昨夜、原油市場の攻防戦を見た!
- 2022.09.10
- トレード雑感
俺が「買う気になれない相場」と書くと、株価は本当に良く騰がるんだよね(苦笑)なので、俺のブログと逆をやればメチャ儲かるかもしれないね。特に買い方さんは、カブタローが書いてる!ってことで買い向かうといいのかも。
なんて自戒を込めての出だしになったわけだけど、昨夜の俺は株式相場も見ながらだけど、何と言っても面白かったのが、WTI原油相場だったので、その辺について書いてみようと思った次第。とにかく昨日は日欧米株式市場、そしてコモディティ市場にとってはまさに天王山だった。その意味は、来週13日に発表される8月CPIが、予想(8.1)よりも低く出て7%台になるんじゃないか?という期待で爆上げしてるということ。相変わらずインフレ数値をもとにした金融ゲームに踊ってるのがマーケットということなんだろう。
もちろんその動きに便乗してWTI原油も上昇した。それがまるで絵に描いたような1分足になったので、なるほど、という感じで見てたんだよね。
見どころは2か所あった。まず最初の小さな楕円のポイントは直近の上値抵抗線である$84.30をぶち抜く攻防。この時点で他のコモディティや株価を見ながら、あっさりとぶち抜くだろうと思ってたけど、まさに何の抵抗もなかったわけで、これで目先の底値は9月8日の$81.30が結構濃厚になったかもしれない、と思わせるのに十分。
そして次は2番目の楕円、$85.00から$86.20までの強烈な買い上がりがあって、一旦は売り物に押されるものの、下値を切り上げての絵に描いたような三角持ち合いを作って、これを一気にブレイク。いや~この攻防は見どころがあった。そして目標はもちろん、9月7日の$87.70ブレイクだったのだろうけど、これは月曜に持ち越しになった感じ。3時頃(日本時間)再度トライしたけれど、売り圧力に押されたという感じで、あとは引けまで流したということ。こうやって流しても売り物が出ないわけで、昨夜のセンチメントは上目線続行ということかも。(矢印は日本市場大引け後から引けまでを表します)
お陰でINPEXを売り持ちした身としては負けが決定したんだけどね。まぁ、どうするかはまだ決めてはいないけど。
他のコモディティも総じて同じような上昇になったけれど、昨夜はFRB関係者が0.750Pの利上げを匂わす中、マーケットが買い一色だった。ということはつまり、相変わらずマーケットは「インフレのソフトランディング」を追いかけてるということ。来週13日のCPIはどなるのか分からないはずなのに、株式市場はもうとっくに反転して見せて、大きな買いポジションを作ってわけで、普通に考えればそんな勝負は無謀過ぎて出来るはずがないんだけど、それが出来ちゃうのがウォール街の大口ってこと。
株価が下げ過ぎたから反動で戻してるとか、割安感が出たとか、企業のファンダメンタルズは悪くないとか、日本株は円安が支えてるとか、もう理由は何でもあり。けれども途方もない大きな資金がそんなことで動くのか?っていうと、「そんなわけないじゃん!」ってことなんだろうと思うんだよね。
まぁまぁ、信頼できる情報を掴んでそれが確信に至ったからこそ、ポジションを振り向ける。はっきり当局のCPI集計が漏れてるとは言えないけれど、強欲なウォール街のことだから、俺は否定しないよ。今年今まで重要な経済指標が毎月発表されてるけど、「どうして発表前にこれだけのポジションが建てられるのか?」って毎回思わされた。彼らは発表前でも安心してポジションを建てて、その晩はゆっくりと眠れるんだよ。
ファンドマネージャなんて格好がいいけれど、しかも高級で贅沢なマンハッタンでの暮らしをエンジョイできている身が、丁半博打に生活や人生を毎回賭けてるはずがないんだよ。そんなことしてたら、あっという間に胃に穴が開いちゃう・・・。
というわけでWTI原油も投機筋がもりもり復活してひと相場を目論んでる。相場をぶち上げようと思えば、原油の現実の需給なんか関係ないんだよね。はっきり言って原油は・・・今はとんでもない価格で取引されてるんだよ。その理由は空前のドル独歩高!WTIやブレントはドル建てなので、変化が分からないけれど、例えばドル円で考えると¥115あたりから¥145まで、何と短期間のうちに¥30(26%)も円安になった。これって自国通貨では26%増益なんだよね。それが円やユーロなら申し分なしなんだよ。昨夜の引け値で$86.20ならば26%~30%はヘッジできてるから・・・。
半年前なら実質$110前後での推移に相当だもの。
これはね、完全にCPIの相乗り相場なんじゃないか?需給は、多分相当に原油はだぶつき気味なんだと思うし、サウジなんかその辺をよく分かってると思うよ。大きな不確定要素は二つ。一つは米国のシェールが水面下で加速してること、そしてもう一つはイラン産原油がいつ出てくるかということ。今のところ米国はシェールをせっせと掘って欧州へ振り向けてるし、国内はもう相当に潤沢だろう。そしてさらにイラン産原油を、と考えたけど交渉がなかなか進まないのは、実際に需給が改善してるから。天然ガスは問題だけど、原油は実際にはたっぷりとある。
冬に向かって・・・と言われるけど、年間通じて需要は大きく変動しないしね。日米ともに戦略在庫の放出ももう埋めてるんじゃないかな。なので実際$86ってのは高すぎる。中国の需要が・・・なんて言ってるけど、ロシア産の輸入も減ってるし・・・。インドはせっせとロシア産を買って再輸出で差額取り。それで$86って笑っちゃうよ。やはり原油って$50くらいが適正なんじゃないのかなぁ。
そうなればインフレなんてあっさり5%くらいになるんじゃ?
-
前の記事
個人的に買う気になれない相場:9月9日(金)後場 2022.09.09
-
次の記事
CPI相場を見込む!?:9月12日(月)前場 2022.09.12