況らしい。

それもそのはず、ただでさえ与信の極小な中小企業に対し、思い切り貸し付けたわけで、金融機関は正直貸しはがさなければ、やたらと引当金を積み増すことになるだけでなく、回転資金の融資も出来なくなってくる。

日本の中小企業の社長さんは、一見羽振りがよく高級車に乗って派手な遊びもしているけれど、その資金は政府の制度融資なんだってことだよね。こうしたゾンビ的な企業の延命を図る政策や、それを温存する産業構造も、日本の経済成長を著しく妨げているのも事実。

今回の景気後退では、もはやその構造を温存できるとも思えないけれどね。