やはり米中経済は持ちつ持たれつ。日本経済は米中次第!

やはり米中経済は持ちつ持たれつ。日本経済は米中次第!

やはり出たな、という感じのこの記事。

 

この記事の中でブルームバーグは「世界1、2位の経済大国である両国の関係に雪解けの兆しが新たに表れた。」と書いているけれど、全然そういう話じゃないよ。別にどうと言うことはないと読み過ごしがちな、このての記事だけど、実は結構深い話なんだよ。

この7月にイエレン財務長官が訪中したけど、その目的は今年から来年にかけて、バイデン政権のジャブジャブ政策のために爆増予定の米国中長期国債の引き受けについて打ち合わせに行ったということだよ。とにかく債務上限問題で揺れて、使える資金はもちろん本来使えない資金もどんどん使って凌いだ反動で、短期国債を爆増して資金を集めた。そして今度はそれを中長期国債に振り替えないと、毎月の償還がきつすぎるからね。

でも米国債はフィッチ・レーティングスによって格下げされたりして、将来的にまだまだ金利上昇の懸念があるから、入札しても不調に終わる可能性がある。不調になるとますます金利上昇となって、金融機関保有の国債価格が下落しまたぞろ銀行危機だとか再燃するだろうし、国債金利の上昇はあらゆる金利の上昇要因となって猛烈に景気を冷やす。

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特にこの時期インフレが微妙な感じになっていて、FRBはタカ的姿勢を崩すわけにはいかないから、金利の上昇が歯止めがかからなくなってる。そこで、イエレン財務長官の使命はせめて国債入札を好調に見せかけないといけないわけで、当然事前に引き受け手をある程度確保しておく必要がある。

日本なんか当然のごとく一声でノルマを課せられるし、すでにG7できっちりと命令されてるしね。10兆円とか20兆円の単位で買うことになる、というかGPIFなんかリバランスでバシバシ買うんだよね。

さてそこで中国だけど・・・米中は対立関係を演じているけれど、こんなのは話半分くらいで見ていないとだめで、こういう記事が出てくることから分かるように、互いの財政運営での結びつきは強固なんだ。米国は人民元レートの管理相場制を認めてるわけで、そもそもこれが中国を化け物みたいにしてしまったわけだけど、米国がM2マネーを増加させれば、その分中国もM2を増やせる。だからよろしくお願いしますね、という話になる。

詳細はお互いの事情もあるのでよく話し合って決めましょうということ。それがこの記事の意味だと思うよ。

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けれど、こんな米中の茶番がいつまで続くのか?って考えると結構疑問に思ってる投資家が増えてると思う。知っての通り中国経済は莫大な不良債権を抱えて瀕死の状態だし、米国とて民主党の政策を維持するためには際限なく国債発行を続けなければならない。だからこれで米国経済がリセッションってことになると、どうなるかイエレンにもパウエルにも分らないくらい混乱すると思うんだよね。

だから必死に「米国経済は底堅い」「雇用や消費は強い」ということを演出しないといけないわけだ。実際株式市場のここまでのムードは、ソフトランディングはすでに終了、くらいのイケイケモードで上げてきてる。リセッション回避はほぼ確実という楽観モードだよね。

バイデン大統領は「中国は経済で手一杯で台湾なんか攻めないよ」と言い出すし、商務長官は「貿易が米中関係を安定化させる」とか言ってるし。一方で半導体輸出規制強化や中国企業排除といった強硬策も同時進行してる。と言うことは中国はハイテクは諦めて米国では生産しない物をせっせと供給すればいいんだ!という姿勢だよね。

かつて日本の半導体が潰されたように、不動産バブル景気が崩壊したように、中国も同じ道を辿るのだと思う。それは米国が仕向けた事だよ。

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でも、考えてみれば、今の米国経済は相当危ないと思うよ。というかイエレン財務長官もパウエル議長もそのことは十分承知の上で、発言や行動をしていると思うしね。ここまでジャブジャブ政策をやってきたけれど、そのことに普通の専門家ならばそろそろヤバイと感じて当然だ。いや違う。ヤバいのは十分に承知の上で、何とか維持しようとしているように見える。

米国の個人消費は堅調と言うけれど、このまま維持できる消費なのかどうか、アナリストやウォール街は議論したくないみたいだ。貯蓄が過去最低レベルであるとか、クレジットカードの金利が20%を超えてるとかデフォルト激増とか、自動車ローンも住宅ローンもデフォルトが増加してるとか、もう無理っていう個人が激増してる。

そこにきて学資ローンの返済が10月から開始になるわけで、そうした状況を今の株高が埋められるのか?という綱渡りになる。個人だってキャピタルゲインで凌ごうと当然考えるからね。そこにUAWのストライキと10月1日から政府機関閉鎖にでもなったら・・・。

その上、金利上昇の悪影響が米国経済全体を覆うわけで・・・。

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個人的には近々、米国債金利が急激に低下する場面が見れるんじゃないかと思うんだよね。理由は米国経済に対する懸念や不安が一気に増大する局面が来週来ると思うから。インフレ云々も重要で月末のPCEは注視すべきだけど、米国経済自体の悪化懸念が急激に高まると思うから。

そうなると株式から米国債に資金シフトが起こって金利が低下する。同時にドル円もまるで介入したような値動きが出るんじゃないか?ってね。膨大な円売りポジの手仕舞いになるかも、と密かに考えてます。それがゴーサインかな。で、そうなったらいよいよリセッション本番となる?

あくまで想定だけど、そのくらいは投資家として考えてますよ。週末の米国市場の値動きを見て感じた人も結構いると思うんだけどね。戻り売り、バンバン出てたよね。

中国がダメで、仮に米国がそうならば、押し目買いした投資家はたっぷりと喰らうかもしれないなぁ・・・。