FRBを挑発する米国株式市場!日本経済は・・・
- 2023.01.07
- トレード雑感
昨夜の米国市場はフラストレーションを爆発させるように、雇用統計の「平均時給低下」の一点を理由にして買い上がっていったね。なんか、こんな相場の動きをされてしまうと空しいというか・・・最近の相場は、AIによるアルゴが主流で、ポジティブだと思われるファクターを理由に買いセットされてるんだろうと思うし、それって極めて近視眼的じゃないか?って思うよ。
そもそも雇用統計は遅行指数だし、近視眼的というよりも懐古趣味だな。AIがひと月前のデータによって株価を動かすという、超ナンセンスな値動き。株式相場は半年後を見据えて動く、と言うのはもはや死語だね。こんなのを見せられてしまうと、ますますやる気を失うというか、株式投資に対する失望感、もっと言うと米国市場に対する不信感が強まるなぁ・・・。
まるで株式市場って大いなる茶番劇の舞台なのかも。
22:30 | (米) 12月 非農業部門雇用者数変化 [前月比] | 26.3万人 (25.6万人) |
20.0万人 | 22.3万人 | |
22:30 | (米) 12月 失業率 | 3.7% (3.6%) |
3.7% | 3.5% | |
22:30 | (米) 12月 平均時給 [前月比] | 0.6% (0.4%) |
0.4% | 0.3% | |
22:30 | (米) 12月 平均時給 [前年同月比] | 5.1% (4.8%) |
5.0% | 4.6% |
上の表が昨夜の12月雇用統計の概略だけど、失業率は3.7%→3.5%と改善していて、これは過去を見ても最低レベルの言ってみれば超完全雇用状態って事だよね。これはFRBの予想とは真逆の方向であって、状況で判断すれば金利が高止まりする要因であってネガティブファクタだ。
けれども株式市場が(と言うよりもAIセットが!?)好感したのは平均時給(前月比)が11月0.4%→12月0.3%、同昨年同月比が4.8%→4.6%に低下したという部分。これをもってしてダウは$700もカチあげたんだから恐れ入るよ。
内訳では小売りやヘルスケアなどいのサービス部門の雇用が増えたのが要因で、12月は非正規が増えるのはごく自然なことだし、そうした雇用はレイオフが始まった正規社員よりも時給が低いからね。ただそれだけの事なのに、数字だけ見て一方的に相場が傾いてしまうのは、危険というか、そうした株式市場の動きはパウエル議長も手に負えないと頭を抱えてるんじゃないの?
で、その根底にあるのは、マーケット(投資家)の「ソフトランディング待望論vsFRB利上げによる景気後退」のバトルだよね。米国投資家はこれ以上株価が下がるのは嫌だという事情もあるだろうし、だからこそ強引に今のポジションでなんとかここを凌ぎたいという願望もある。なので、少しでもポジティブなファクターを見つけると株価を上げる方向に行くんだろうね。
雇用統計に関しては、いままで散々「信用できない」「統計の信頼感がない」「統計調査手法が間違ってる」という指摘を連銀レベルでされている。にもかかわらず「全幅の信頼を・・・」って感じでマーケットが動くのは、やはり作為的というか妄想的というか・・・。
それに景気がこれ以上悪化したら困る、と企業はもちろんだけど、個人レベルでも後がない状況だからね。ここで株式市場までどんどん下落するとなると、流石にもうギブアップするしかない状況になっちゃう。
まぁ、そんな感じで米国投資家や個人の中には、ひたすらソフトランディングと決めてる流れがあるという事だろうね。
さて米国ダウ2.13%、S&P5002.28%、そしてNASDAQ2.56%と爆上げしたのに、日経平均CFDは¥188高止まり。その理由は言うまでもなく、雇用統計の数字を経て米国債金利10年物が3.560まで急落し、日本国債10年物が0.500で貼りついていたことで、ドル円が¥134.77→132.10までと、またしても一晩で¥2.67も円高に振れたこと。
ドル円相場は円安方向に向かってるなかでのことなので、逆目になったFX投資家はまたも大火傷と言うことになってしまった。しかも日経225企業の下期想定為替レートが¥137平均なのだから、こういう結果はどうしようもないし、よく上昇したとみるべきかも。
米国債券市場も将来の金利低下を織り込み始めて、なおかつ日銀のYCC上限拡大で0.500に貼りつくような動きになればドル円が132.10で落ち着くとは思えない。となると、日本株ってますます魅力が剥落するなぁ・・・。
まぁ、それにしても米国市場はね、あまりFRBを挑発しない方がいいと思うよ。それでなくたって今のFRBの姿勢はオーバードース、オーバーキル気味なんだからね。欧州が記録的な暖冬になって、エネ問題をなんとかクリアできそうということになって、インフレに目途が立ったという論調だけど、それがECBを挑発してるよ。
中国の状況を見ても、これから性格必需品の価格がバンバン上昇しそうだし、FRBはインフレの再燃を気にするから、金利は高止まる。日本もこの最中に金融緩和だからインフレになっちゃうんじゃないかと思う。方向としてはますます良くない方向だ。
2023年、経済は相当に危険だね。特に今年は日本、増税、インフレ、円高と三拍子揃っちゃってどうするのよ!岸田政権も時間の問題だな。それだけは歓迎だけど(苦笑)
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