FRBに逆らっても勝てない相場へ

FRBに逆らっても勝てない相場へ

相変わらず米国投資家の強気派というのは、懲りない面々だねぇ・・・。そんなことやってるとしまいにはにっちもさっちもいかなくなって「塀の中の懲りない面々」になっやうよ!(苦笑)

昨日の米国市場は、雇用統計での失業率の0.2ポイントの増加(コンセンサスを0.1ポイント上回った)を好意的に捉えて即買い転換!ブルマーケット継続、みたいな印象を与える値動きになった。もちろん、かなり迷っていたことも事実だけど、結局買ったというよりも買い戻したってことになるんだろう。

ちょっと待ってよ!君たちはFRBに逆らうの?抵抗するの?と言いたいよ。FRBの年末時点での失業率の想定は4.4%だったし、金利は3%台だったんだよ。それがすでに金利は3.750-4.000でさらに12月にも0.500ー0.750の利上げをすると言ってるわけで・・・。だから昨夜の失業率3.7%というのは、まさしく利上げの上限を高くする裏付けだったと解釈すべきなのにね。

Advertisement

でも、コンセンサスよりも悪化した、という一点をとって「買い」に転じたわけで、これは恐らくパウエル議長の思惑の真逆だったと思うよ。でも今月、そして来月と雇用は多分、というか確信をもって予想が出来る。12月は失業率3.8%になるけれど雇用者数は増加し、賃金はさらに上昇するということだ。それって景気後退時の初期段階の傾向なんだよね。それでもインフレが思うように下がらなかったら・・・FRBは利上げを続けるしかないじゃないか!

で、パウエル議長がもっとも恐れていることは、単純にインフレが高すぎるという事ではなくて、景気が悪化してゆくのにインフレが思うように下がらないという、いわばスタグフレーションに落ちること。すでに、EUおよび英国は、スタグフレーションだからね。それでもラガルド総裁は各国の経済のばらつきをどうすることも出来ないから、利上げが出来ていない。ここでは、鬼になって利上げしてインフレを抑え込まないといけないのに出来ないんだ。

Advertisement

その状況をみてパウエル議長は、米国も引き摺られてスタフレに落ちることを本当に恐れていると思うよ。EU&米国がスタフレになってしまったら・・・それこそ、株だ、債券だ、なんてどころの騒ぎではなくなりそうだ。

原油も久しぶりに$90を突破してて、$93.60、$97.60の抵抗線を抜けてくると大台が待ってる。年末で嫌でも個人消費はそこそこ増えるだろうし。

やはりこの局面、FRBが株を上げさせたくないという気持ちがよく分かるし、買ってる場合じゃないね。ここから企業業績は急激に悪化するだろうけど、分るのは来年1月後半から2月だろうし。FRBに逆らっても勝ち目ないな・・・。