日本株は強い?日本株は辛い?
- 2022.09.16
- トレード雑感
今、「日本株は強い」というのが彼方此方で言われていて、もちろんそれは極端な円安が背景なのだとは思うけど、今夜はポジションがINPEXの売り建て以外にないし、米国市場も明日のSQは下値で決まりそうなので、全く予想が外れてしまい暇だと言うこともあって、ちょっと日本株について考えてみてるんだけど・・・。
でもいろいろ調べてると、「円安での為替差益が無視されてるような地合いなので、これから日本企業は業績相場になったら上昇する」と某評論家が言っていたのを、「本当かな?」と疑問に思ったこともあって、じゃ今の状況で日本市場で何が意外な結果をもたらすのか、いくつかのセクターを調べてみた。(纏まりなく自分の見立てを書くだけなので、ご容赦ください!)
まずこれから上昇しそうなのは、明らかに陸運・空運だと思うし、新型コロナ後の暴落から(この流行が)収まれば、業績は確実に回復するということでブームになったことが、なかなか収束せずにインバウンドも激減して「嫌気相場」になっていたけどね。業績も回復基調ではあるけれど期待通りに行かなくて相場が低迷してた。そこに政府が「入国制限を撤廃する方向で検討」というニュースで動意づいたということ。このセクターはまず鉄道は4連騰陽線というのが大半で、JR、私鉄、JAL、ANA等々まだまだ出遅れていてコロナ前水準は遠い。観光客が戻るのならば比例して上昇するんだろうね。
次に内需銘柄は、というか企業体質によって大きな差が出る食品、小売りとか見てるけど、例えば意外な盲点があるのが食品株。だってコモディティ価格はかなり急落してたけれど、物流とかその他のコストは上昇してて業績は厳しいと言われてる。けれどもウクライナ侵攻で急騰した価格も高値の7割くらいにまで下がってきてるし、その間バシバシと値上げを続けてた企業の中には、予想外の差益が出る場合もあると思う。化学系の味の素は半導体関連銘柄でもあるのでぶっ飛んでるし、大豆相場が落ち着いてきたキッコーマンなんかもいいかもね。後は中型株には面白い銘柄がワンサカあって、そういうのをリサーチしたら結構儲かるかもね。
でも小売はダメ。完全に安売り競争をやって業績を伸ばしてきたところが、円安で総倒れだから。あとは個人的にはデリバリーサービスとかもダメダメだろうと思うね。サービス業ならやはり人材関連だろう?日本にはそれしかないものな。これからますます人材不足が顕著になってくるから・・・。でもパソナあたりは要注意だけど。リクルートはいいけれど電通はヤバすぎる。そういう意味では楽天もヤバイ。
ならば商社は?というとこれが微妙。通期が非常に保守的だったから業績は問題ないんだろうけども今期まで、という感じ。商事も物産も住商も、丸紅もいいけど伊藤忠は中国の影響を考えるとちょっと注意っぽいね。それから船株だけど、まぁ今月の権利取りが終われば墜落かな。ドル箱だった中国-欧州、中国ー米国のコンテナ価格がピークの半分。バルチック指数も相当に低下してるから、これから景気後退期なわけでまぁ厳しくないわけない?
素材関連ももう終わりだろうし、金融は多分来年の春まではじり安かな。日銀が動かなきゃ動きようがない。そんななかで、外債運用比率の多い金融は要注意。で、後は問題の電子部品・半導体関連、自動車関連ということになるけれど、この辺は微妙につながってるから難しいけど・・・。多分あまり期待できないかも。村田、TDKはスマホとEV次第。半導体はとにかく国際政治絡みの縛りがキツイ。そして自動車だけど・・・。
なんだかんだと言っても自動車が良ければ日本も明るくなるけれど、これがどう考えても今が分岐点。為替差益はいいとして景気後退の煽りと同居してるので難しいけれど、本質はそんなことではなくて、EV化を本気でやるとまずは価格競争になるし、膨大な生産設備と関連企業をどうするのか?という十字架を背負ってる。多分自動運転化が進めば進むほど、効果になるけれど販売数量は激減するだろうし・・・。車を所有するという形が消えるかもしれないし、そうなると何もかもが変わらざるを得ない。
ところが、テスラじゃないけれど、電気料金高騰の欧州ではバッテリー充電地獄になっているらしいし、米国ではそもそも無理という議論もある。比較的容量の大きなバッテリーを搭載しているテスラ車は一回のフル重電で1万~2万が飛ぶらしい。距離を乗る場合電気代が10万20万/月は当たり前、みたいなね。おまけに冬場は放電が激しいので走行距離が7割6割まで落ちてしまって電気代が2倍かかるみたいな・・・。EV化に進んでる北欧では重電スタンドに長蛇の列が慢性化してるらしい・・・。1日何も出来ないよ。
さらにロシアの蛮行でエネ価格がぶっ飛んで、背に腹は代えられなくなって石炭を燃やすと来た。この辺りの問題は再生可能エネも含めて茶番の嵐で、温暖化ガスは大幅に増えちゃうという落ちがつく。いままで文明や経済を支えてきた自動車も終わるのも近いな、という感じするし。そうなたら、日本のメーカーで生き残るのは?と考えると、鈴木、日産、SUBARUの3社かな。あっ、日産はフランスだったかぁ・・・。ちなみにトヨタの生き残る道は、サービス・インフラ会社に転身することかな。EV関連のインフラを整備する事業とか、そういうやつ。テスラが狙ってる路線を真剣にやらないとだめだよ。バッテリー関連事業を中心にして研究費を全投入して蓄電システムの開発をやるとか、総合的な自動運行システムの開発をするとか、EVになったらレクサスもヘッタクレもないのよ。
というわけで調べれば調べるほど、これからは俺(売り坊)の時代か?という気になったと同時に、日本はあまりに辛すぎるな、と思って気分が重くなってきた。やはり日本株でNISAは無理かなと・・・。「日本株は強い」じゃなくて「日本株は辛い」だね。
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