迷いが出始めた米国市場・・・明日はドル円にも警戒必要
- 2022.08.05
- トレード雑感
今夜の米国市場を見ていて感じること、それは投資家に大分迷いが見えてきてるな、ということ。短期的には今週末に雇用統計があって、今回は相当に注目されているから警戒感もあるとは思うけど、それよりもここまでFRBの金融政策に対する楽観から戻り相場を形成してきたけれど、今の買いポジションの迷いみたいなものが見える気がする。
本当にFRBが言うように実質的な景気後退なしにインフレを抑え込むことが出来るのか?という懸念だよね。それが、12%とか良く戻った米国市場でちょうど節目的な位置にあるということもあって、迷い始めたということだね。
個人的には今夜もまた売りポジを建てて臨んでいるのだけれど、いま売り姿勢を変えない理由はやはり、株式市場は様々な意味で戻りいっぱいの局面だと思うから。米国市場は日本市場と条件が異なるわけで、同じようには考えられないけれど、欧米の景気というのは日本の輸出企業の業績に直結するので、(米国市場の動きを)やはり見ないわけには行かないよ。
で、どういう事かと言えば、日本市場は7月相場の途中から完全にドル円だけを意識した相場展開になったよね。円安にどんどん進むので、ドル建て日経平均は米国市場の戻り相場の中で、「海外投資家から見れば追従しない独歩安相場」だった。けれども、ここにきて急激に円安に巻き戻る動きが出てきて、日経平均は¥28,000は通過点のような意識になるかな?と思いきや、いまだに超えられない。
その理由もまたドル円だと思うんだよね。
いま、1Q決算が本格化してるけれど、これが意外に円安の恩恵で好決算が出てるという実体が分かってきてしまった。今まで日本株をほとんど買ってこなかった海外勢が、円安に傾いても積極的になれないのはそのせいかも。これね、もしも今回の1Q決算が¥115/ドルならどうだったか?と考えると、まともに利益計上出来てるのは半導体と船しかなくなってしまうという実体だよね。
そういう意味で自動車の決算は、本当に景気実態をしっかり反映してるかな、と思える芳しくない内容だった。例えば今日決算発表したトヨタだけど、通期では巻き戻すとしたものの1Qの営業利益は▲42%だった。為替差益が1800億円計上計上できたにもかかわらず純利益も約▲18%になってる。これって相当に苦戦してると言ってもいいわけだけど、これから世界経済は本格的な不況になる可能性が高いことを考えると、よく▲3%くらいの株価の下落で済んだな、と思うよ。
それとは対照的だったのが、SUBARUで一昨日の決算で▲8%となったものの今日はなんと全値戻してさらに上昇という、意味不明の動きになった。業績はコンセンサスよりはるかに下で、通期も悪いまま。なのにこういう株価の動きになったのは、野村が根拠の全くないレーティングと目標株価を引き上げたせい!?正直適当なレーティングをやってると思うよ。確かにSUBARUは主戦場の北米で人気はあるけれど、自動車販売そのものが今後楽観できるような状況にないと考えると、円安だけを狙った野村のやり口は、完全に特殊な理由があるとしか思えない。
そんな状況の中で、日経平均が\28,000を超えてそこそこ上昇するワンチャンスはエレクが相当に好決算を出して半導体セクター全体を引き上げたら、そして日経平均EPSは¥2,200超えてくればその目が出てくるかなと思うけど。
う~ん、でもね、今の日本市場はほら、ファストリやエレク、等々寄与度の高い銘柄で吊り上げてる相場だってことを忘れてはいけないよね。昨日TOPIXは±0だからね。
おおっ!?米国市場はゾンビのように?でも今夜は揉み合いからは抜けてこないと思うけど。
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