NVIDIA決算と高まるマーケットの不確実性

NVIDIA決算と高まるマーケットの不確実性

米国市場で28日の大引け後、NVIDIAの決算発表がある。これに関してまるで株式相場の今後の趨勢を決めるかのような大袈裟な表現の動画がたくさんYOUTUBEにアップされてるけど、どれも視聴回数稼ぎのような大袈裟な内容ばかりで困る。

でも今は、それどころの話ではないはずなんだけど・・・。生成AIが今後も大きく伸びるのは間違いないし、NVIDIAの決算も悪かろうはずがないんだけど、日米ともに、ほとんど財政のコントロールが効かなくなっていて、金利が上昇してしまって、インフレも止まらなくて、財政はムダ金のオンパレードで、ボロボロですわ。そんな中でAIのことばかり気にしても何も変わらないと思うけど。

それとNVIDIAの業績が異次元なのは、コンペチがいないから。AMDなんかが頑張ってるけど、ちょっと性能は太刀打ちできていない。また新たな生成AI用チップの開発も進んでいて、NVIDIA製よりも高性能なものは結構できているけれど、資金が無いから量産が出来ないし、またTSMCも受けないんだよ。

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TSMCが受けないとサムスンとかインテルが受ければいいと思うけど、サムスンは中国製半導体で一杯で、インテルはそもそも製造能力を疎かにしてきたツケが回ってて・・・。うまい具合にNVIDIAにとっては独占的な環境が整っているんだよね。

この状態が長引けば長引くほど、中国が追い上げてくる。そしていつまでもそんなことをしていると気が付いたら追い抜かれてる、なんてことも無きにしもあらず。なのでとにかく先端半導体の製造のキャパが広がらない限り、コンペチが現れず、NVIDIAの独占的な地位が継続してしまう。

これ、かつては全く同じようなことがインテルのCPUで起こっていた。「インテル、入ってる」というCFがガンガン流れてたけどね。圧倒的なシェアだったけれど、実体経済に対する影響はかなり限定的だった。今回のNVIDIAの騒動も同じような感じにみえるのは、俺だけかな。

というわけで、確かに世界中でAIや生成AIの時代が来てると思うし、その流れはまだまだこれから広がりを見せるのだろうけど、そうなるまで経済そのものが持つかな?という懸念は相当にあると思うよ。

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いま世界が最も注視しているのは、間違いなく日本経済の動向なんじゃないかな。インフレの動向とか日銀の金融政策の推移とかね。いままで金利のバカ安い円が、世界の投資マネーを支えてた。ところがね、インフレが止まらず日銀が金利正常化とか言い出して利上げをしてゆけば、そしてFRBが利下げに踏み切ると、どうなる?

そんな動きが顕著になってきたら、それこそ日本経済はとんでもないバブルに突入するかもしれない。バブルって国内景気の良し悪しで起こるわけじゃない。要はジャブジャブにした資金がキャリートレードされて海外投資家の運用を支えていたものが、逆流すれば起こる現象。

そうなると日銀は、インフレを抑え込もうとある時点まで我慢して、たまりかねて急激に利上げをする。その時には相当にヤバイ状況になってるという事だね。

なんか、いろいろ考えて見ると、今の経済ってほとんど制御不能に近いな。このまま相場のボラが高い状況が続くかも。NVIDIAの決算をどう見るかによっては、米国市場の引け後から明日の日本市場は上でも下でも大荒れになるかもね。そしてそうなるならなったで、株式市場の根底にある不安定さ、金利の不安定さ、為替の不安定さといった不確実性が、根本原因であると思うけどね。

まぁまぁ、どうなるか、全然分からんけどね。

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